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天海嘯に飲まれて。

 久しぶりに更新します。

 応援よろしくお願いします!




 アナさんとの話し合いから数ヵ月が過ぎ、また天海嘯(そらつなみ)期が訪れた。


 アナさんとの話し合いは想像を絶するものだったが、あたしは赤ノート先生から知識を引き出し、アナさんはその知識に絶望を顔に浮かべていた。


 天海嘯を無くする術は赤か青の星を破壊すること。そして双子星であるどちらかが破壊されれば二つの星の軌道はずれ、残った星も太陽に落ちるか宇宙の孤児となる。

 天海嘯がただ無くなれば魔物は魔力供給を失い死滅する。

 大いなる神は宇宙全体の摂理をこの小さな二つの星のために変えることはしない。


 それはあの子でもこの世界を変えられない、変えないと言うことだ。

 ただ、本当に何も手は無いのだろうか?

 あたしはカルさんが好きだ。アナさんも好きになった。二人を絶望から救いたい。


 あたしが考えているのは天海嘯を物理的に解消することだ。つまり拐われた魔物を全て救いだし、スタンピードはあたしのダンジョンスタッフに解消させる。イリスたちの強さならできると、あたしは半ば確信している。将来的には、だが。その将来的と言うのがネックだ。


 まずはあたしが青の星と行き来できないことにはお話にならないし、青の星の事情も分からない。青の星から自由に魔物を帰せるか分からない。召喚された魔物がいい子か分からない。幸せかも分からない。何にも分からないわ!


 ……だけどまさか、行くのがこんなに早くなるとは思わなかった。


 あたしは今回の天海嘯に、飲まれた。青の星に召喚されたのだ。





 次にあたしが気付いたのは、見覚えのある白い空間だった。ここは……!


「よお、久しぶり」


「芦田さん?!」


 まさか芦田さんに召喚された?!


「俺が召喚したわけじゃねーぞ? どうも青の星にスライム召喚能力を持ってる奴が現れたみたいでな」


「で、芦田さんは何の用?」


 どうやら芦田さんは召喚術式に介入してあたしに会いに来たみたいね。なんか言いたいことが有るんだろう。


「いくつかあるんだが……まずはカルを救ってやってほしい」


「芦田さんはしないの?」


 芦田さんは神だ。この二つの星のことは自由になるんじゃないだろうか?

 まあ神様が簡単に手を出せるならつまらない世界が完成するんだろうけど。


「分かるだろ。神になっちまって足枷がスゲー多いやーん、とか下手したら星が壊れるやーん、とか」


 何故やーんなのかは分からないけど、足枷とかは分からなくはないわね。

 それにあの子のことを知られたら一方的にあの子は恨まれるだろうし、あたしも嫌だわ。運命の流れは自然の必然でしかないのに神を恨んでも仕方ない。そんなのは八つ当たりでしかない。でもだからあたしが赤の星に送られたのも理解したわ。あの子はカルさんたちを救いたかったのね。

 あたしがやらなくては駄目なんだわ。


「気負うなよ。あのババアはお前が何もしなくても、できなくても恐らくはこれっぽっちも怒りはしない」


「そうだろうね。もしあたしがなんとかしないと駄目ならあたし一人送るんじゃなくてもっとたくさん送るだろうし、それにスライムになりたいって言ったのはあたしだわ。あの子じゃない。運命はあくまでも自然と、あたしたちの意思で決まるんだわ」


「そうだな」


「んで、他には?」


「青の星の魔神を、できるなら駆逐してくれ」


「はあ?!」


「封印がそろそろ解ける。話し合えば分かるとか馬鹿なことは考えるなよ? 奴等は赤の星の魔物とは違う。青の星では召喚された魔物以外は、全魔物が山賊だと思え」


 で、でも魔物は魔物よね。一切話が通じないなんて有るのかしら?


「全部な、青の星の人間を殺戮したいとしか思っていないから」


 そっか。あの温厚なカルさんですら青の星を滅ぼしたいくらい憎んでるんだもんね。あたしも耐えられるか分からないわね、これは。


「そこは人間の理性で耐えてくれ」


「心を読まないでくれる?」


「すまんな、お前だけが頼りだ。ちっ、もう時間だな。頼んだ!」


 あ、っちょっ! もっと聞きたいことが有るのに! 駄目だー! 体が空に引きずられるー!? 芦田さーん!! まだまだ聞いてないことがあるのにー!!





 う、うーん、体が透明ね……どうやら青の星に着いたみたい? 今は召喚術によって体が魔力に転換されてるのね。これから実体になっていくみたいね。

 なんか数人の人間? エルフとかが冒険者ギルドみたいなところで話し合ってるのが見えるわね。いや、いじめてる? 許せないわ!

 ん? なんか変な術式が絡んでくるわね。ああ、魔物を奴隷化するための使役術式ね。破壊しておこう。魔神様方と触れあっているうちに手にいれた知識で既に魔導の極致にあるあたしだから余裕だわ。この数ヵ月で魔神様の魔力をダンジョンで受けまくったからね。今のあたしのステータスはこんな感じ。




 名前 アザレア


 性別 女


 種族 セラフィックスライム


 魔力 38005


 スキル


・魔力操作

 ウォール ステップ 身体強化 オーラバリア マジックブレット マジックソード ショートジャンプ ロングジャンプ テレポート 魔力感知 微細魔力振動走査 術式操作 魔力隠蔽 存在隠蔽 念話 千里眼 魔力空間


・土魔法

 穴掘り クレイスパイク クレイランス 落とし穴 土強化 成形 ストーンスパイク ストーンランス ストーンレイン ソードレイン メテオランス ストーンコフィン ストーンシールド ブリッドゾーン ウエポンシュート インゴットシールド インゴットバインド ルーム作成 重力操作 グラビィティランス


・回復魔法

 ヒール ミドルヒール エリアヒール グレーターヒール エリアミドルヒール エクストラヒール リザレクション エリアグレーターヒール リジェネレーション エリアリジェネレーション サンクチュアリ エターナルヒール


・浄化魔法

 クリア キュアポイズン キュアパラライズ キュアディジーズ キュアストーン キュアオール エリアキュアオール


・触手

 銛 貫通強化 吸収 注入 触手増加 槌 鞭 器 触手視点 投擲 斬撃


・種族スキル

 溶解吸収 スライムボディ 出血毒 神経毒 酸 収納 瞬間収納 毒飛ばし 強酸 溶解強化 王水 高速移動 サイズ調整 硬度調整 核増殖 コアガード 隠密 壁登り 分解合成 完全人化


・特殊スキル

 言語翻訳 アカシックノート ダンジョンメイカー


 称号

 ボッチクイーン 孤高の存在 もぐらスライム 血も涙もあるスライム ダンジョンマスター モンスターマスター 這いよる混沌 戦場のスライム聖女 ジェノサイダー 救命士 死神の天敵 魔王 神子 戦神 女神の寵愛を受けし者



 うん、魔力バカね。セラフィックスライムとかに進化したのと術式が操作できるようになったわね。スキルほどではないけど強引に術式を組み立てて自分の属性に無い炎の魔法とか使えるようになったわ。無敵ね。まあ使わないけど、要らないし魔力消費激しいし。魔力空間は芦田さんのとこみたいな空間を作れるわ。ピンク色だけど。あの子と同じね。グラビティランスは……これも使わないわね。当てた相手の体重を増やすくらいの魔法だわ。


 それでこのエルフの子は……あれ? ステータスが見えるわ!



 名前 ルシア


 性別 女


 種族 ハイエルフ


 魔力 5


 スキル


・魔力操作

 ウォール


・風魔法

 ウインドカッター


・回復魔法

 ヒール


・浄化魔法

 クリア キュアポイズン


・精霊感応


・種族スキル

 森の人 鷹の目 弓強化 魔力充填


・特殊スキル

 モリー語 スラローン大陸共通語 スライム召喚


 称号

 混沌を呼ぶ者



 魔力たったの5か……ゴミ……ってあたしの最初と同じだわ。スライム並みねこの子!!

 ルシアちゃんね。


 この混沌を呼ぶ者って言うのがこの子のステータスが見える理由ね。使役はされなかったけど変な術式で繋がってるわね。切れるけど……様子見にしよう。この子にあたしの魔力を注げるみたいだし。千くらいなら良いかな? 注入~。注ぎすぎるとルシアちゃんが爆発するわね。


 よし、これでルシアちゃん強くなったわね! まあ魔力だけ高くても使いこなせないと意味ないけどね!

 なんか貴族っぽいやつらがルシアちゃんを煽ってるわね。


「雑魚が得られるスキルなんてこんなもんだよな!」


「スライム召喚だって! ざっこ!」


 おお、なるほど、こいつらスライムに喧嘩を売るわけね。

 お、召喚が完了して自分の体が見えるわね。なかなか貴重な体験だったわ。

 エルフちゃんは身長は百五十くらいかしら、可愛い子だわ。銀髪に青い目。弓も持ってて、いかにもなエルフだわ。笹穂耳って言うんだっけ? 尖って横に伸びた耳が萎れてる。


「うわっ、なんだそいつ!?」


「お、見える? ぷるぷる、あたし強いスライムだよ!」


「は?」


「とりあえずその三人は殺して良いのかしら? ルシアちゃんだっけ?」


「え、なんで名前を……」


「貴女があたしを召喚したからよ! さて、どいつから死にたいの?」


「あ、あの! 殺しちゃ駄目でふっ」


 噛んだ。可愛いわねこの子!





 体調が悪いのでストックも少ないですが頑張ります。不定期更新になりますがすみません。


 次回、青の星でもアザレアはやはり酷い。




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