表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/879

94.古代魔法と新たなアイテム

 リゼはジェレミーと別れて自宅に戻ると、新しい古代魔法の本をついに読み終えた。

 それなりに分厚い本であったため、時間を要してしまった。今回はアイシャのために土属性魔法だ。

 これが終わったら風属性魔法の本を読もうと思っている。


「さて、ブリュンヒルデを出してっと。本の中の魔法理論をあとは魔法陣として描いていきましょうか。まずは下書きね……」


 メモした内容を魔法陣として描いていくのだが、かなり複雑でありニ時間もかかってしまった。

 しかし、少しでもずれると魔法の習得に失敗してしまう。しかし、前世の絵心のおかげで精巧に描くことができた。

 途中でアイシャが訪ねてきて真剣に見守ってくれていた。


「おお! こうやって描くのですね。完成ですか?」

「下書きはね……この後、ブリュンヒルデで正確になぞっていく必要があって。しばらく待っていられる?」

「もちろんですよ! なかなか見れない経験ですし、いくらでも待ちます」


 それからさらに時間をかけてやっと完成した。アイシャはどうなるのかと期待しているようだ。なお、これが土属性魔法の魔法陣だとはまだ話していない。


「さて、アイシャはいまサンドシールドとロックニードルを覚えているはずよね。補助魔法を覚えてもらおうと思います!」

「えっ、これって土属性魔法ですか!? 期待してしまいますね……!」

「では魔法の名前は『クレイバウンド』よ。手をかざして魔法名を詠唱してみて」


 アイシャは手をかざし『クレイバウンド』と叫んだ。すると魔法陣が展開され、しばらく経って消える。早速マジックウィンドウを確認したようだ。


「えっと、地面を歪ませ、相手を拘束する。飛翔する対象には効果がない……ということで、アイスレイと同じ感じですね!?」

「そうね。これがあれば相手をその場に釘付けにして有利に戦えると思う。練習で色々と試してみましょう!」

「分かりました! これで防御、攻撃、補助の魔法を使えるようになりましたから、お嬢様と同じように戦闘の幅が広がりましたので感謝感激です!」


 喜んでくれたようでリゼは頑張って魔法陣を描いたかいがあったと思うのであった。

 そして寝る前にベッドに横になりながら交換画面を眺めていた。


【アイテム交換画面】こちらはアイテム交換画面です。ポイントを消費してお好きなアイテムを獲得することが出来ます。

【魔法ポイント(大)】1000000

【スキルポイント(大)】1000000

【上級ポーション】500000

【世界樹の葉】10000000

【転移石】10000000

【ダンジョン転移石】15000000 (限定1個)


 見たことのないアイテムがラインナップに追加されていたため、詳細を確認することにした。


『ダンジョン転移石 備考:未発見ダンジョンに転移できる石。難易度は指定可能。クリアすると任意のタイミングで転送元に戻ることができる。なお、クリアせずとも任意のタイミングで戻ることも可能。ただし、その場合は一ヶ月間はこの石を利用できなくなる。複数人で利用することも出来る』


(なるほど。初級から上級まで選んでまだ発見されていないダンジョンに転移できるのね。ランダムにダンジョンに飛ぶとなると、タイミングによっては冒険者との鉢合わせがあるかな。幸い、私にはダンジョンマップウィンドウがあるから、攻略中の冒険者の位置を捕捉できるから、遭遇しないようにうまく立ち回れる。しかも、一ヶ月間使えなくなるとはいえ、いつでも逃げようと思えば逃げられるのはとても親切設計ね)


 初級ダンジョンに繰り返し潜ることでスキルアブソーブやその他の戦闘技術を磨くことが出来そうだとリゼは考え、さらに千五百万ポイントは安すぎるので交換することにした。非常に便利なアイテムであるため、本来はもう少し高いポイントを要求されそうであるが、大地の神ルーク的に手に入れたほうが良いと判断して少し安くしてくれているのかもしれない。

 とはいえ、このアイテムは使用して家を開けると心配されてしまうため、使用する際は時計を持っておき、時間がかかりそうであれば帰ることでなんとかすることにする。

 交換を実行すると、金色の手のひらサイズの二つの石が出現した。ひとまずアイテムボックスに収納することにした。そして、いつダンジョンに行こうかと考えているとメッセージが入る。


『リゼ、ローラよ。狩猟大会の話もしたいのだけれど、近日中にお茶会でもどうかしら。魔法の練習も兼ねて』


 ローラからの連絡だ。彼女とはアンドレの式典でメッセージを送りあえるようにしておいたのだ。

 社交界で馬鹿にされないようになるということが一つの目標である。キュリー夫人にも聞くつもりであるが、ローラにも色々と聞いてみようと考えていたので、これは嬉しいお誘いだ。


『こんばんは。是非、お願いしたいです。私はいつでも大丈夫です。アーデルとコーネリアのことも誘いますか?』

『では明後日はいかがかしら? あの二人には声をかけておくわね』

『分かりました! 場所は私の家でいかがでしょうか? ご連絡、宜しくお願いします』


 その後、ローラから快諾のメッセージがあり、明後日にお茶会を行うことが確定した。リゼは狩猟大会の話をしたいということは、ローラにも招待状が届いたのかもしれないが、会ったときに確認することにする。


 翌日、ダンジョンに転移できるアイテムを手に入れたことをアイシャに話すと驚いてはいたが、すんなりと受け入れられた。キュリー夫人の授業が終わると早速、使用してみることにする。

 安全を考えてフォンゼルには同行してもらうことにした。この日は数時間程度は練習場で練習をすることになっており、メッセージでアンドレやジェレミー、ラウルに連絡を取ったが屋敷を訪れる予定はないそうなので、騒ぎにはならないだろう。


「では、行きましょう。フォンゼルさん、今日はお付き合いいただいてありがとうございます」

「構いません。何かあれば盾になる所存です」

「もしもの場合は、すぐに戻れますので戻りましょう! 心の中で念じれば戻れるようですので、万が一、モンスターの『サイレント・フォース』というスキルで発声できなくなっても影響なく戻れます」

「私は二度目のダンジョンなのですが、前回と同じように頑張りたいと思います」


 二人は準備万端のようなので、ダンジョンに転移することにする。

 リゼは二人に頷くと(初級ダンジョン、転移)と念じるのだった。頭の中のパーティーメンバーはリゼ、アイシャ、フォンゼルであるため、その三人が転移した。

 

 転移が完了した瞬間にインフィニティシールドを発動して自分たちを囲むように結界を張った。

 危険かもしれないからだ。

 周りを見渡すと小部屋の中のようだ。ダンジョンマップウィンドウを確認すると罠部屋ではないことが分かったので、結界を解く。


「なるほど。ヘルマン様にお仕えして以来、遺跡やダンジョンには幾度となく潜りましたが、近頃は潜っていませんでしたので、この空気感は随分と久しいですね」

「安全なルートを確認しますね」


 フォンゼルが剣を抜きながら呟いたため、リゼは反応しつつ、ダンジョンマップウィンドウを見ながらボス部屋の位置と現在位置、敵の数などを確認していた。アイシャは剣を抜きつつも、部屋に転がっている壺の中身などを見たりしている。


(えっと、ボス部屋まではそこそこ距離があって、宝箱の部屋は一部屋のみね。相変わらず罠がある部屋みたい。ということは聖遺物があるはず。よし、まずは宝箱を目指しましょう)


 部屋を出ることにし、一行は通路を歩く。

 しばらく進んだところにモンスターが三体いるようであるため、途中から忍び足にする。

 花のようなものがうごめいている。頭が花で茎が体、根が足のようなモンスターだ。

 素早く戦闘ウィンドウで確認する。


【名前】グラミス

【レベル】9

【ヒットポイント】52/52

【加護】なし

【スキル】なし

【武器】なし

【魔法】パラライズグレイン


 リゼは少し考え込む。よく知らない魔法を覚えているため〈知識〉を振り返った。

 しかし、記憶にはない魔法であり、モンスターであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ