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悪役令嬢の取り巻きに転生したので、神から授かった特別な加護を使い運命回避します ~神からチートな加護は渡さないと言われましたが、かなり強くないですか?~  作者: 東雲景
5章 ブルガテド帝国

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190.王国と帝国

 リゼはさらに質問があるため、確認してみることにした。


「ありがとうございました。あとは……」

「何でしょうか。なんでも疑問は聞いてくださいね」

「帝国と王国って、いままでどういう関係だったのでしょうか……?」


 基本的に帝国では行く先々の人が歓迎してくれていたが、領地の民たちがどのように思っているのか謎だ。ある程度、歴史的背景を把握しておいた方が良い。そのため、リゼは質問することにした。


「いままでというと、最近国交が復活するまでの国と国の関係性ということでしょうか? なるほど。そうですね。おおよそ二千年前から小競り合いを続けてきた関係性ですね。元々は一つのミリア大帝国という帝国だったのですが、ゼフティア王国が先に独立し、ブルガテド帝国がその後に独立しました。それから大元となったミリア大帝国から宣戦布告されたゼフティア王国は数年に及ぶ戦争を経て、言い伝えによると聖女が現れ勝利をおさめたのでした。ミリア大帝国はその後滅び、いくつかの国に分裂していったのです。現在、ゼフティア王国にはその一部の国が併合されていますよ。あなたの友人、カルポリーニ子爵のご出身の国がちょうど直近で併合された国です。さて、ミリア大帝国を実質滅ぼしたゼフティア王国の軍事力は最大の状態であり、周りの国々を取り込んでいくことになります。その兼ね合いでブルガルド帝国は対抗するために軍事を強化したため、お互いに脅威となり、国境では小競り合いが続いたのです。さて、リゼさん、あなたの家族の話にも関係がありますが……ちょうど五百年前にランドル伯爵領のある島に王国は攻め込みます。昔はご存知かと思いますがランドル伯爵領はシスア王国と呼ばれたりしておりましたね。そして戦争で勝ち、王国領として占領したのですが、ブルガルド帝国はシスア王国や周辺の国々と交易があり、一部は親戚関係にもあったため、この占領には激怒しました。それまでは小競り合いが続いていたものの、交流はあったのですが、完全に断交という形になりました……。とはいえ、一部の王国と領地を接するヘルマン・フォン・ブットシュテット大公などは、定期的に一部の王国貴族などと交流はしていたようです。おそらくは情報収集でしょうね。ちなみに王国はシスア王国やその周辺国がある島を占領したあたりから軍事ではなく、芸術や大衆文化が発展して、数百年は戦争もなく、軍事力は低下し、いまではブルガルド帝国の方が経済力、軍事力共に勝る状態ですね。理解できましたか?」

「はい。思っていたよりも敵対関係にあったのですね……」


 つまり、まとめると元々はミリア大帝国という一つの国であったが、ゼフティアが独立し、さらにブルガテドが独立したことでミリア大帝国は怒り、ゼフティアに攻め入るが、返り討ちに会い滅びた。ゼフティアは周辺諸国を制圧していくが、ブルガテド帝国は徹底抗戦の構えで軍事力を強化し、敵国として小競り合いが続いてきた。そして、一部の国をゼフティアが滅ぼしたことが原因で完全に断行して冷戦時代に突入したということになる。リゼは思っていたよりも敵国として長い時が流れたのだと知って驚くしかない。


「いままではそうですね。しかしここ数百年はゼフティア王国の国力が低下ぎみで帝国からすると大きな脅威にはなり得ないことで、むしろブルガテド帝国は東方に位置するケラヴノス帝国を脅威として軍備を整えていたようです。また、アンドレ王子の登場によって関係はかなり良いものへと舵を切っているかと思われます。アンドレ王子が王になった場合、親戚関係になりますからね。こういう経緯もあったのでリゼさん、あなたはすごいことをしたと思いますよ」

「想像していた以上に最近まで仲が悪かったみたいで驚きました……」

「そうですね。国のトップレベルでは良い関係になりつつあるのは確かなので、それが広がっていくと良いですね。民衆レベルではブルガテド帝国側はゼフティア王国など眼中にはないですが、ゼフティア王国側は昔の力関係もあり、ブルガテド帝国を軽く見ている節がありますね。ブルガテド帝国に敵わないことは深層心理ではきっと分かっているので、昔の話を持ち出して目を背けているのかもしれません」

「確かにそういう方が多いかもしれませんね……」


 リゼはゼフティア王国と帝国の関係について大いに学んだ。領地民と接する際には気をつけておかなければならない。リッジファンタジアではアンドレの母、テレーゼは亡くなっていたため、両国が国交を結ぶことにはならなかった。彼女の生存により、その叔父にあたる皇帝ヘルムートの王国への印象改善に繋がったので、両国の関係を考えるとリゼの行動によって大きく歴史が変わったのかもしれない。


(色々あったのね。それにしてもゼフティア王国は随分と軍事力的には低下していたのね……だからこそリッジファンタジアではルートによっては戦争を起こされたりしたのかも。勝てない戦いはそうそう起こさないものね。戦争が起きるのはエル……のルートだったけれど、あれって確か戦争にはエルたちが勝ったし。レイラの力を借りたとはいえ、闇属性魔法に対抗する力がなかったのでしょうね。でもいまのエルは戦争なんて起こさないはずよ。本当に良かった)


 次の日、リゼはアイシャと街に繰り出していた。劇場に行き、その後は久々に喫茶店でお茶をしていた。交換画面はベッドの上だろうが廊下であろうが馬車の中であろうが、今となってはどこででも見れるのであるが、たまには紅茶でも飲みながらゆっくり見ようかといったところだ。

 早速見ていくことにする。まずは属性だ。


【属性交換画面】こちらは属性交換画面です。ポイントを消費して属性を得ることが可能です。

【氷属性】200000000

【雷属性】200000000

【聖属性】100000000

【水属性】25000000


 何も期待などしていなかったところでこれは驚きだった。


(えっ……? 水属性が追加されてる! これは……すごいことよね。アイシャは確か火属性を欲しがっていたはず。どうしよう。水属性はいらないかな? ちょっとだけ悩みましょう。他の画面を見てみましょうか。次はアイテムね)


 アイテム交換画面を表示する。


【アイテム交換画面】こちらはアイテム交換画面です。ポイントを消費してお好きなアイテムを獲得することが出来ます。

【魔法ポイント(大)】1000000

【スキルポイント(大)】1000000

【上級ポーション】500000

【マナ特効薬】500000

【世界樹の葉】10000000

【転移石】10000000 


 とくに変化がないため、画面を閉じて次の画面を見ることにする。


【加護交換画面】こちらは加護交換画面です。ポイントを消費してお好きな加護を獲得することが出来ます。

【女神の祝福】8000000

【雷鳴の陣】10000000

【ガルムの目】2000000


 ここでいつもスルーしてしまっていたが、特殊魔法属性の加護についておさらいしてみることにした。


『女神の祝福 備考:聖属性の会得者専用。基本魔法属性の魔法を無効化し、会得している魔法の威力および能力を向上させる』

『雷鳴の陣 備考:雷属性の能力向上。中級魔法以下の魔法は半径十五メートル以内の敵全員に発動可能。特殊上級魔法スーパーボルトの会得が可能』


 リゼとしては(そういえば、女神の祝福って、強すぎる感じだったっけ……聖属性を会得する気はなかったから完全に忘却していた……)と画面を見ながら思ってしまった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 『女神の祝福 備考:聖属性の会得者専用。基本魔法属性の魔法を無効化』 これって誰の又はどの(設置物や魔法具)魔法をなんでしょうね? 敵のみ?味方も巻き込む? 自身を中心に半径何メート…
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