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悪役令嬢の取り巻きに転生したので、神から授かった特別な加護を使い運命回避します ~神からチートな加護は渡さないと言われましたが、かなり強くないですか?~  作者: 東雲景
5章 ブルガテド帝国

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177.提案と考察

 次のエリアはネックレス、イヤリング、指輪、ペンダント、ブレスレット、髪留め、多種多様な装飾品が並んでいる。こういった装飾品に疎いリゼでもあまりにも綺麗で惹かれるものがある。


「ここにある中で加護付きのものはありますか?」

「効果付きであればあります。順番に案内しますね。まずネックレスです。こちらは火属性魔法を向上させる効果があります。次に水属性魔法、光属性魔法の三つですね」

「ありがとうございます。次をお願いしたいです」


 案内人が説明してくれたネックレスはリゼにとってはいまのところは効果がなさそうなものだった。

 よって、次の装飾品の説明をお願いする。 


 次はイヤリングだ。


「次にイヤリングですが、ネックレスなどと同じく加護付きのものはありません。効果付きもないのです。次が指輪ですね。こちらの指輪は各属性の魔法攻撃に対しての耐性を得られるものです。次は風魔法の向上効果があります」


 それなりに使えそうな指輪があったため、少し考える。


(この全属性に対しての耐性を得られる指輪は有りかもしれない。でも、アンドレからもらった指輪をこれに付け替えるのも少し違う気がする……このメリサンドの指輪を強化していくほうが良いよね)


 指輪はアンドレからもらったものをつけているため、そちらを強化していけば良いと改めて思うのだった。


「次をお願いします」

「ペンダントですね。実はここにあった最高級品をジェレミー王子がどうしても欲しいとおっしゃられまして」

「そうなのですか」

「いま身に付けられているそちらです」


 案内人がペンダントに手を向けながら呟いた。


「あ! これのことでしたか……宝物庫の中でもとくにすごいものだったのですね……」

「はい。おそらくこの宝物庫にあった中でも三本の指に入る代物です」

「えっと、念のためこのレーシアの説明をお聞かせいただけますか?」


 アイテムウィンドウで見るよりもより正確な情報を得られるかもしれない。


「名匠コルトン=シメオン・クレバリーの集大成となる宝剣です。所有者を固定して、その人のみが中の剣を取り出すことができ、戻すのは所有者か元所有者に限って出来るのです。それから中の剣はご存じの通りレーシアと呼ばれる名前がついており、絶対に折れることはなく、敵と判断した相手に攻撃が当たるたびにモンスターでいえば相手の核、人間であれば体の芯、つまり心臓や脳にダメージを与えるという言い伝えがあります」


 この説明を聞いて(そういう効果があることは知っていたけれど、ダメージを与えるのは心臓とかそういうところなのね。結構、えげつない効果ね……模擬戦とかで使わないようにしないと……)と思うのだった。 


「ありがとうございます。この剣を使って主に戦ったのはメリサンド……。きっとレーシアのダメージ蓄積の効果もあってアンドレと二人だけでもなんとか倒せたのかもしれません」

「剣の効果の恩恵は少なくとも多少は影響しているかと存じます」

「やはり……ゼフティア王国の宝物庫において相当なレア物だと思うのですが、そんなにすごいものを私が持っていて良いのでしょうか……」


 リゼはペンダントを握りながら、すごいものをもらってしまったと改めて実感する。名匠コルトン=シメオン・クレバリーと言えば、数々の名剣を生み出した人物であるが、その最後の傑作がレーシアだ。この剣はオリハルコンとアダマンタイト、そして銀を混ぜ合わせて作られており、美しさ、強度、効果ともに最高級品なのだそうだ。また、剣の柄にはルビーなどの宝石が埋め込まれており、それだけでも価値がある。


「それは問題ございません。正式な手続きのもと、ジェレミー王子が入手されリゼ様にお贈りになられたわけですので。まあ、許可には国王陛下の許可がいりますから、交換条件があったようですけどね。あっ……失礼いたしました。失言です。どうかお忘れください……」

「大丈夫です。途中から考え事をしており、よく聞いていませんでした。申し訳ないです」


 案内人の失言は聞かなかったことにした。ジェレミーが国王とどのような交換条件でこのレーシアを手に入れたのかは気になるところではあるが、あまり深く知りすぎない方が良いだろう。


(改めてジェレミーにお礼を言わなきゃ。それにしてもレーシア、モンスター相手には使っても良いかもしれないけれど、相手にダメージを蓄積するのであれば、対人戦においては本当に緊急事態に使うのが良いということになる……念のため、レーシアで戦ってしまった人にはキュアを詠唱しておかないと。あ、でも模擬戦用の魔法石を身に着けていればそっちにダメージがいくかな? どんな攻撃もダメージを代わりに受けてくれるからたぶんそうね)


 それからリゼは他の装飾品を見て回ったがこれと言ってピンとくるものはなく、改めて武器を見ることにした。再度にはなるが、一つ一つ注意深く見て回る。プレートを見ながら真剣に悩むが、仲間たちには北方未開地の宝物庫からそれなりに使えそうなものを渡しており、なかなかどれが良いのか悩んでしまう。すると、案内人が口を開いた。


「リゼ様、もしかしたらと思うものがあるのですが……ご覧になりますか?」

「何かあるのですね。是非見たいです!」

「こちらになります」


 リゼは部屋の中央にある腰くらいの高さの円柱型の彫刻の前に案内される。案内人が手をかざすと、ゴゴゴゴと音がして、彫刻が後ろにズレ、地面からショーケースが出現した。


「こちらです」

「あれ? すごい仕掛けでしたが、このショーケースに何かあるのでしょうか?」

「よく見るとショーケースの中の空気が光っていることが分かると思います。手をかざしてみてもらえますか?」


 リゼはショーケースをのぞき込んでみる。確かにきらきらとした光が見える。明かりの角度によってはきらきらとした光が見えなくなるため、教えてもらわなければ気づけなかったかもしれない。 


「ほんとですね……時々キラキラと光っていますね。かざせばよいのですね。何かな……かざしてみます」


 と言ってしまったが、瞬時に頭を切り替えて、リゼはかざす前に神器に確認する。


(神器さん、これって何ですか?)


 神器は即座に回答してくれた。


『これは秘剣ミスティアです。実体はないですが、確実に剣です。手をかざした人を所有者として登録します。望むと剣として実体化します。ブルガテド帝国よりゼフティア王国に過去に贈られたものです。これは所謂、剣を奪われた際、剣を手放してしまった際に有用ですし、マスターが会得しているアイスサーベルは魔法であるため、マナが必要です。マナが枯渇したエリアなどで有用です』


 リゼとしては剣は沢山持っているし、アイスサーベルで剣をいつでも生成できるため、特に不要そうだと頭の中では考えていたのだが、マナが仮に少ない領域があった場合には有用そうである。ただし、アイテムボックスから剣を取り出せば良いとも思ってしまった。

 ふと案内人を見ると、リゼを見つめてきている。

 そういえば、「かざしてみます」と言ってしまったことを思い出した。


(どうしようかな。リアはいま馬車だし代わりにかざしてもらうことが出来ない……。でも待って、仮によ。仮にマナなくて魔法が使えなくて、アイテムボックスも使えないような場所があったら……? 以前、ダンジョンでアイテムボックスが使えないところがあったものね。そういうときに有効かも? あ! あとアイテムボックスから取り出すには、アイテムボックスを開く、手を伸ばす、剣を取り出すという動作が必要になるけれど、すぐに手に剣を出現できた方が何かあった時に素早く対応できるかな。だんだんと便利な気がしてきた!)


 出来る限り色々な場面を想定してみたところ、手に入れておいて損はないし、他に欲しい物もなかったため、手をかざすことにした。するとショーケースの中の光のきらめきが消えた。

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