50.ツンデレ白馬
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
撮影は続く。
寮の中は、人魂? みたいなのがうようよしていた。
これも、妖魔なんだろうか。
「……これはオーブ。陰の気が凝固したもの」
と咲耶。
「ほぉん……陰の気ねえ……」
そういえば、妖魔も、陰の気が凝縮してできたもんっていっていたな……。
「じゃあこのオーブってのも、妖魔ってこと?」
「そうね。妖魔の一歩手前ってかんじかな」
「妖魔の卵的な感じか。なるほどねー」
ふよふよしてるオーブなら、白馬も咲耶も見えている様子。まあ、もっとも……。
「わ、わー、また目の前がみえなくなってきたよぅ」
……ユリアの周りには、オーブがめっっっっっちゃ集まっていた。
なんかもう集まりすぎて、ユリアがブドウ人間みたいになってる……。
「ほんと、妖魔ってユリアみたいな、陽の気を発しまくる存在すきなのな」
妖魔は陽キャが好きと。
……逆に、陰キャはあまりお気に召さないと。
咲耶はともかく、この白馬も陰キャなのか……? キザったらしい言動してるくせに。
「な、なんだよ……僕をじろじろ見て」
「いや、別に。それより、いいのか? オーブを滅しなくて。それとも、なに? 力を温存してるとか?」
「馬鹿にするなよ! 芒!」
白馬が胸のバラを抜いて、鎌へと変形させる。
ぐるんっ、と振ると、オーブが消えていった。
「あ、また体が軽くなったよ!」
「フッ……お礼はいいよ、ユリア……」
「ありがとー、ゆーじくんっ!」
……どうやらユリアのやつ、俺が妖魔を倒したって思ってるらしい。
ぐにゅり、と俺に抱きついて、そのデカい乳をくっつけてきた。
「やめれ」
「やーだー」
「それに、今回お祓いしたのは、そこのキザ野郎だよ」
「玉子ちゃんが……?」
「おうよ」
「そか! ありがと玉子ちゃん!」
白馬は感謝されたっていうのに、なんかあんまり嬉しそうじゃあない。
こういうとき、めっちゃ調子乗りそうなんだけど……。
「……どういうことだよ?」
と白馬。
「……あ? どういうことって?」
「……自分の手柄にすればいいのに」
「……は? なんでそんなせこいことしないといけねえんだよ」
なんで他人の手柄を奪う必要あるんだっての。ったく、俺がそんなちっこい男に見えるんってか?
「……ふんだ。別に、少し良いとこだなとか、思ってないからなっ」
「え? なに?」
「別に! いい男だなんて、思ってないからな……!」
「うるせえ……!」
耳元で怒鳴りやがってったく……。
って、あ。
「か、監督……? なんでこの絵をとってるんすか……?」
御嶽山監督の指示なのか、カメラがこっちをじーっと見つめているではないか!
「こちらは気にせず」ってフリップ出されてるんですけどいやいやいや。
端から見ると、女子二人に囲まれてる俺って図じゃあないっすか。
「やめてこれ、放映しないで」
『こっち気にせず』
「だから、まじやめてねほんとやめてね! 使わないでね、絶対!」
学校で絶対なんか言われるんだから、もー!




