表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/85

29.妖刀使いたちも、強化してた

 魔銀ミスリルを現代で大量にゲットした俺。

 魔銀武器を装備した四十八人の式神たちは、森の妖魔を次々と倒していった。


 そして高尾山の山頂に到着する。

 展望台からは西東京を一望でき、観光客も多い。


「神兄様!」


 桃三ちゃんが抱きついてくる。ももかもそうだが、この式神たちも揃いも揃って美少女で、スタイルまで抜群だ。


「なにあれ……美少女だらけの中に男が一人……?」

「新しいアイドルユニットか?」

「ちくしょう、美人揃いだ……羨ましいぞあの男……」


 観光地なだけに視線が痛い。頼むから目立つのはやめてくれ……。


「どうだ、咲耶、ももか。楽できただろ?」


 魔銀装備の式神たちは妖魔と普通に渡り合い、二級妖魔程度なら任せておける。


「そうね、一度も戦闘しなかったし」

「……正直、かなり楽。ありがとう、お兄ちゃん」

「あんがとね悠仁!」


 その時だった。


 ごごごご……と大地が揺れる。


「な、なにごと……?」「地震!?」


 桃三ちゃんたちは状況がわかっていない。だが咲耶とももかは妖刀を抜いていた。高位の妖魔の気配に気づいたのだ。


「もしかして……」

「ええ、妖魔よ。それも名持ち……」


 視線を向けると、遠くに巨人が一体。


『だいだらぼっち、ですわ』と帰蝶が告げる。

『山に棲む巨人の妖魔。特級に分類されます』


「ほーん……特級妖魔ね」


 鎌鼬と同格らしい。あれが妖魔の頂点と言われても、どうにも釈然としないが。


「わたしたちが開けた場所に出たせいで、特定されたのね」

「あたしたち狙いってわけか! 上等じゃない!」


 妖刀使いたちは戦う構えを見せる。

 一方、桃三ちゃんたちは巨人の姿すら見えていない(高レベルの妖魔は、弱い異能者には視認できないのだ)。


「桃三たちは、封絶界を張って」

「「「はい!」」」


 四十八人で封絶界を展開。展望台からだいだらぼっちのいる山まで結界が広がる。やるじゃないか。


『まあ勇者なら一人でやるがの』


 そう言うなって、魔王よ。


「じゃ、いってくるわね悠仁!」

「おう、頑張れ」


 ももかと咲耶が展望台から飛び降りる。俺は遠見ファー・サイトで鳥の視点を展開し、観戦することにした。


 二人がたどり着いた先にそびえる巨人は五十メートル級。


『そういや勇者よ。桃三たちは強化したが、妖刀使いたちは何もしておらんのでは……?』

「そう思うだろ?」


『む? 何かあるのか?』

「ああ、ちょっと仕込んである。見てな」


 二人は震えながらも構えた。


『逃げる……?』

『はっ、まさか! 一の型――氷天雪地!』


 ももかの妖刀が氷を撒き散らす。ずお……と広範囲が凍り、だいだらぼっちの下半身すら一瞬で氷漬けになった。


『な、なにこの出力!? 今までこんなの無理だったのに!?』


 咲耶も一の型、血湧肉躍しんたいきょうかを発動。妖刀が赤く輝き、彼女は巨人の顔面めがけて跳躍――五十メートルを一気に飛ぶ。


『な、なにこのジャンプ力!?』


 二人とも明らかに力が上がっている。


 巨人の攻撃を避けた咲耶は、空中で向きを変えた。


『はぁ!? 今、何したの!?』

『わ、わかんない……。相手の動きがすごくゆっくりに見えて……近くの破片を蹴って方向転換したの』


 なるほど、出力が大幅に強化されている。


『お兄ちゃんでしょ! なにかしたの!?』


 咲耶が気づいたらしい。俺は念話で答えた。


『妖刀に魔銀ミスリルを食わせたんだ』

『『妖刀に魔銀を……!?』』


 桃三たちが狩りをしている間、彼女らの妖刀を借り、魔銀インゴットを近づけてみた。結果、妖刀はそれを吸収したのだ。


「魔銀は妖魔に有効だろ? で、妖刀も妖魔を斬れる。つまり、妖刀にも魔銀が含まれているんじゃないかと鑑定したら……ビンゴだった」


 妖刀の成分には確かに魔銀が含まれており、それが増えれば力も増す。


『咲耶……今ならいけるわ』

『わたしもそう思ってた』


 ももかが妖刀を構える。


『緋刀【梅】――二の型! 【気炎万丈】!』


 刀身から炎が奔流のように噴き出し、巨体を絡め取る。


『すごい! 妖刀が二の型を覚えたのよ! 本来なら死ぬ思いの修練を積んで、ようやく習得できる技が……!』


 一方、咲耶も刀を振る。


『血刀【桜】――二の型【桜花爛漫】!』


 刀身が血のように赤く染まり、ぱきん、と砕け散った。

 破片は花びらとなって舞い、だいだらぼっちを切り裂く。


 血の桜吹雪。敵の出血はさらに花弁となり、連鎖的に攻撃が加速する。


『とどめぇ!』


 ももかの炎刃が振り下ろされ、ざんっ――五十メートルの巨体が真っ二つに裂けた。


『すごい! 悠仁、あなたのおかげでここまで強くなれたわ!』

『お兄ちゃん……やっぱチートだよ……』


【★☆大切なお願いがあります☆★】


少しでも、

「面白そう!」

「続きが気になる!」


と思っていただけましたら、

広告の下↓にある【☆☆☆☆☆】から、

ポイントを入れてくださると嬉しいです!


★の数は皆さんの判断ですが、

★5をつけてもらえるとモチベがめちゃくちゃあがって、

最高の応援になります!


なにとぞ、ご協力お願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

★新連載です★



↓タイトル押すと作品サイトに飛びます↓



『捨てられ聖女は万能スキル【キャンピングカー】で快適な一人旅を楽しんでる』

― 新着の感想 ―
ももかちゃん、氷だけでなく炎も使えるの? 魚怪はいまんとこ、出ないかな? 鎌鼬はももかちゃんを圧倒してたから(震え声)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ