表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/85

12.魔法で分身を作り妹を休ませる

 屋上で妹のレベル上げをした。

 一限目が終わるころには──。


~~~~~~

【名前】霧ヶ峰 咲耶

【種族】人間

【レベル】10

~~~~~~


 この通り、一気にレベルは10倍になった。


『勇者の補助魔法あってこそじゃな』

「どーゆーこった?」

『我が見ている限り……妖刀が魔物と相性悪いのじゃな』


「相性が悪い?」

『うむ。妖刀は妖魔特攻──つまり妖魔にだけ効果を発揮するらしい』


 なんだそりゃ。


「でも……わたし、魔物倒せてるよ?」

『それは勇者の補助魔法がかかっておるからじゃ。妖刀をお主の魔力が覆っておる。それで倒せるのじゃ』


 裏を返すと、俺の魔力なし(補助魔法なし)では、妖刀装備の咲耶は魔物を倒せないと。


「ようするに、魔物でのトレーニングには、世界扉ワールド・ドアと俺の魔法が必須ってわけか」

『うむ。咲耶でそれなら、ほかの妖刀使いも同じじゃろう』


 ほかの妖刀使いか。


「そーいや妖刀って何本あるんだ?」

「12本だよ」

「12……少なくないか?」


 咲耶の話では、現代で妖魔を倒せるのは妖刀持ちだけだ。

 つまり、現代で妖魔を倒せるのは12人しかいない。


「12人で世界中守るなんて無理じゃね?」

「妖魔はほぼ日本にしか発生しないの」

「ほぉん? 海外では?」

「全くないわけじゃないけど、日本ほど頻繁じゃない。だから妖刀使いは日本限定」


「なんで日本だけ?」

「……わからないの。一切解明されてない」

「へぇ……」


 一説では日本は陰の気が溜まりやすいとか、大災害が多いからとも言われているが、確証はないらしい。妖術師は人手不足でもあるそうだ。


「12人は全国に散らばって、妖魔が出たら近くのやつが倒す」

「妖刀使い以外は?」

「妖魔観測とか、結界で遠ざけるとか」


 なるほど。


「東京はおまえ一人で守ってるのか?」

「……ううん。他にもいる」

「協力すればいいのに」

「……みんな、個性が強いから」


 ふぅん。本当の理由じゃなさそうだ。


『それはどうして?』

『兄貴の勘ってやつだ』


 まぁ、そのうち会うだろう。全員国内にいるんだから。


「そろそろ一限目が終わるわ。戻らないと……あ……」


 くらりと咲耶が崩れかける。


「よっと」


 倒れる前に抱きとめる。


「大丈夫か?」

「…………」


 顔が赤い。風邪か?


『いや、風邪じゃないと思うぞ、勇者よ』


 魔王がくっくっと笑う。なに?


「なんで赤い?」

「……お兄ちゃんがかっこいいから……」

「え?」

「なんでもないっ! 離れて!」


 ぐいっと押しのけられるが、またふらつく。


「なんでそんなふらふらなんだよ」

「……関係ない」


 ふと気づく。妖魔は夜出る。夜戦って、昼は学校。……寝不足じゃないか?


「図星か。夜は妖魔退治、昼は学校……そりゃ体調崩すわ」

「嫌。妖刀に選ばれたから、やらないといけない」


 責任感の強い妹だ。


「いいから寝なさい。【睡眠スリープ】」


 咲耶がかくんと眠る。


『おねえさまっ! 何を!?』

「大丈夫。眠らせただけだ」


 布団を出し、屋上に寝かせる。外から見えない結界と雨対策もしておく。


「帰蝶、見張り頼む」

『当然。でもおねえさまは授業をサボりたくないはず』


「大丈夫。【分身ダブル】」


 咲耶に触れて魔法を発動。咲耶の体がぶれ、もう一人現れる。


『おねえさまがもう一人!?』

「触れた相手の分身も作れる魔法だ。行動も思考も本人そっくり。解除すれば経験も共有される。これで本体が休んでも問題ない」


『……すごい。この魔法があれば、おねえさまも無理しなくて済みますわ』


 やっぱり我慢してたんだな。


『おまえ、ちょっと見直しましたの』


 その時、分身咲耶が抱きついてきた。


「どうした?」

「ちゅき……♡」

「ふぁ!?」


 頬にキス。


「咲耶さん!?」

「ちゅき♡ おにいちゃんやさしい……♡」


「魔王! バグってるぞ!?」

『正常だと思うぞ』

「おかしいだろ!?」


 分身は本体と同じはずだが、こんな態度の咲耶は見たことない。


「致命的なバグだ!」

『魔法は問題ない』

「じゃあ何が!?」

『さぁてな』


 分身咲耶が押し倒してくる。


「お兄ちゃん、アイラのことちゅきなの? 付き合うの?」

「いや……別に……」

「じゃあ、さくやのことちゅき~?」

「……家族としてな」


「やったぁ~♡ ちゅきなの~♡」


「やめろ分身! 本体が思ってもないことするな!」


『魔法は正常だよ。魔法はな』

「じゃあ何が……!」


 騒いでいても、本体の咲耶は安らかに寝息を立てていた。

【★☆大切なお願いがあります☆★】


少しでも、

「面白そう!」

「続きが気になる!」


と思っていただけましたら、

広告の下↓にある【☆☆☆☆☆】から、

ポイントを入れてくださると嬉しいです!


★の数は皆さんの判断ですが、

★5をつけてもらえるとモチベがめちゃくちゃあがって、

最高の応援になります!


なにとぞ、ご協力お願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

★新連載です★



↓タイトル押すと作品サイトに飛びます↓



『捨てられ聖女は万能スキル【キャンピングカー】で快適な一人旅を楽しんでる』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ