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【書籍化】小さな転生貴族、異世界でスローライフをはじめました  作者: 福音希望
第四章 小さな転生貴族は暴走する 【少年編3】
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エピローグ1 困難は戦いの後に……

※3月28日に更新しました。


 ハクアとクロネを取り戻した俺たちはその日のうちにカルヴァドス男爵領に戻った。

 しかし、屋敷まで戻る体力もなく、ハクアとクロネの消耗が気になったので、一晩は途中の村で一泊した。

 急ぎでお金は持っていなかったのでつけでお願いしたのだが、宿屋の人間がアレンだと気づいてお代は結構だと言われた。

 さすがに急にお世話になるので迷惑をかけたので、しっかりとお金を(あとで)支払うとは伝えた。

 部屋に入ってからハクアとクロネはベッドに寝かせるとあっという間に寝てしまった。

 もちろん、元に戻った毛玉たちも一緒に寝ている。

 二人は今回の被害者、先ほどまで起きていただけでも十分すごいと思う。

 消耗しているのは俺も同じで、あっという間に眠ってしまった。


 翌朝──食事の後に俺たちはすぐ出発した。

 急いで帰らないといけないということで馬車などは使わず、二人をリオンとアレンが背負った状態で走ることになった。

 何を馬鹿なことと思うかもしれないが、実をこっちの方が速い。

 なんせ身体強化している俺がついて行くのがやっとのスピードで、馬車も追いつけない。

 しかも、馬車も通ることができない道でも通ることができ、普通に進むよりも何倍も早く進めた。

 本来ならば、数日かかる道のりも日が沈みかけたときにはすでに屋敷についていた。

 ちなみに、背負われていた二人はまるでジェットコースターに乗っているかのように「キャーキャー」言いながら楽しんでいた。


 だが、本当の困難は屋敷に帰ってきてからだった。

 なぜなら、屋敷にはエリザベスとクリスがいたからだ。

 屋敷の前で仁王立ちする二人に男性陣はおびえていたが、問答無用で屋敷の中に連れていかれて説教が始まった。

 自分たちは伯爵のもとに向かわせたのに、なぜ勝手な行動をした、と。

 お怒りはもっともである。

 ちなみになぜ彼女たちが屋敷に戻っているのかというと、アレンが事前にジルバに頼んでいたのだ。

 王都に向かう途中に二人へ事情を説明し、そのまま折り返してきたのだ。

 もちろん、これはアレンの良心である。

 今回の一件は人が相手となるので、子供たち同様二人には戦って欲しくはなかったのだ。

 置いてかれた二人からすれば、余計なお世話だったようだが……


 説教自体はすぐに終わった。

 心配そうな表情でハクアとクロネが説教されている俺たちを見ていたからだ。

 二人はそれぞれの母親の元に戻り、抱き締めてもらった。

 そのおかげか二人の怒りは少し収まり、説教の時間も短くなった。

 だが、俺だけは違い、母親たちからの説教が終わった瞬間、ティリスとレヴィア、アリスの三人からの説教が開始されたからだ。

 子供なのにどうしてついていったか、事細かく話をさせられた。

 事情を話すと、頬を引っ張られ、デコピンをされ、いろんなことをされた。

 アレンたちならもっとひどい罰を与えられるだろうが、まだ子供だということでそんな小さな嫌がらせのような罰になったのだろう。

 まあ、それでも痛いものは痛いが……


 ハクアとクロネがひとしきり母親たちに甘えた後、シルフィアが部屋に入ってきた。

 まだ傷は完治していないようだが、体調的にはもう問題はなかったようだ。

 しかし、少し気まずげな表情を浮かべる。

 まあ、自分が守るべき存在を守れなかったのだから、それは仕方のない事だろう。

 だが、そんな彼女にハクアとクロネは勢いよく抱きついた。

 そんな二人の行動にシルフィアは驚き、涙を流しながら抱きしめた。

 これからも彼女は二人のことをしっかりと守ってくれるはずだ。

 俺はそんな彼女たちの姿を見て、心の中でそんなことを考えていた。


 しかし、そんな平和な時間は長くは続かなかった。

 それはジルバが部屋に入ってきて、とある情報を伝えたことから始まった。







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