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【書籍化】小さな転生貴族、異世界でスローライフをはじめました  作者: 福音希望
第七章 成長した転生貴族は冒険者になる 【学院編2】
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閑話10-25 女子高生は異世界召喚される


「本当にこれでいいのか?」


 西園寺くんが私に詰め寄ってくる。

 緊張したのに、何もなかったことが逆に心配を掻き立てたのだろう。

 だが、私だってはっきりとは言えない。

 だって、未体験のことなのだから……


「えっと……体に何の異変もないんだったら、いいんじゃないかしら?」

「後で代償を払わされる、なんてことはないよな?」

「えっと……流石にそこまでは……」


 西園寺くんの質問に私は答えられない。

 知らないことを流石に答えられるわけがない。

 そんな風に私が困っていると、救いの手が差し伸べられる。


「どうやら【聖剣】に選ばれたようですな」

「宰相さん?」


 人垣を割って現れたのは宰相だった。

 彼は西園寺くんと東郷くんがそれぞれの【聖剣】を持っているのを見て、嬉しそうな表情を浮かべていた。


「しかし、二本の【聖剣】がそれぞれの主を見つけるとは思いませんでしたな」

「えっと……選ばれない可能性もあった、と?」

「まあ、そうですな。【聖剣】にも種類はありますから、いくら【聖剣】を扱うことのできる職業だったとしても、選ばれない可能性もあったでしょうな」

「えっと、そうなんですね」


 宰相の言葉に私は「まずい」と思ってしまった。

 不用意に二人を死地に送り出してしまっていたようだ。

 二人がそれぞれの【聖剣】を選んでいたから大丈夫だと思っていたが、まさか二人とも選ばれない可能性があることは考えてもいなかった。

 そのことに西園寺くんも気付いたようで……


「委員長?」

「……ごめんなさい」

「まあ、結果的に選ばれたから、いいけどね」


 素直に謝ると、西園寺くんは許してくれた。

 流石に悪気があったとは思っていないのだろう。

 うまくいったことも、許してくれた要因のようだ。


「それで、この【聖剣】には名前とかあるんですか?」

「名前?」


 西園寺くんの言葉に私は首を傾げる。

 彼は一体、何を言っているのだろうか?

 疑問に思う私に西園寺くんは説明をしてくれる。


「強力な武器や防具には名前がついているなんて、ざらにあるだろう? 地球にだって神話に名前の付いた武器なんてたくさんあるし、日本でも名前がついている刀剣もあるだろう?」

「ああ、たしかに……」


 西園寺くんの言葉に私は納得する。

 たしかに、彼の言う通りであれば、この武器に名前があってもおかしくはないだろう。

 しかし、それはあくまでも地球の価値観ではないだろうか?

 それがそのまま異世界でも通用するかというと……


「それは【聖剣エクスカリバー】ですな。かつての英雄が魔王を倒した時に使っていた【聖剣】と言われております」

「【聖剣エクスカリバー】か……」


 私たちの会話を聞いていた宰相が告げた。

 どうやら西園寺くんの言う通り、名前はあったようだ。

 名前を聞いた西園寺くんは嬉しそうに【聖剣】を掲げた。

 部屋の照明を反射し、キラリと光った。


「こっちの【聖剣】は何て名前だ?」


 私たちの会話を聞いていたのか、東郷くんが宰相に話しかける。

 自分の【聖剣】の名前も聞いておきたいのだろう。

 西園寺くんが知っているのに、自分が【聖剣】の名前を知らないことがおかしいと思っているのかもしれない。

 そんな東郷くんの質問に宰相は答える。


「そちらは【聖剣デュランダル】ですな。世界を滅ぼすほどの魔物の大群が現れた際、英雄が一振りでその大半を薙ぎ払ったと言い伝えのある【聖剣】ですな」

「……それは本当なのか?」


 宰相の言葉に東郷くんが疑いの目を向ける。

 まあ、明らかに過剰なことを言っているように思えるからだ。

 これはこの世界のことを知らなくとも、嘘だと思ってしまう。

 そんな私たちの反応に宰相は笑う。


「まあ、あくまでも言い伝えですからな。過剰に伝えられるのは仕方がことじゃよ」

「……ということは、嘘だと?」

「否定はせんよ。ですが、強力な武器であることには変わりないはずじゃ。おそらくは、使いこなせば一振りで敵をなぎ倒すこともできるじゃろうな」

「……どうしてそんなことが言えるんだ?」


 宰相の言葉に東郷くんが質問をする。

 何も知らない私の言葉より説得力はあるが、だからといって彼の言っていることが信じられるわけではない。

 現に何の情報もないのだから……

 しかし、そんな東郷くんの言葉に宰相はあっさりと告げる。


「言い伝えは誇張されて継がれていくじゃろうが、それは元々の話があってこそじゃよ」

「……」

「流石に数千、数万単位となってくると信じられんが、数百程度なら可能性としてはありうるじゃろうな」

「……それでも十分多いと思うが?」


 宰相の言葉に東郷くんが告げる。

 たしかに、これは東郷くんの言うことの方が正しい気がする。

 流石に一振りでそのようなことはできると思えないのだけど……


「まあ、実際に見たわけじゃないから、仕方がない事じゃろうて……そこは今の使い手に確かめてもらうしかなかろう」

「……そうするか」


 宰相の言葉に東郷くんが納得したように呟いた。

 自分の【聖剣】にどれほどの性能があるのかわからない。

 だが、それを確かめることができるのは東郷くんだけなのだ。

 早く使いたいと、思っているのかもしれない。







ブックマーク・評価・レビュー等は作者のやる気につながるので、是非お願いします。

勝手にランキングの方もよろしくお願いします。


二本の【聖剣】の名前はこれでよかったのだろうか?

エクスカリバーは【最強の聖剣】、デュランダルは【破壊するための聖剣】をイメージしています。

作者の好きなラノベでデュランダルがそんな感じでしたので……

しかし、いざ元ネタ調べてみると、

・エクスカリバーは「軍勢470人を打倒した剣」

・デュランダルは「不滅の刃」

らしい。(他にもいろいろな情報があるけど……)

名前的には逆な気もしますが、作者の元々のイメージの通りに行こうと思います。

名前が同じだけの別の存在、と言うことにしましょう。

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