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2. 春和景明(2)

 そして、入寮から三日ほどが過ぎた。

 時刻は朝の十一時前。

 得てして、貴族の朝は遅い。

 教師も皆貴族階級の者達であるために学園の始業時間も遅く、授業が始まるのは十一時頃からだった。

 もうすぐ授業が始まる時間帯なので、私はアネットに手伝われながら薄紅色のドレスに着替え、授業に出る準備をしていく。

 とは言っても、今日は初日なので各人の自己紹介と連絡事項の伝達くらいしかしないそうだ。

 それほど時間は掛からず、正午には放課となるらしい。

 そんなことをつらつらと考えつつも私は胸の辺りへと引き上げたコルセットを締め、自分一人では留めるのが難しい背中の紐を彼女に結んでもらいドレスの着付けを終える。

 この学園には制服などは存在しない。

 生徒達は公の場に出る際と同じように、男子はサーコートとマントを、女子はドレスをその身に纏うのが普通だった。

 衣装に関しては、生まれが貴族であろうが騎士であろうがほぼ変わらないのだ。

 準備を終えた私が大部屋から玄関へと出ると、続いて出てきたアネットが扉を閉めた。

 私の専属のメイドである彼女は、この学園で働いている使用人達と同じように白を基調としたシックな色遣いとデザインのメイド服を纏っている。

 玄関には、既に侍従であるカルロが控えて待っていた。

 彼は左の腰に長大な真剣を佩き、防具の役割も兼ねた皮製の服をすっかり逞しく成長したその身体に着用している。

 侍従は護衛としての役割が最大の存在理由であるため、それこそ王族の前でも無い限りはこのような戦闘を前提とした出で立ちをしていても許されていた。

 最初に会った頃は背丈も私とほとんど変わらなかったのだが、いつの間にかすっかり追い抜かれてしまっている。

 剣の腕も超一流に成長しており、今のこの子の強さは人並み外れたと形容しても過言にはならないだろうほどだ。

 若い貴族の令嬢というだけでそれなりに危険が付き纏うことは十分に理解しているので、この子のような侍従が護衛してくれていることはとても心強い。

 私がヒールが高くなった靴を履いたタイミングを見計らい、彼が玄関の扉を開いて先に外に出る。

 無論、これは安全のためだ。

 私も彼の背中に続いて廊下へと出る。

 最後に出たアネットが扉を閉め施錠したのを確認すると、私達は階段の方へと歩き出した。

 ここは二階なので、寮とは別の建物になっている校舎へと向かうには一度下に降りなくてはならないのだ。


「あ、サフィーナちゃん。おはよー」


 だが歩を進めた矢先、ふと後ろからの声に呼び止められる。

 振り向かずとも分かる、このちゃらい話し方は間違いなく先日の少年だろう。

 ここが日本の街中であったなら無視して先に進んでしまうところであるが、残念ながらここは異世界であり私も相手も貴族階級に属している。

 歴史と伝統によって定められた貴族としての礼法の下、立ち止まって振り向かない訳にはいかなかった。

 私が振り向くと、すぐ後ろに追従していたカルロとアネットの更に奥に予想していた通りの相手が立っていた。

 男性なので侍従はいないが、彼の背後にはメイドらしき女性も従っている。


「おはようございます、ユーフェル様」


 仕方が無いのでとりあえず私は紅を差した唇を開き、挨拶の言葉を返しておく。

 中身が老婆な私などよりも歳相応の他の女生徒を口説けばいいものを、何故私なのだろうか。

 あれだけあしらわれたのに何事も無かったかのように声を掛けられる神経の太さは歳のわりにはなかなかのものだと思うが、応じる気の無い私などに関わるよりその時間で誰かを口説いた方が余程有意義だと思うのだが。

 私の言葉を聞いた彼は遠慮も何も見せずすたすたとこちらへと歩み寄り、目の前に立つとまた私の手を取って膝を折り昨日と同じようにその甲に口づけた。

 見下ろす形になった少年のピンクベージュの髪は、昨日見たのと同じ髪型にセットされている。

 上目遣いでこちらを見上げる瞳が、髪に妨げられることなく私の虹彩へと届いた。

 それも一瞬、彼が立ち上がったことにより、またごく近くで向かい合うことになる。

 どちらかが言葉を発すれば、吐息さえも相手の頬に掛かるのではないかと感じるほどの距離だ。

 彼の軽薄さを湛えてはいるが整った顔がすぐ見上げた先にある。

 そして、彼の染み一つ無い細くしなやかな指先が私の顎に触れ、それによって私の顔が持ち上げられた。

 少年の方が私よりも少し背が高いので、正面から見つめ合うような形になった。

 突然のことに思わず身体を後ろに引きそうになるが、どうにか全身を少しぴくりと振るわせただけに留める。


「サフィーナちゃんは朝から可愛いね」


 不意ににこりと笑みを浮かべると、彼はその潤った唇を開かせて私に言った。

 それに伴い、暖かな吐息が私の頬に掛かる。


「……恥ずかしいですわ」


 一体どう返すべきか迷ったが、私はそのまま数歩下がってそう告げておくことにする。

 恥ずかしさよりも微笑ましさを感じるのだが、まあそれを告げるのは酷だろう。

 とはいえこんな肉体年齢相応の台詞を言う方がむしろ恥ずかしかったので、軽く頬を赤らめてしまったが。


「……うん、今のは反則だと思うな」

「何のことですか?」


 すると何故か数秒黙り込んだ後、ぼそりとそう呟いた少年。

 よく分からない反応だったので、首を傾げて尋ねてみる。


「いや、何でもないよ。それじゃ、そろそろ教室に行こうか。僕が案内するよ」


 だが彼は私の問いには答えず、そう言うと私を促した。

 別にここに留まっている用も無いので、素直に従い足を動かす私。

 さりげなく共に歩く展開になっている辺り、この子はまだ若いのに駆け引きが上手いな、と感心しなくもない。

 出来れば、それは私ではなく私以外の誰かに向けてほしいところだが。

 歩を再開した私達に従い、後ろに追従するカルロとアネットと少年付きのメイド。

 私達五人は、そのまま教室がある校舎へと向かったのだった。









 しばらく少年と雑談を交わしながら、私は教室を目指して歩を進めていく。

 傍らを歩く彼とは肉体年齢はともかく精神年齢はかけ離れているが、貴族同士が交わす会話の内容はある程度限られているので、どれだけ年齢が離れていようと特に問題なくコミュニケーションを取ることが出来る。

 その分貴族の発する言葉には大抵裏の意味があるので、それに注意して読み解きながら会話するのは面倒ではあるが、それでも歳が離れた日本人と会話を続けるよりはずっと簡単だろう。

 貴族らしく茶の好みや好きな宮廷音楽の話題などで談笑した私達は、そのうちに教室の近くへと辿り着いていた。

 尋ねたところ、どうやらこの少年も私と同じ教室になったらしい。

 さぞ身の回りが騒がしくなりそうだ。

 教室は決まっていても席は別に決まっていないので、私はとりあえず室内に入り、後ろの方の席に座る。

 室内には長机がいくつも並べて配置されており、後ろになるほど床が高くなっている。

 椅子は肘掛の無いソファーのようなもので、最高級のものを使っているらしくとても座り心地がよかった。

 特に何も言わず、ユーフェルが自然に私の左隣に腰を降ろした。

 そして、カルロとアネット、少年付きのメイドの三人も私達の席の後ろにある従者用の席につく。

 各机と机の間にはソファーが置かれているのだが、ソファーは二重に配置されているのだ。

 本来であれば従者は授業中は主の後ろで立っているべきなのだが、そうしてしまうとそれより後ろに座っている生徒が講壇を見ることが出来なくなってしまう。

 かといって、ある程度生徒達や生徒達の実家にも配慮しなければならない学園側としては、従者を離れた場所に立たせておく訳にもいかない。

 というか、貴族は基本的に(従軍時などを除けば)荷物を自分で持たずに従者に持たせるため、従者が主の近くにいなくては授業に支障が出てしまうのだ。

 従者が主の後ろに従うことも、貴族が自分では荷物を持たないことも礼法として正しいものであるので、学園側としてはそれを改めさせることは出来なかった。

 そういった事情により、やむなく礼法には若干反するが従者を主の後ろで座らせておく方がましだということで、今のような形になったらしい。

 もちろん生徒用のものほどではないが、見たところ従者用のソファーもかなり高級なものであるようだった。

 まだ授業が始まるまではしばらく時間があるためか、教室には生徒達の姿は疎らであり座席にも空きが多い。

 私は、本でも読んで時間を潰していようかと思い、後ろにいるアネットが持っている鞄の中から本を受け取った。

 当然ながらこの世界には文庫本など存在しないので、手にしたそれは分厚いハードカバーの本だ。


「サフィーナちゃん何読んでるの……って地理書?」

「ええ、そうですわ」


 横から覗き込んできた少年が、軽くページを読んで尋ねる。

 彼の言葉の通り、実家から持ってきたこれは地理書だった。

 地理書とは言っても、各地の地理が詳細に書かれている訳ではない。

 地形などの情報は重要な軍事機密であり、当然ではあるがどこの貴族もそれを記録することを許していない。

 それは国に対してであろうと例外ではなく、王家でさえこの国の地理を全ては把握していないだろう。

 ましてや、他国の地理であればなおさらだ。

 結果として、地理書という名前ではあっても実態は各国とその下の貴族達の領地の位置や大きさが記されただけのものになっている。

 地理らしい地理といえば、せいぜいが誰でも存在を知っているような大きな山や川、都市の位置が記入されているくらいか。

 とはいえ、現状を把握するためには十分に役に立つ。

 簡易だが重大な事件などについて書いてあるのもよかった。

 いつぞやの歴史書によってこの国の情勢については大体把握していたが、生憎と周辺諸国についてのことはあまり知らないのだ。

 例えば、東隣にあるラーゼリア王国という国と我が国は伝統的に仲が悪い。

 その時は何度か軍勢を撃破したことによりこちらに有利な講和を結ぶことが出来たが、この国が私の治世下にあった時代にもこちらに攻め込んできたことがあったほどだ。

 不慮の事態に備えるためにも、現状は可能な限りきちんと把握しておきたかった。


「こんな難しい本を読んでるなんて、さすがは辺境の花だね」


 ページをぺらぺらとめくりながら中身に目を通していく私に、少年がそんなことを言った。

 確かに、学園に入れても恥ずかしくない程度の礼法と文字の読み方さえ身につけたら後は入学まで悠々自適に好きなことをして過ごすのが中小貴族の子女だ。

 随分と女性に声を掛けるのが得意らしいこの子は、普段専門的な書物などあまり読まないのだろう。

 私達がそんな会話を交わしている間にも、始業の時間が近付くにつれ徐々に席が生徒達で埋まり始める。

 そして、ふと教室内にざわめきが起こった。

 顔を上げて周囲を見回す。

 すると、前方にある扉から十人ほどの従者を従えた少年が教室に入ってきていた。

 ぼんやりとしたどこか眠そうな表情を浮かべさせた、かなり華奢な少年だ。

 比較的短い髪は灰色をしており、しかし前髪が片目を覆い隠しているために抱いている感情は外からは窺い知れない。

 十人も従者を従えているということは、少年は余程高位の大貴族の子息であるということに他ならない。

 基本的に中小貴族の子女しか通わないこの学園に大貴族の生まれの者が来ることは、それ自体が大ニュースだ。

 ざわめきが起こるのも無理はなかった。

 彼は自らに向けられた教室中からの視線を気にした様子も見せず、表情一つ変えないまま歩き始める。

 とてとてとこちらの方に歩み寄り、そして私の右隣にちょこんと座った。

 可愛い……じゃなくて。


「あ、あの」

「……」


 何故この子はわざわざ私の隣に来たのだろうか。

 戸惑いつつも恐る恐る声を掛ける私。

 すると少年は私の方に顔を向け、声一つ出さないままじっとこちらを見つめてきた。

 一体どう対処すればいいのだろうか。

 少なくとも私の実家より格が高いのは間違いないにせよ、相手の家格が分からないので対応に困る。

 仕方がないので、振り返ってユーフェルに視線を向ける。

 そのコミュニケーション能力をどうか役立ててくれ。


「初めまして。ユーフェル・アヴェインと申します。あなたは?」

「……」


 私の思惑が伝わったのか、口を開いて私の肩越しに少年に話し掛けたユーフェル。

 しかし話し掛けられた当の少年は、一瞬だけ彼の方を見たもののそのまますぐに私の方に視線を戻した。

 依然として一言も発することのないまま、何の反応も見せずに彼はこちらを見つめてくる。


「ごめん、僕には無理!」


 反応に困る私の耳元で、ユーフェルがお手上げといった感じで小さく囁いて席へと戻る。

 まあ、確かに反応してくれなければどうしようもないのは確かだ。

 どうしようか。

 早く始業の時間になって講師が来てくれたらいいのだが。









 そのままの状態でしばらく時間は過ぎ、やがて天井から垂れ下がった鐘が鳴り、始業の時間が知らされた。

 鐘は、貴族の館で主が従者を呼び出すのに使うものと同じ仕組みらしい。

 始業の時間になると、自室にいる講師が鐘を鳴らして着席を促すようだ。

 貴族や騎士階級の者ばかりなので、無碍に騒いだりする者はいない。

 皆が席に着き静かになってから少しすると、前方の扉から講師らしき男性が入ってきて講壇へと立った。


「初めまして。私はこれから貴公らに貴族としての諸事を伝授することになるアルフレッド・ベルクールだ。早速だが、貴公らも順次自己紹介をしてくれ。そうだな、入り口側の貴公からだ」


 やや低く理知的な声で教室中を見回して私達にそう告げたのは、鮮やかに青い髪にこの国の貴族には珍しい眼鏡を掛けたまだ歳若い男性だった。

 年齢は二十歳過ぎだろうか。

 厳格で冷たそうな印象を与えながらもどこか高い知性を感じさせるその話し方に違わず、顔つきも理知的でとても整っている。

 もちろんここで講師として働いている人間は皆下級貴族ばかりだが、爵位の差が授業の進行の妨げにならないように王家から学園内における身分保証のようなものが与えられている。

 学園内においては、彼らは公爵と同様に扱われるのだ。

 そのために、このような上級貴族がするような言葉遣いをすることが許されている。

 もっとも、このこともまた上級貴族が学園に自らの子女を通わせない理由の一つでもあるのだが。

 ベルクールといえば、確かこの国の南部に領地を持つ伯爵家だったはずだ。

 一言で自分の自己紹介を終えた彼は、矢継ぎ早に私達にも自己紹介していくように告げる。

 それに従い、隅の席に座っていた男子生徒がその場で立ち上がり自らの名を名乗った。

 彼が腰を降ろすと、次はその隣に座る生徒が立ち上がる。

 その調子で、どんどんと自己紹介は進んでいった。

 当然ではあるが、皆最低限の礼法は身に付けてきているようだ。

 彼らの何気ない仕草には、十分に貴族らしさが見え隠れしている。

 そして聞こえてくる家名は、かつて私が執務を取っていた頃に耳にした覚えがあるものがほとんどだった。

 懐かしいな、とても。

 そんな私の内心をよそに紹介の順番は進み、遂には左隣のユーフェルの番になった。


「初めまして。アヴェイン男爵家が嫡男、ユーフェル・アヴェインと申します。どうかお見知りおきを」


 彼はそう口上を述べると、人懐っこそうな笑みをその美貌に浮かべさせながら思わず見惚れるほど美しい礼をして腰を降ろした。

 辺りを見回すと、案の定それを見た女子生徒達の大半は顔を真っ赤にしてうっとりとユーフェルの方を見ている。

 本当、この子の謎のコミュニケーション能力は何なのだろう。


 さあ、前の者が終えたからには次は当然私の番だ。

 貴族社会の中で長年を過ごした今だからよく分かるが、貴族の女にとってきちんとした礼節はそれこそ服や化粧のようなものである。

 日本人だった頃の私にはこの感覚はきっと分からなかっただろうが、それこそ礼節を乱すというのは残念な服装で街中を歩くことにも等しいのだ。

 私にとて矜持はあるので、私の身に付けた全力の礼節を見せることにする。


「初めまして。私はオーロヴィア子爵家が長女、サフィーナ・オーロヴィアですわ。これより皆様と共に学べますことは最高の喜びです。どうぞお見知りおきを」


 考えておいた台詞を述べ、ドレスの裾を持ち上げて軽く膝を折る。

 そしてそのまま腰を降ろした。

 静まり返っている教室内のあちこちから、私に視線が向けられているのを感じる。

 それどころか、講師であるベルクール伯爵も私の方をじっと見ていた。

 そのまま数十秒。

 伯爵が何も言わないので、仕方無しに私がちらりと右隣に視線を向けて促してみせる。


「見事な挨拶だった、サフィーナ嬢。では、次は隣の貴公の番だ」


 それに気付いたらしく、隣に座る小柄な少年を促す伯爵。

 促されて、やはり無言のまま彼は立ち上がった。


「ファルトルウ・ヴェルトリージュ。よろしく」


 開かれた口から発せられたのは、小さく、それでいて教室中に響く声。

 彼はそれだけを言うと、そのまままたソファーに腰を降ろした。

 ざわめく教室。

 だが、それは少年の所作や言葉が貴族らしからぬものであったからではない。

 ヴェルトリージュ。

 東の辺境に広大な領地と莫大な兵力を抱える、かのヴェルトリージュ辺境伯家の子息だと名乗ったからだ。

 ヴェルトリージュ辺境伯家はラーゼリア王国に備える役割を代々与えられており、そのためにかなりの軍事力を持っている歴とした大貴族だ。

 十人もの従者を従えている時点で大貴族の子息であろうことは推測されていたとはいえ、まさかよりにもよって大貴族の中でも特に大きな力を持つヴェルトリージュ辺境伯家の子息であるとなれば驚きが広がるのは無理もなかった。

 決して表には出さないが、私とてかなり驚いているくらいだ。

 たとえ大貴族であっても、王家への忠誠心が強い当主が就任すれば子息を入学させる場合も稀にはあるが、そんなものは例外中の例外である。

 まさかこんな場で嘘を言う(それも辺境伯家に喧嘩を売るような)はずがないことは分かっているが、それでも若干信じ難く感じている私がいた。


「静かにせよ。見所のある者達は誰も騒いでいないぞ。では、次の者」


 立場上放ってはおけないのだろう、ざわめきが広がる教室に向けて伯爵はそう告げると、更に次の番の生徒を促す。

 若干うろたえたような様子を仕草に残しながらも、自らの名を名乗っていく女子生徒。

 それからは中断されることもなく順調に進み、驚きの余韻を教室の空気が孕みながらも最後まで自己紹介は終わったのだった。

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