表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】千夜千食物語  作者: 枝豆ずんだ
悪女と聖女編
157/176

魚のように

注意:あとがきでFGO奏章Ⅱイドの話に触れます。未クリアの方は避けてください。



「かみさまへのお歌……?いいえ、知らないわ」


 なんてこった。


 私は急いでソニア様を叩き起こし、カーミラさんと感動の再会をしているのを強制終了させて必要情報の確認を行った。


 しかしソニア様は可愛らしいお顔をきょとん、とさせて首を傾げる。え、えぇ……。

 

「せ、先代聖女様の引継ぎの際は……」

「きいてないわ。せんだいの聖女さまはそんなこと仰っていなかったけど……」

「い、いやでも……神事用の歌と踊りの奉納の話は……知ってますよね?」


 聖女様に引き継がれる歌……奇跡の歌……ロスト……!


 そんなことある?


「……そも、本当なのか?」

「はい?」

「そなたの話じゃ。神に歌と舞を捧げて願いが叶うなど……本当に、そなたが会ったのは神なのか?」


 え、そんな不敬……。

 仮にも大神官たる方が大丈夫かそんな発言をして。


 しかしカーミラさんは不信感にたっぷり染まった目を私に向けてくる。


「神事は先代聖女の頃は毎年恙無く行われておったはずじゃ。であるのに願いが叶った、あるいは願いを捧げる儀式であるという話は聞いておらぬ。――神殿の連中が浮足立っているのは、そなたが神とそう約束した、と、そのように考えておるからじゃ」


 情報の齟齬があるのではないかと、カーミラさんは指摘してきた。


 確かに。

 私は神様に会った。

 そして神事を行い、歌を舞を捧げれば願いが叶えてもらえる。

 なので、ソニア様の健康をお願いしましょう、と、そう話した。


「いえ、でも……メルザヴィア様の話し方だと、前からそういう約束だった、みたいな感じです」

「そこが妙なのじゃ。これまで、ソニア様や妾が赴任する前までは神事が行われていたのじゃろう。なのに奇跡は起きておらぬ。神事の返礼に願いを叶えて頂けるというのなら……ルドヴィカがこの土地を冷遇するであろうか」

「確かに……」

「ゆえに……そなたが会ったのは本当に神なのか疑っておるのじゃ。聖女を狙う悪魔やもしれぬ。聖女の魂は格別であるというからな……神事だなんだとうそぶいて、聖女を独りにしたところを狙うておるのかもしれぬ」

「なるほど……そうなったらそうなったで」

「だめに決まっておるじゃろう」


 ぴしゃり、とカーミラさんは言い捨てて睨みつけてくる。


 駄目か……そうか。駄目かなー……。


 このままの状況が良いわけないのだし、人間命の一つ二つ、賭けなければならないこともあるんじゃないか。

 ソニア様は子供で、可能な限り大人に守られるべきとは思うけれど、それはそれとして……自分が出来ることがあるのなら、やっておいた方が後悔なくない?駄目?そう……。


 カーミラさんは神事のことはもう疑ってかかるつもりのようで、それよりもと、私にアレルギーについて色々聞きたがった。

 私も今後のソニア様のためにもお伝えしておいた方が良いと思ったので、まずはアレルゲンとなる食材の種類や可能であれば同じ症状の人のデータを集める事、この砦の中に一種類でもアレルギーを持っている人がいて、その人が健康体なら協力を要請したいことをお伝えした。


「協力とは?」

「ここのお医者さんとも相談が必要ですけど、徐々に食材を摂取する量を増やして免疫をつけたりとか、改善する方法もあるので、今後の人類のためにも人体実験は必要かなって」

「人体実験」


 なぜだろう。先ほどの発言もあるからか、カーミラさんが私を人でなしでも見るような目で見てくる。




 

「そうか。その、あれるぎい、というものについて私はよくわからないのだが……スィヤヴシュが知れば面白がって研究しそうだね。私から手紙を書いておこう」

「わぁ、ありがとうございます!」


 カーミラさんとお会いした次はヤシュバル様を尋ねた。

 それほど長居はできないとのことで、帰る準備をされている。マジで私のためだけに来たんだなこの人……。


「神事についてだが」

「はい」

「私がこの土地にいたころ、毎年神事は行われていた。だが、君の言う「願い」がかなえられたという話は聞いたことがない」

「え……あの、でも私は……」

「わかっている。君が嘘をついているはずがない」


 断言されるヤシュバル様。そんなに盲目的に私のこと信じるのもよくないと思いますが、まぁ、今はいいか……。


「先代の聖女さまにお話しが聞ければいいんですけど……」


 聖女の情報は当然だがルドヴィカが管理していて、ヤシュバル様が聞いたりするのは難しいらしい。噂程度でどちらに行かれたとか、ご結婚されたとか知らないかと聞いてみたが、神殿の人たちもよく知らないようで、特に収穫はなかった。

 彼らからすれば、役目を終えた、聖女ではなくなった女性の行き先などどうでもいいのか……。


「君は」

「はい?」

「君は様々な情報を他人から聞かされるだろうが、それを選択することができる」

「もっとわかりやすい言葉でお願いします」

「……他人の考えや、想像を君の事実にする必要はなくて、君が思ったことや考え付いたことを……………………誰が何を言って来ようと、好きにやりなさい」


 できるだけ優しい単語を選んでくれているのだが、回りくどい言い方はよくないですよ。

 色々言い方を考えたヤシュバル様が、やや諦めたように告げた言葉を私は笑顔で受け取る。


「そのつもりです」

「……君が痛い思いや怖い思いをしないことが一番だ」

「わかってますよ」

「……シュヘラ、私がこの地を更地にしない代わりに約束してほしいのだが……」

「内容によります」

「……君の中で様々な選択肢が出た時、君が何かを選択する前に、それを選んだら君の周りの人がどういう顔をするか、想像してくれないか」


 さっきは好きにしていいよ、みたいなことを言ったのにどういう意味だろうか。

 私が望んで自虐の道を走っていると思われているのだろうか。なんということだろう。私はいつだって皆がハッピーになるように奮戦しているのだが……。


「お料理も、途中過程でちょっとくらい手間暇かけた方が美味しい料理が出来るんですよ」


 私が自信をもって言うと、ヤシュバル様は顔を顰めて、それ以上は何もおっしゃらなかった。








FGO奏章Ⅱ、クリアしましたーーー!!!

( ;∀;)イヤァ、置いていかないで……いや、置いていくんですけども。

良いシナリオでした。久しぶりに一日で読みふけってクリアしてしまいました。

人理くんの言い分もわかるんですけども、その割にガバ判定でアヴェンジャーが何騎か残ってて「魔王や王妃が許されて……どうして」という気持ちになりました。

ピックアップ2も楽しみですね!☆4のジェネリックリンボは確実に迎えられるでしょうが(安易)、私は緑の方のエドモンに吐くほど課金した(家賃以上)過去があるので震えています。


関係ないですが、5月1日、千夜千食物語3巻、ぜひとも……最終巻……よろしくお願いいたします!私が課金できるように……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2023年11月1日アーススタールナ様より「千夜千食物語2巻」発売となります
― 新着の感想 ―
いけだかなた態度で髪の毛掴んで引き倒して踏みつけて足を掴んで引きずり回しておいて、死ぬような黒化を引き受けて助けろといったり、食べられるもの作ったら嘘だと否定して怒鳴ったり、解決策神様から聞いてきたら…
[一言] 何で先代聖女の頃に儀式を行っても願いが叶ったって情報が無かったんでしょうか…… 舞のテーマとか振り付けに作法とかが後代に受け継がれる度にどこか間違った形に変化していってたとか、または叶えられ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ