汚泥の如くに
「あ、あの」
俺の向かいに座っているコーザが、落ち着きなく目を泳がせている。
「その、そちらの方は、座られないんですか」
マツツァは、俺の後ろで立ったまま。ソファが狭いのではない。ただ、俺は彼の主君だ。特に理由とか必要もないのに、すぐ横に座るような不敬は避けているのだろう。
「お気遣い御無用。ファルス様にお仕えする身にござりますれば、同席はできかねますゆえ」
「お、お仕え?」
どういうことだ、とコーザはまた俺に視線を戻した。
「いろいろあって、今は貴族になったんです」
「えええ! や、やっぱり凄いや……」
ひとしきり驚いてから、空気の抜けた風船みたいに彼は背中を丸めた。
「やっぱり、デキが違うんだなぁ」
「いや、そんな」
「わかってるんです。納得はしてます」
なんか変に劣等感を刺激してしまったんだろうか。だとしても、嘘をつくわけにもいかないし、どうしようもないのだが。
「それより、コーザさんはなぜここに? ここの職員みたいですが」
「あ、はい。今は班長です」
「なんだ、コーザさんだってちゃんと仕事してるし、出世もしてるんじゃないですか」
すると彼は、苦笑いというか、泣き笑いというか、複雑な顔をして言った。
「帝都の市民権持ってる中では、一番下っ端ですよ。ここの現場も、だいたいの業務は移民がやってまして、僕はそれを間近で監督するってだけなので」
それから、彼は自分の身の上を語り始めた。
「三年半前に、ドゥミェコンでの滞在予定を切り上げての凱旋になって、それは嬉しかったですよ。本当なら三年間、あそこで待ち続けなきゃいけなかったんですから。少しだけだけど、帝都から報奨金? なんかも出たりしまして。ただ、それ以外では市民権がもらえたってだけですから、今度は仕事がなくって」
他に身を寄せる場所もないコーザは、実家に帰るしかなかった。彼の母親は帝都の南西部の外れの方でアパートを借りており、魚醤工場に勤めながら一人暮らししている。特に一人息子が巣立ったのもあり、より狭い単身者用の部屋に移ったばかりだったので、彼はしばらく、相当に窮屈な思いをしなければならなかった。
だが、年が明けて少しすると、急に当局が動き出した。
「先の遠征で活躍した勇士達が不遇をかこつなどあってはならない、とかなんとか言われて、仕事を積極的に斡旋してもらえたんです。それまでは、港湾の方で日雇いの仕事をするしかなくって。僕がもうちょっと逞しかったら、そこで何年か仕事すれば、小頭くらいにはなれたんだろうけど……」
虚弱で根性のない彼を、荒くれの沖仲仕達の上に立たせるのは、さすがに難しかったのだろう。そのことはコーザ自身も承知していて、だから頑張れなかったようだ。
「それで、三年くらい前に、ここの仕事に就いて、去年、やっと班長になったんです」
「おめでとうございます」
「給料はそんなによくないけど、半分公務員みたいなものですから、港湾の現場の小頭なんかよりずっといいですよ。変なことしなければクビはないし、待てば上に行けますし。あと十年くらいすれば多分主任になれそうです。まぁ、学歴もないし、その先はないんですけどね。あんまり遅くなると結婚に響くみたいだから、早く主任にしてもらいたいところですが」
彼にはちょうどいい人生かもしれない。結果を求められるというより、とにかく地味に役割をこなしさえすればという、この状況。なにしろ養老施設なのだ。ノルマも何もない。ただ、問題を起こさずに日々をやり過ごせばいいのだから。
それにしても、その時期の就職とは、なんとも政治臭がする。これは要するに、キブラのドゥミェコンでの雑な管理状況が明るみになり始めたので、現場で事実を見聞きした連中が不満を抱えて余計なことを言いださないようにと、正義党が手をまわした結果なんじゃないか。
「だから今は、競技場の近くの部屋を借りて、一人暮らししてるんですよ」
「お母さんとは一緒には」
「いやぁ」
コーザは俯きながら言った。
「ぶっちゃけ、あんまり関係よくないんです。なんていうか、すごく気が短いし……こう、たまにですけど、急に火がついたみたいに怒り出して、手が付けられなくなるんですから」
「そ、そうなんだ」
「あ、訊かれると思うから先に言っちゃいますけど、うち、父親はいないので。帝都じゃ、割と普通だったりしますよ」
複雑な家庭事情がありそうだ。事故とか病気で亡くなった、というのでもないのだろう。
「親戚づきあいとかも、そんなにはないんですよ。帝都の外からやってきた人からすると、珍しいみたいなんですが」
「元々、親子でも別居が普通、か」
「そうそう、そんな感じです」
前世の価値観を引き継いでいる俺だからすんなり飲み込めたが、人によっては「なんたる親不孝」と怒りだしたりするのもいたんじゃないか、と想像してしまう。大陸側の常識とは、かけ離れすぎている。
「どうせ母も……二十八の頃に僕を産んだんで、あと三、四年も頑張れば、養老院に入れますよ。そうしたら僕が何もしなくても、老後は安泰です。女の人は産めば市民権なんで、一応、僕もそれで親孝行したってことになるのかも」
なんともドライというか。
「じゃ、ちょっと見回りとかしないといけないんで、ここで待っててください」
「見回り?」
「この時間なんで、ここ、実はあんまり居残ってないんですよ、住人が」
こんな場所で座っていても、と思い、俺も立ち上がった。
「暇だし、邪魔でなければ」
「ああ、いいですよ。一応、班長なんで、今日、所長いないんで、見落としとかあると責任になっちゃうんで……」
そうして俺は、コーザと並んで薄暗い廊下を歩いた。
「といっても、だいたい元気なお爺ちゃんは、この時間は外なんですよ。競技場で賭け事してるんで」
「なるほど」
「で、それ以外だと、まぁ酒ですね。一応、建前としては、お酒の持ち込みは禁止ってことになってるんですが、まずいことになってなければ黙認ってことで」
声の反響する廊下を歩きながら、コーザは慣れた様子で各部屋の指差し確認を続けていく。大半の部屋に鍵はかかっていない。必要ないのだろう。治安がいいという意味ではない。養老施設にいる市民、つまり生活保護を受けているような人達には、大きな財産がない。生活費を差し引いた後の、僅かなお金が毎月のお小遣いになる。それが飲酒や博打に費やされる。
「本当は、所長はいないけど、主任はいるんですよねー」
「えっ? 上司がいる?」
「いることになってます。もう四十代なんで、あとちょっとで定年ですよ」
いることになっている、がこの場にはいない。
「その、もしかして」
「ですよ! 競技場です」
「こっちもお馬さんに夢中か」
収容されている老人の唯一の楽しみも競馬。ところが、彼らを保護し、管理する側もやっぱり競馬好き。公金で運営している施設がこれとか……
あ、だからデモが起きるのか。変に納得してしまった。
「今のうちに、人生を楽しみ切っておきたいって言ってましたよ」
「そんなに楽しいのかな、賭け事なんて」
「勝ったら女も買うとか。できなくなる前にやれるだけやるって」
「刹那的すぎる……遊ぶことしかないのか……責任感とか、もう、こうちょっと」
「ないですね。だって結婚もしてません。貯金もしてないし、あと何年かしたら、そのまま施設に収容される立場になるんですから」
「ひぇっ」
その主任とやらがいつからそこで働いているのかは知らないが、四十代でその上にいけていないということは、学歴なしの市民権持ちなのだろう。いわゆるノンキャリだ。仮に女神挺身隊で有資格者になったクチだとすると、十八歳から今の四十代まで、二十年以上もここでダラダラ暮らしてきたことになる。で、その延長を、このままここでやる気満々、と。
「こんなこと言ったら失礼かもしれないけど、その主任さん、何しに生きてるんですか」
「今はもう、日々をできるだけ遊んで暮らす以外、興味ないって言ってますね。若い頃、結婚詐欺で貯金のほとんどを持ってかれちゃって、それから」
「えっ」
となると、急に説得力が出てくるというか。真面目に働いて家庭を守って、という人生に価値を感じられなくなるきっかけがあったのだろうか。
「本当のところはわからないですけどね。別に見てたわけじゃないし、本人が言ってたことそのまんまってだけなので」
そんな感じで喋りながら廊下を歩いていたところ、何かを見咎めたコーザが一瞬、立ち止まる。そして、廊下の向こうに消えようとした老人を追いかけた。
「あー、ウィムさん、ダメダメ、飲みすぎ。それ、没収しないといけないから」
老人は身を縮めて逃げようとするが、すぐ抵抗を諦めた。コーザは、彼が手提げ袋で運んでいた酒瓶を奪い取った。
「今月に入ってもう二十本は開けてるでしょ。ペース早すぎ」
「……見逃してくれんかのぅ」
蚊が泣くような声で、老人は抗弁した。
「ダメですよ。飲みすぎは体に悪いですし」
「方便じゃろ、それ」
「ウィムさん、このお酒、どうやって買いました?」
この質問に、老人は目に見えて動揺し始めた。
「お金の貸し借りはやめてくださいって言いましたよね。内規にありましたよね」
「ああ、うぅ……でも、他に楽しみもないんじゃ」
「お酒飲みすぎてポックリ逝ってもいいって思ってるんでしょうけど、それだと踏み倒しになるんですよ。で、苦情があがってきたら、ここにいる職員もみーんな減給処分ですよ。そうなったら、酒瓶の持ち込み自体、厳禁にするしかなくなりますね」
老人は、返す言葉もなく、俯いてしまった。
「来月まで禁酒してください。それと、借りたお金については、ちゃんと返してください。でないと、みんなにいくら借りてるか、僕が調べなきゃいけなくなるんです」
「うぅ」
「ご報告いただけるまで、このお酒はお預かりします。そもそも建前ですけど、一応、持ち込み自体禁止されてるので」
ウィムが自室に戻るのを見届けてから、コーザは深い溜息をついた。
「こういう感じなんですよ、僕の仕事って」
「……お疲れ様」
あのコーザが、よくもまぁ成長したものだ、と思うと同時に、こんなことばかりをずっと繰り返す生活をしているのかというだけで、息が詰まりそうになる。
「今、主任やってる先輩相手に、同じこと、できます?」
「ああ、さすがにそれは大丈夫ですよ」
コーザは、手提げ袋を持っていない方の手をひらひらさせた。
「汚職とかの原因になるから、他の養老院で世話することになると思います。前職を見るんですよ。市民権ある人は保護対象ですけど、全員分の施設はないので。準公務員はそこも優遇されるんですけどね」
それから、押収した酒瓶を鍵のかかる部屋に安置した直後だった。
窓の外から遠く、大勢の人々の掛け声が聞こえてきた。
「来ました」
窓から外を見た。あちらから見られてはよくないので、カーテンの影に身を隠しながらだが。
ざっと見た限りで、数百人が動員されているとわかった。彼らは一様にくすんだ色の半袖のシャツを身に着けており、いずれも男性だった。ただ、明らかに帝都出身者でないシュライ人のようなのは見当たらなかった。手にプラカードなどを持っているのもいる。先頭の方に立っている誰かがメガホンで何か叫ぶと、それに唱和する。
そんなデモ隊の左右を、小走りになりながら追いかけていき、或いは先に立って動くのが、世界融和協会に雇われた警備員だ。大剣を背負っているのはギルだけだから、よく目立つ。そんな中、ごく僅かだが、何かの制服のようなものを着用したのも見かけた。どこかで見たような気がすると思ったが、じっくり考えてやっとわかった。繁華街で出くわした帝都防衛隊。
要するに圧力団体も、それに対立する団体も、自由に活動していい。但し、行き過ぎた暴力に発展したら、それを報告するというわけだ。自分達でそれを制圧するのは、最終手段だと。
「見てくださいよ」
コーザがそっと指差した。
「どうしてうちに来るんだと思います?」
「不良老人が多いから?」
「違います」
彼は憤然として言った。
「男性用の保護施設だからです」
「はい?」
「数が多いのは女性用の養老院です。倍はありますよ。でも、そっちを潰しにいくと、反発がもっと大きいから。正義党が本気になるから、だからやりやすい方からこうやって怒鳴り込みにくるんです」
そう吐き捨てると、彼は首を振った。
「こんなこと、訊いちゃいけないかもだけど、コーザさんはどっちの政党を支持してるんですか」
「どっちも支持してません。強いて言えば、消極的に正義党、ですけどね……」
消極的、か。彼は今、半ば公務員のような立場だ。だから、高齢化した市民権保持者への社会保障がなくなると、損をする。今の仕事もなくなってしまうかもしれないし、老後の安定も脅かされる。その意味で、現在の与党のやり方が続いてくれる方が嬉しい。
でも、同時にその正義党は、コーザ達を人形の迷宮に送り込んだ張本人でもある。そして今、彼自身が管理に携わっている養老施設が攻撃対象になっても、本気では守ってくれない。いざとなったら切り捨てかねない連中なのだ。
今まで黙って後ろに立っていたマツツァが、眉を顰めて言った。
「ひどいことが書いてありますな」
「ああ」
海の男である彼は、遠目が利く。だから、プラカードに書かれている暴言の数々も、読めてしまう。
『市民権非保持者を踏み台にする養老院は、即刻閉鎖を』
『老人は早く退場すべき、若者に譲れ』
『失せろ、早く失せろ、より早く失せろ!』
養老施設は、公金を基に運営している。それを受託する企業がお金を受け取って、施設を管理したり、居住する老人に食事を提供したり、職員に賃金を支払ったりする。だが、その公金のでどころは、税金だ。税金は、市民だけでなく、移民相当の身分の人々にも課せられる。だから、市民権非保持者を踏み台にする養老院、という表現自体は間違いではない。
でも、それではどうすればいい? 老人は普通、ろくに働けない。少なくとも、若い頃と同じようには、役に立てない。だから、その場所を譲って退場しろ。具体的には……死ね。死なない限り、リソースがつぎ込まれ続けるのだから。
だが、例えばフォレスティアではこんな風にはならない。あちらにも高齢者はいるが、まず、帝都ほど多くはないのが大きい。次に、高齢者は高齢者の仕事をする。若者と同じように、山で狩りをしたり、農地で耕したりはできない。だが、そういう引退した年寄りも、村の火守りならできる。幼児の世話をしたり、或いは年嵩の子供が乳幼児の世話をするのを指導したりもする。言ってみれば老人とは、茶葉の出涸らしのようなもの。だが、それを前提に役割を割り振れば、まったくの役立たずということにはならないのだ。
ところが、帝都では違うのだ。ここで求められているのは、独立した労働者、自活できる個人だから。コーザの母が、この世界では高齢者の仲間入りをしたといえる年齢になってもまだ、魚醤工場で働かなければいけないというのも、その一例だろう。故に、そのように機能できなくなった人は、もはや社会の歯車たり得ない。そういう老人は「処分場」……つまり、ここに保管するしかなくなる。
その結果、誰とも繋がっていない、何の役にも立てない老人達は、確かに腐りきってしまったのだ。
まるで東京の下水道だ。関東平野を潤す雨の恵みも、都市化した東京にとっては、ただの不潔な澱み、排水にしかならない。それに似ている気がした。
「諸君! 悪辣な圧制者に向けて、今一度、心の叫びをォッ!」
指導者とみられる男は、大汗を流しながら、もうとっくにかすれ切った声でそう叫んだ。
デモ隊の男達は、施設前の狭い四角形の広場にきれいに整列して、次の指示を待った。
「養老院は、必要ない!」
「養老院は、必要ない!!」
一斉に同じ言葉を繰り返す。
「働く者が、報われるべき!」
「働く者が、報われるべき!!」
言っていることは至極まっとうに聞こえる。でも、本当にそうだろうか?
では、年老いて働けなくなったら見捨てられる社会でいいのか。もしそういうものと誰もが認識していたら、これから老人になる人は、どんな振る舞いをするだろうか。既得権益を得た人々が自分達から奪っている、それは彼らにとって事実だろう。でも、ここにいる老人達に罵声を浴びせて、何が解決できるというのか。
この過激なデモのフィナーレが始まると、ギルは養老施設の入口の前に陣取って、背中の大剣を持ち上げ、慎重に構え直してから、すぐ足下の床に切っ先をつけた。両手で柄を掴み、肩を広げる。いかに強く大きいかを見せつけるように。
「もっともっと、諸君らの思いを! さぁ!」
具体的な指示をやめて、デモ隊のリーダーは思い思いに叫ばせることにした。だが、それはあまりに危険な行為だった。
「帝都から出ていけ!」
いくらなんでも他に行く場所もない人々に向かって。はい、そうしますという返事が得られるはずもないのに。
「いなくなれ! 役立たずは市民権を返上しろ!」
「街を出ろ! 荒れ地を耕してこい! くたばるまで!」
罵声は、ギル達にも向けられた。
「権力者の犬ども! いくらもらったんだ!」
「死んで詫びろ、コソ泥どもが!」
どんどんエスカレートしていく。
「コーザさん、これはまずいんじゃ」
「ええ、今日はちょっと」
ヒートアップする状況に、ギルは冷静に対処した。地面に着けていた剣の切っ先を離し、今度はまっすぐ立てた。それから大きく、右に左にと薙ぎ払うような型を演じてみせた。
無言のメッセージ。何を言っても構わない。ただ、ここを突破して施設内に踏み入ることは許さない。
「コノヤロー!」
彼のデモンストレーションに、群衆の勢いは一瞬、削がれた。だが同時に、ごく一部を逆上させてしまったらしい。
静まり返った中に、一人だけ、プラカードを手にした男が前に出た。口から泡を吹きださんばかりの、憤怒の相だ。
「クソがっ、てめぇからくたばれっ!」
そう言いながら、彼はプラカードをギルに向けて投擲した。
誰もが息を呑む中、ギルは素早く反応した。大剣を足下にスッと引き戻すと、勢いよく斬り上げた。安っぽい木製のプラカードは、その一振りで簡単に粉砕された。
それから、ギルは敢えてその男から視線を切って、元通り剣を地面に向け、肩肘を張ってみせた。激昂した男は、今にも殴りかかりそうな様子だったが、これ以上はさすがにいけないと気付いたのだろう、デモ隊の指導者が割って入って止め、慌てて指示を下した。
「最後に、浄化コール!」
拳を振り上げ、同調させようとする。
「帝都の腐敗を浄化せよ!」
「帝都の腐敗を浄化せよ!!」
一度では足りないと思ったのだろう。群衆の熱量を制御すべく、彼はもう一度叫ばせた。
「帝都の腐敗を浄化せよ!」
「帝都の腐敗を浄化せよ!!」
「今日は解散!」
そう言われて、心の中のエネルギーを解き放った彼らは、やっと脱力した。そして暑さを思い出したかのように、のろのろと背を向け、ゆっくりと四角い広場を去っていった。




