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9 真実は意外なタイミングで明かされる

 ドロカカが両手を大きく開く。


 その瞬間ドロカカに襲いかかった四人のレイスのうち、三人の動きが停止した。危険を察知した一人は素早くバックステップして逃れた。

 三人のレイスが石化している。体のみならず服までも。


 その光景を見たレイス達が、接近せずに、矢や吹き矢やナイフといった飛び道具による攻撃に切り替えたが、ドロカカの足元から土の塊が幾つも舞い上がり、まるで自動的に反応するかのようにガードしていく。

 距離を置いていたレイス達の足元から、土が錐のような形になって飛び出て、その体を次々貫いていく。


「やるなあ、あの爺。でも敵の数が多すぎていつまでもつか」


 俺はドロカカから目を離し、ゴージンの使い魔エナイトを手に取る。


「ゴージン。ドロカカが勝手なことやりくさって交戦中だ。見殺しにしてもいいけど、一応援護に行ってくれ。広間にいる」

「承知ゾ」


 使い魔無線を通じて、ゴージンの声が返ってくる。向こうには俺の使い魔のアルーがいるはずだ。

 アルーを頭の上に乗せ、エルフの少女の姿をしたゴージンが、広間へ向かっていくのが見えた。途中で別のレイス三人組と接触し、そこでゴージンと戦闘が始まる。


 複数のレイスの素早い動きに翻弄されることもなく、アタックレンジに入った最初のレイスを、カウンター気味になぎ払うゴージン。続けて飛びかかった二匹目のレイスの腹部に、鉤爪が突き刺さり、回転まで加わる。あれで死ぬ一歩手前でペインの寸止めしているって、ちょっと信じられないが……


「彼女、短い期間で着実に腕を上げてますね。出会った時からふたまわり以上は成長しています」


 ディーグルが称賛を口にする。俺にはよくわからんけど、こいつがそう言うならそうなんだろう。


 しかしそのゴージン以上の速度で、次から次へとレイスを撃退しているドロカカ。魔法使いなのだからその特性上、雑魚のなぎ払いに強いのはわかるが、本体のガードも同時に行っているのは中々凄い。


 三匹のレイスを撃退したゴージンが広間に到達し、ドロカカの加勢へと入る。


「む? ゴージンか。姿が違うから一瞬誰かと思った」


 アルーを通じてドロカカの声がここまで届く。


「勝手なことをすルかラ、太郎がお冠ゾ」


 そーだそーだ、お冠だ。あとであの髭ゴブの髭、全部毟り取ってやろうか。


「占いの方でな、気になる卦が出た。こいつらは俺に(ゆかり)があるらしいのだ」


 そう言えばこいつは占い師でもあったな。

 さらにレイス達との交戦が続いた後、ドロカカの言葉の意味が判明することになる。


 レイスとは異なる者が現れた。村落の者でも無ければ、宿にいた旅人とも違う。そしてレイスに襲われる事もなく、ゆっくりとした足取りで、広間に近づいてくる。


 双眼鏡で覗かずとも、それが女だとフォルムでわかった。

 双眼鏡で覗いてみる。黒髪の二十代くらいの女だ。え……この女、見覚えがある。


「ディーグル、もしかしてあれ……」

「もしかしなくてもそうですよ。どうやら彼女がレイスを差し向けたようですね。目的はドロカカさんでしょう」


 声をかける俺に、ディーグルは半ば呆れたような口ぶり。

 女の顔は……以前霧に包まれた崖に現れた、あのろくろ首デカ顔女と同じだった。あの時のように恨みに満ちた怖い形相では無かったが、顔は確かに同じだ。

 つまりあれは本体ということか。


「俺達も降りてみよう」

「そうですね。彼女には私も聞きたい事があります」


 俺の提案に、意外にもディーグルはあっさりと頷いた。

 物見台から降りて広間へと向かうと、件の女がドロカカと向かい合っている。


「ゴージン、一応変装解いておくわ」

「そうか」


 俺の言葉に、残念そうな声をあげるゴージン。気に入ってたのかねえ。でももう変装しておく意味も無いしなあ。俺は元のゴージンの姿の方がいいよ。


「まさか分身ではなく、本体が御目見えとはね。しかもレイスはこいつが操っていて、目的は俺さ」

「言われなくても察しはついてる」


 俺達に解説するドロカカに、俺はあっさりと言い放つ。


「貴女は、モーコ・リゴリ遺跡で眠っていた古代神の使い魔ですか?」


 デカ顔女の本体(デカ顔ではない)に、ディーグルが問いかけた。


「そのこと自体知るべきではない。そして使い魔という呼ばれ方は心外だ。私は古代神の巫女だ。丁度現代の神とその神徒の間柄のようなものだ。現代の神も、古代神のそれをモチーフにしている。違うのはこの時代では騎士と巫女が一人ずつで、均等に力を与えているということか。古代においては、巫女は騎士の上位であり一人のみ。騎士は複数いるが力は劣るという形であった。そこのエルフが相対した使い魔とやらは、その騎士達であろう」


 知るべきではないと言いつつ解説してるよ、この女……


「あのデカ顔ろくろ首の分身はどういうセンスだ? わざわざおっかない形相のデカ顔の分身作るとか、俺の美的感覚では全く理解できねーんだ。いや、俺だけじゃなく、普通は理解できねーよ。そこん所、納得のいく説明ちゃんとよろしく」


 俺の要求に対し、女は一瞬あのデカ顔女と同じ怖い顔となって俺のことを睨みつけた。もちろんそんなもので俺がひるむわけもない。ディーグルの後ろに半身を隠しただけで、ひるんだりはしない。


「私の名はモリノ。そこのエルフはドロカカより以前に遺跡を発掘したというので、尋ねたいことがある」


 俺を無視して自己紹介したあげく、俺の従者であるディーグルに質問かましてきやがった。こいつは許せねーな。


「私が目覚めた際、私の主はいなかった。お前が遺跡を掘り起こした際、私の主は――古代神はいたか?」

「ウィンド・デッド・ルヴァディーグルです。以後お見知りおきを」


 ディーグルも自己紹介した。まあお前扱いが嫌だったんだろうなあ。


「お前があの……。名はよく聞き及んでいる」

「結論から言うと、いました」


 あっさりと答えるディーグル。するってえと何かい? ディーグルはこの冥界を作った創造主達の一人と、会った事があるってことかい?


「生きているのか?」


 モリノの声に微かに緊張の響きが帯びたのを、俺は聞き逃さなかった。


「はい、元気ですよ。ただ……」

「わかっている。有事で無い限りは、アリアルヴィーグアに神としての力も記憶も戻らない。おそらくは人として生きているのだろう」


 ほっとした表情を見せるモリノの言葉に、俺は硬直し、思わずディーグルの腰を手で掴んだ。


「バレてしまいましたね。そういうことです」

 ディーグルが静かに告げる。


 今までにディーグルは思わせぶりな台詞を幾度か口にしていた。アリアの正体とやらを。しかしまさか……


「アリアは古代神――グノーシスの一人です。私達の探索隊が、モーコ・リゴリ遺跡にて数多の禁断の知識と共に、目覚めさせました。その際、騎士達とやらも目覚めて、しつこく追い掛け回してきましたがね。アリアには記憶が無かったので、人として普通に暮らしてもらうことにしました。彼女の正体が知られれば、実験台にされかねませんから」


 衝撃の真実を告げた後、ディーグルはドロカカに視線を向けた。


「はっきり言いましょう。私はまだ古代神の巫女であるモリノの方が、信じられます。しかし……ドロカカ。私は貴方を信じられない。禁断の知識を得た後ずっと逃げ回っていたと言い、しかし今になってまた禁断の知識を求めると言い出している。その怪しさ満点の貴方の前で今、私は知られたくないこともあえて口にしました」


 知られたくないこと……アリアのことか。


「お前さんがどう言い張ろうと、モリノは俺とお前さんを同様に見るのではないかね?」


 顎鬚をいじりながらニヤニヤと笑い、ドロカカが言った。中々ふてぶてしい爺だ。


「納得のいく答えを今この場で聞かせてください。貴方の目的は何ですか? 返答次第では、モリノが貴方を仕留める前に、私の手で地獄に落ちてもらうことになります」


 冷たい声で言い放つディーグル。主である俺をすっとばして、頭の上で勝手なことやってくれると思わなくもないが、アリアも関わってくるとあれば……今はディーグルに全て任した方がいいかもな。


「さらなる禁断の知識。それだけだ。この前言ったとおりだ。俺一人ではそこのモリノとやらにはかなわなかった。だがお前達を味方に――」

「私が聞きたいのはその先ですよ。禁断の知識を手に入れて、何をしたいのです? あるいは、もっと具体的に欲しているものが――目的があるのではないですか?」


 ドロカカの言葉を遮り、ディーグルが指摘しつつ刀を抜いた。


「ドロカカも古代神を見つけたと言ってただろ?」

 ふと俺が口走る。


「モリノは古代神ではないし、アリアを見つけたのはディーグル。つまりそれとは他に古代神がいる。ドロカカ。その古代神とやらはどうなった?」


 そこら辺に答えがありそうな気がして、俺が突っこんでみる。ディーグルは感心したように俺を見ている。


「私もそれが聞きたいな。アリアルヴィーグアの他にもう一人、あの遺跡には古代神がいたはずだが、二人ともいなかった。私の主であるアリアルヴィーグアを知る者と出会えたのは思わぬ収穫であったが、もう一人はドロカカが知る所であったとは」


 モリノがドロカカを見つめて問う。だとするとおかしいぞ……


「そいつを聞きたいのに、ドロカカを今まで殺そうとしてたのか?」

 モリノにも突っこむ俺。


「禁断の知識を知る者は、彼女に敵視されますからね。私も含めて」


 答えないモリノに代わって、ディーグルが語りだす。


「しかしその知識を知る者はもう、かなりの数います。魔雲の地のみに限らず、多くの遺跡が冒険者によって掘り起こされ、古代文明のデータの解析が進んでいますからね。その中には古代神――創造主達に関わる、禁断の知識も幾つか含まれています。おそらくは太郎さん、貴方の主であるネムレスも知っているはずです」


 そりゃそうだろうな。ネムレスの発言の数々からすると知らないわけがないし、だからこそ俺は古代神とやらが、この世界を創造した者達だと、すぐに察しがついた。いや、古代神とかいう呼び名だけでも、何となくわかりそうなもんだけどさ……


「それらを全て抹殺するつもりですか? 貴女一人で? 正直無理な話でしょう。誰と誰が知るのかも全て知るわけでもないでしょうし」


 ディーグルに言われて、難しい顔になるモリノ。


「話がこんがラがっておルゾ。ドロカカの件は如何に?」


 今までだんまりだったゴージンが口を開いた。それぞれに疑問がありまくって、一斉に口にしている感があるな。


「多分ソードパラダイスにいるよ。かつての創生の時代の記憶はもう無い。普通に暮らしているんだろうさ」


 ドロカカはモリノを見つめ、このいつもヘラヘラした爺にしては珍しく、真顔で答えた。


「そうか。ならばよい。古代の神も我々も、記憶は皆意図的に本人達の意志で消したのだ。必要とあれば蘇るがな。アリアルヴィーグアの巫女である私と騎士達は、必要であるが故に記憶が蘇った」


 解説するモリノであったが、また新たな謎が生ずる。


「私達は目覚めたアリアルヴィーグアと行動を共にしていましたが、彼女の騎士達は、禁断の知識に触れたという理由で、問答無用で襲ってきました。アリアルヴィーグアがいるにも関わらずね。貴方達が記憶の復活が必要な条件を満たす要素は、禁断の知識を侵そうとした者が現れた時ですか?」


 ディーグルが経緯を述べたうえで尋ねる。俺と同じ疑問を抱いたようだ。


「それと主である神の身が危険と判断された時だな」

 と、モリノ。


「そのわりにはお前はアリアを見つけにも行かず、ドロカカ追い回していたんだな。一応ピンチにもなってたんだぞ。主に俺が助けたけどな」


 俺が言う。まあ、ある意味自作自演の危機ではあったが。


「それは礼を述べておく。アリアルヴィーグアは主従である以上に、かつての親友でもある。しかし全く行方の知れぬ彼女の所在を知るよりも、同じ地にいるドロカカの追跡を優先した」

「いつ諦めてくれるのかと、十年間、俺は正直うんざりしながら逃げてたよ。せっかくこの世界の謎の根幹に迫る知識を得て、それを活かすこともできずに逃げ回っているのがね」


 本当にうんざりした顔と口調で、ドロカカが言う。


「しかしこいつらが現れて、光明が射した。お前達を撃退してくれるかと思ってな」


 お前達? モリノ一人ではないのか。まだ騎士とやらが生き残っているのかな。あるいレイスを操っているように、モリノに手勢がいるのか。


「その期待には答えられませんね」


 主の俺を通り越して勝手に決めるディーグル。まあ、俺もドロカカの思い通りになってやる気も無いが。

 おそらくドロカカは、俺らと旅することで巻き添え的に追っ手を撃退しつつ、同時に仲間意識も芽生えさせて、モリノを討伐する流れにもっていこうとしたんだろう。さらには禁断の知識に興味も抱かせようとしたのかもしれないな。ディーグルにもそれとなく、禁断の知識をさらに求めるような会話を振っていたようだし。


「ああ、今の流れで何となくわかったよ。がっかりだな」


 人を食ったような薄ら笑いを浮かべ、肩をすくめてみせるドロカカ。


 見殺しってのも寝覚めが悪いが、そんな下心で俺達を利用されちゃたまったもんじゃねーしな。自分の欲望かなえるため、勝手に俺らを危険に巻き込もうとしているわけだし、それだけでファック極まりない。いくら俺がお人好しで、お釈迦様やイエス様より優しくて器のでかい男でも、これはきっぱりお断りだ。

 もちろん、美少女が切羽詰った形で助けを求めてきて、予め身も心も差し出す準備おっけーとかなら、話は全然違ってくるが、欲望のために巻き込み爺だぜ? 無理無理。


「で、モリノちゃんよ。ディーグルの方はどうする気だ?」


 俺に声をかけられ、その言葉の意味を理解し、モリノは難しい顔になる。


 先程のディーグルの指摘もあって、思い悩む所があるのだろう。禁断の知識を知る者全てを敵に回すなどできない。そもそもドロカカとディーグルとを両方敵に回すのがキツいことも、わかっているはずだ。現代の知識もあるようだし、ディーグルが何者かも知っているからな。

 そのうえアリアと知己とあれば、余計に手が出しにくいと思われる。


「知識を得る事そのものが危険ではある。だが……考えを改めよう。どれほどの知識を得たかはわからないが、それを悪用したり口外したりしないのであれば、問題は無いとする。それを信じられる何かを示してくれれば、手は出さん」

「そんなものはありません」


 涼しい顔であっさりと告げるディーグル。


「あのな、モリノちゃんよ。あんたの友で主であるアリアは、ディーグルと冒険者仲間だった時期もあり、今は俺と恋仲だ。その俺らと敵対しようってのか?」

「恋仲だったのか?」


 俺の言葉に反応したのはゴージンだった。


「むう……妹に先を越さレたような気持ちゾ……」


 複雑な表情で、あまり嬉しくない妬き方をするゴージンだった。


「お前と恋仲……いや、あの子なら有りうるか。むしろ納得できる」


 啞然としたような面持ちで俺を見て、モリノが言った。アリアは記憶を失う前からあんな性格だったのか。


「わかった。そちらには干渉しない。こちらのすることにも干渉しないと宣言されたことだしな」


 ドロカカのほうに向き直るモリノ。


「わかった、降参だ」

 大きく息を吐き、ドロカカがモリノの方に鞄を放り投げた。


「その中に入ってるよ」


 ドロカカに言われ、モリノが注意深く鞄を手に取って開くと、中から数枚のプレートのような物を取り出す。それが何であるかは、俺も知っている。古代の記憶媒体だ。あの中にデータが詰まっているらしい。


「多少は解析したがね。しかし未解析のままのものもある。で、少しでも解析した俺を殺すかね? 見逃すことはできんかね? ま、殺すんだろうな。何せ十年間もしつこく追い続けたのだから」


 身の危険を顧みずに、ニヤニヤ笑って顎鬚をいじりつつ、ドロカカが煽る。


「どの程度解析したのかも、私にはわかる。その解析次第だ」


 淡々と告げた後、モリノの手の中のプレートが全て、青白く発光した。


「際どい線だな」

 モリノは静かに告げると、片手を払う。


 今まで空気なギャラリーと化していたレイス達が、一斉に村の外へと撤収していく。


「あいつらをどうやって操っているんだ?」

「一応勘弁してやる。しかしもう二度と、知らなくていい余計なことを知ろうとはしないことだ」


 ドロカカの質問を無視し、モリノは凍りつくような眼差しをドロカカに向け、その眼差しに劣らぬ冷たい声で警告した。

 しかしドロカカはへらへらと笑ったまま。そしてこの爺さん、絶対に懲りないし諦めないだろうなあ……


「なあ、こんな間抜けな質問するのもどうかと思うが……」

 俺がモリノに声をかける。


「アリアの巫女ってことは、アリアの敵ではないよな」

「当たり前だろう。どうしてそんな発想が出る」


 俺の問いに、驚きと呆れが混じった顔になるモリノ。


「そういう可能性も考えておかないとな。ま、今の反応でわかったからいいが。アリアに会わなくていいのか? 会いたいなら場所知ってるから教えるぞ」

「いや……どうせ覚えてないし、いい。きっと新たな生を満喫してるのだろう」


 モリノが始めて笑みをこぼしてみせる。寂しげな笑みではあったが。


「ああ、あいつ一都市の市長やってるんだが、最近独裁政治始めて、暗殺者に狙われて、散々だったんだぜ」

「そ、そうか……」


 俺の報告に、モリノは少し引いていた。


「この先は縁が無い事を祈ろう。騒がせてすまなかった」


 謝罪の言葉を告げると、モリノは背を向けて立ち去った。


「ありがとうよ。おかげでもう狙われずに済む」

 ドロカカがニヤニヤ笑いながら礼を述べる。


「どうせ諦めてはいないんだろ」

 俺が言った。


「いいや、命あってのモノダネって奴さ。俺は分不相応な領域には踏み込まんよ。だからこそ十年も逃げ回っていたんだ」

「嘘つけ。それならあの記憶プレートを、さっさと差し出しておけばよかったじゃないか」

「それで見逃してくれる保障も無かったが、今の空気ならば見逃してもらえると踏んだまでさ」


 歯を見せて笑うドロカカ。


「食えない爺ゾ。そレよリ、レイスの騒動が収まった旨。皆に伝えようゾ」

「だな」


 ゴージンに促され、集落の連中や旅人が避難している建物へと向かった。

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