6 あります
市長の要請を待ちながら、俺は能力の実験を繰り返し、いろんな本を読んでこの世界の情報を頭に詰め込む日々を送っていた。この世界の住人ほぼ全てが使用できる生活魔法の数々も、さらに幾つかディーグルから習った。
新たに分かった事を少し話そう。この世界は資本主義社会ではあるものの、競争社会としては非常にヌルい。貧富の格差も極端ではなく、ニート以外に貧乏人がいない。少なくとも葉隠市は、働きたくないでござる以外の市民は全て、中流以上という感じだ。
もちろん金持ちもいるようだ。例えば兵士は公務員の中でも、給料が多く支払われているとのこと。政治家や官僚も金持ち多めらしい。あとは経営者だが、この世界で過剰に労働を強いる経営者はいないらしい。そんなことをするとすぐに干されるそうだ。なので経営者も大金持ちにはならないし、積極的に事業の拡大にあくせくすることもないとのこと。
そもそも競争意識が乏しく、生活費も大してかからないので、労働を必死に行う必要が無い。定職に就かず、金が足らなくなったら日雇いの仕事をする人も多いとか。
ニートには必要最低限の生活支給金が出るが、ニートの存在自体が許容されている。労働こそしないが、消費者としてこの世に必要であるという考えらしい。素晴らしいね! そんなんでよく、経済破綻したりニートだらけになったりしないもんだな……
しかしだからこそ上昇志向の強い者にとっては、競争意識も格差も乏しく横並びの平和なこの社会が、苦痛に感じるという側面もあるわけだ。で、そうした者は再び地獄に赴くか、さもなくば乱す者と化す。
多くの人間にとっては、ある意味天国と言ってもいい程平和で、穏やかな社会。過剰に競いあう事も無いから、大して進歩も変化も無いという弊害もあるが、もう途方もないほど長い年月に渡ってそんな状態が続いているし、多くの者はその平和を乱される事を望んでいない。
それと神々の話。この世界には神が実在し、時として祈りを聞き届け、奇跡をも起こす。
そのために神話イコール逸話として語り継がれている。中には嘘の話もありそうだがなー。で、人々の多くは何らかの神を信仰しているし、神殿やら聖地やらも存在する。もちろん信仰心の薄い者もいる。ディーグルがまさにそれだ。
「私は如何なる神も崇めませんよ。彼等の奇跡にすがりたいという気持ちもありません」
心なしか冷めた表情でディーグルは言った。
「この世においても、神に捨てられた地においても、人は何故神というものを意識し、崇め、すがり、祈るのだと思います? そういう本能が、私達の魂にすりこまれているからですよ。神々からしてみれば、信仰と祈りが餌のようなものですから、その餌を得るために人と交わり、時に奇跡を起こし、神を意識するように私達の魂に細工を施したのです」
餌って……どうもこいつは神々という存在に、かなり不快感を抱いているようだ。敵意にも近い。理由は聞かなかったが。
そんなんでよく、神の直属の下僕である神聖騎士の俺の従者になったもんだよ。仕事とはいえな。
***
「なあなあ、ディーグル。そうやって見てるだけなのも暇そうだし、俺と一緒に絵描かないか?」
その日、朝から絵の奇跡の研究に励んでいた俺が、側で暇そうにしているディーグルに声をかけた。
ちなみにあれから何日も実験を繰り返し、絵で様々な物や現象を現実化してみたが、体力の疲労を感じた事は一度も無かった。不思議だ。最初の七日間昏睡といい、第十八部隊での演習の際にちょっとだけ疲労感覚えた事といい、何が違うのか。
「太郎さん、すっかり忘れていましたが、使い魔を貰いに行きましょうよ」
俺の言葉を無視して、唐突にそんな提案をしてくるディーグル。
「何? お前絵に自信無いの?」
「この世界では皆、一人一匹使い魔というものを持っています。神に捨てられた地にいた頃、一番好きだった動物をパートナーにできるんです。離れた場所でも使い魔の目を通して物を見ることや音を聞くこともできるので、いろいろと便利ですよ。何より可愛いです。だから行きましょう。さあ行きましょう。すぐに行きましょう」
俺の指摘を全く聞こえてない振りをして、話を強引に進めるディーグル。つまりそういうことなのね。
それと今の使い魔の話を聞いて改めて思った。本当にここが基本世界なのか? その割にはまた、神に捨てられた地にいた頃に依存しているシステムが、また出てきちゃってるし。
使い魔とやらを得るのは楽しみなので、ディーグルの提案を受け入れて、近くの繁華街へと向かう。
看板には使い魔屋とそのまま出ていた。外から見た感じ、客の数は少ないし店自体も狭い。値段は一回一万円か。物価の安いこの世界にしては、結構金かかるなあ。
「一人一回限りですからね。生誕の後にしか来ませんから、客も少ないし料金も割高になるでしょう」
「変更とかできないわけ?」
「できません。だからこそ、永遠のパートナーと成りうる一番好きな生き物に限られるのです。本人が選択するわけでもなく、一番好きだと思っている生き物が、自動的に現出します」
不自由でつまらないシステムだと思ったが、一人一匹に限られた大事なパートナーなら、ホイホイと交換するという考えの方がひどいとも言えるか。
店の中に入り、扉の前の短い列に並ぶ。付添いのディーグルは、店内にある椅子に座って待っていた。
俺の番が来て扉を開ける。占いの館みたいな雰囲気の薄暗く神秘的で、かなり広い部屋。床には巨大な魔方陣が描かれており、その横にはテーブルを挟んで椅子が二つ置かれている。テーブルの上には特に何も置かれていない。水晶玉でも置いておけば、雰囲気だけはさらにそれっぽくなるのに。
椅子に座り、使い魔を使役するための注意事項を店員から聞く事となった。店員は特に凝った衣装でもなく、私服だ。面白みねーな。商売として競争相手がいないせいかねえ。非競争社会はこういうマイナスポイントもある。
「え~、使い魔は厳密に言えば生物ではなく、分身のようなものですから~、行動不能になることはあっても、主が生きている限りは死ぬという事はありません。しか~しだからといって、ぞんざいな扱いをしてもらっても困ります。使い魔の扱いがひどいとぉ~、使い魔の力も弱まっていきま~す」
「不可抗力な事故でぞんざいに扱ってしまって、弱まった使い魔の力の回復とかは出来るの?」
微妙に芝居がかった口調での店員の説明を聞いて、俺は疑問を口にする。
「もちろんできますが、難しいですよ~。とにかく可愛がることですが、とってもと~っても時間がかかりまぁす。共に過ごした時間の長さと愛情に比例して、力が増しま~す」
「何だかありがちなゲームの設定っぽいなー」
思わずそんな台詞を吐いてしまう俺。いろいろRPGしてたらどうしてもそう思っちゃうよ、この仕組み。
「そもそもこっちがオリジナルなので~す。地獄において~、ファンタジー世界の妄想フィクションで語られている使い魔設定は~、こちらの使い魔の仕組みが~、あちらに行った際にもおぼろげながら記憶に残っていて、語られたのでしょう~」
全てはこっちの世界がオリジナルってね。はいはい。
何故だろう。どうしても俺はそれが気にくわない。
「では~、使い魔を現出させてみましょう」
床に描かれた直径2メートル程の魔方陣に、店員が手をかざす。
「はい、出ました~」
魔方陣が光るとか、特に凝った演出効果も無く、一瞬で終わった。
目の前に体長40センチくらいはあろうかという大きな黒い蜘蛛がいた。巣を作る足の長いタイプではなく、ハエトリグモだ。うおー、やべー、可愛いー。つぶらな瞳がすげーそそるー。
こいつがこれから俺のパートナーか。何かすげーときめいてしまうし、嬉しいね。自然と笑みがこぼれてしまう。
「で……では、大事に可愛がってくださ~い」
喜んで蜘蛛を手に取って、そのまま頭の上へと乗せる俺に、店員は少し引き気味だった。蜘蛛嫌いなのかな?
つーか、蜘蛛大きすぎて俺の頭の上に乗り切らず、後頭部から首筋にかけてまでへばりついている感じだな。でもまあ、可愛いもんだぜ。
扉の外へと出ると、俺の頭の上の蜘蛛を見て、ディーグルがあからさまに引きつった顔をする。おまけに冷や汗まで流している。いつも柔和な笑みを張りつかせ、取り乱したことなど一度もなかったこいつの、こんな表情とリアクションは初めて見る。
「何その顔? ひょっとして蜘蛛嫌いなのか?」
「嫌いというわけではありませんが、驚きますよ。部屋の中から出たら頭の上にそんな大きい蜘蛛乗せていたら……。ついでに言うと、蜘蛛が一番好きという太郎さんの型破りな感性にも驚きです」
あう……今後行く先々で、俺は蜘蛛を使い魔に連れているというだけで、変な目で見られそうな気がしてた。ふぁっく……何かすげームカつく。でもそれも最初だけか。
「蜘蛛だから糸を吐くこともできますし、機動力も高そうですから、役立つシチュエーションもありそうですね」
「今の俺が糸吐けないから、代わりに頑張って糸吐いてもらわんとね」
俺のナイスな下ネタをディーグルは黙殺した。いつもなら小粋な軽口で返してくれるのに。やっぱり蜘蛛が苦手なんじゃないか?
帰りに、馴染みの八百屋へと寄る。俺のことよく可愛がってくれるポニテの綺麗なねーちゃんの店員がいる店だ。俺が行く度に、俺を撫でたりお菓子くれたり女物のアクセサリーつけてくれるんだ。会話もそれなりに弾むし、楽しい時間を過ごせる。
「キャーッ! 何てもの乗せてるの! やめて! 寄らないで! 入って来ないで!」
ところがポニテのねーちゃんは、俺を一目見るなり悲鳴をあげて入店を拒否した。何つー接客態度だよ。あんまりだ……。
代わりにディーグルに買い物を済ませてもらった。もう俺はあの店行けないのか……?
すれ違う通行人達も、いちいちギョッとした目で俺を見てやがる。何だこれ……ふぁっく……
「まあ苦手な人はとことん苦手という事ですよ。私も連れまわすには厄介なタイプの使い魔なので、諦めて普段は表には出さないようにしています」
「あれ? ディーグルにもちゃんと使い魔いたのか。サナダ虫? 回虫?」
「蜘蛛でさえ引いている私が、そのようなゲテモノの類になるはずもないでしょう」
「ていうか、使い魔って消すこともできるの? いや、しまっておけるのか?」
「はい。出したままの人も多いですけどね。大きいタイプとかも連れて歩くのは大変ですし、仕事の邪魔になることもありますし」
言われてみりゃ、木村市長も使い魔が小象だから、出しっぱなし連れっぱなしってのも難しそうだな。街を行き交う通行人も全てが使い魔連れているわけでもない事に、今更気が付いた。
「いや、俺はこいつとの親愛を深めるために、出しっぱなしにしと……ッ!」
言葉途中に、ディーグルが俺の体を蹴り飛ばした。
直後、長く響く銃声。そして近くの建物の壁が穿たれる。
狙われた? 俺が?
ディーグルが呪文を詠唱しながら、周囲を見回す。
「悪因悪果大怨礼!」
即座に狙撃主を見つけたらしく、右手を銃の形にして呪文を叫ぶディーグル。人差し指の周りに黒い梵字が無数に浮き上がって回転しだす。
エルフの癖に和風の魔法かよ。そういや武器も刀だな。
やがて梵字がディーグルの人差し指の先に集中して黒い塊を作り出すと、黒色弾となって長く尾を引いて撃ち出された。
黒色弾の直撃を受け、倒れる狙撃主の姿が俺の目に映る。
その刹那、俺の周囲三方向から、一斉に俺に殺到する三人の刺客。
二段構えの暗殺。狙撃が失敗したらすぐに近接攻撃の刺客か。しかも三人。何だこの徹底ぶりは。得物は全て匕首だ。腰にためて突っ込んでくる。ヤクザかこいつらは。
だがディーグルはそれにすら素早く反応し、居合でもって二方向の刺客を瞬時に斬り捨てた。動体視力には自信がある方だったが、ディーグルの動きはほとんど見えない。刺客は一回斬られただけではない。首、胸、腰をそれぞれ横一文字に斬られて、輪切りの状態で地面へ落ちる。
後方の刺客の対処は一瞬遅れたが、それでも俺に迫る前にディーグルが俺の横を駆け抜けて、俺が振り返るより早く始末していた。
ディーグルに斬られた者達が、文字通り消えていく。体が薄く透けていき、消滅していく。何だよ……この死に方……
この世界での死は、ペインの限界が越えた時だという。銃で頭を撃たれたからといっても、必ず死ぬわけでもない。しかしディーグルは一瞬にして、即死相当のペインを三人に食らわせたということか。
動き自体も凄まじい速度だった。俺は震えていた。ディーグルを心底かっこいいと思ってしまった。最初に会った時、すでに只者じゃないオーラをすげー醸し出していたが、その正体はこの戦闘力か?
だが敵のしつこさは、ディーグルの戦闘力をも上回っていた。
刺客は二段構えではなく、三段構えだったのだ。遠距離からの射撃、三方向から接近しての暗殺。そして三番目は、魔法攻撃だった。
俺の体が電撃の柱に包まれる。痛いっ、熱いっ。身を焼く強烈な熱。そして痺れ。痛くて呼吸ができなくて苦しくて、凄まじいペインが俺を襲う。
「太郎さんっ!」
うずくまる俺はディーグルの顔が見えなかったが、その声には切羽詰った響きが伺えた。
電撃はすぐに消えた。見ていなかったが、ディーグルが魔法で解除してくれたか、魔法を用いた刺客を斃してくれたか、あるいはその両方かだろう。
「私がついていながら……何たる不覚……。太郎さん……」
ディーグルが俺の横で、歯噛みすらして悔やんでいる。あはは、俺が死んだと思ってるのか。いい顔してらあ。
「おー、痛えな、ふぁっくー」
悪態をつきつつ、痺れの消えた俺が立ち上がる。俺が生きていた事に目を丸くして驚くディーグル。
「ペインへの抵抗力は個人差があるとはいえ、普通、あれだけの強力な攻撃魔法のペインを食らえば、死んでいますよ……」
呆然とした表情のディーグル。こいつのこんなリアクションも初めて見る。
「あっちにいた時に俺が受けた痛みや苦しさに比べれば、こんなの全然なんてことないわ」
不敵に笑って嘯いた俺に、ディーグルは露骨に憐憫の眼差しを向けていた。
「しかし狙いは俺かよ。やっぱり最初の戦場の時に、すでにマークされていたってことか?」
襲撃者は乱す者だろう。まあ考えてみれば驚くことでもないな。一人で戦況ひっくり返してしまう存在がいるとしたら、奴等にとっては脅威だし、排除もしたいだろう。
「それはそうでしょう。だから私が護衛としてついたのです」
言いながら、ディーグルは俺をかばうかのような格好で油断なく身構えている。まだ敵はいるってことか。
「久しぶりに本職です」
「ディーグルの本職って、乱す者と戦うことか?」
「戦うことそのものが本職と言ったところですかね。つい最近まで役職としては、市内に乱す者が紛れ込んでテロ活動を行った際の掃討をしていました。それ以外にもいろいろ市から頼まれますけれどね。例えば生意気な子供の御目付け役とか」
あうう……こんな時にも憎まれ口たたけるとは、大した余裕だこと。
周囲にいた通行人達は逃げ出し、あるいは避けて速足で通り過ぎている。死体こそ残っていないが、彼等の着ている服はあるし、今何が起こったかも皆わかっているようだ。
やがて、十数人の男女がゆっくりとこちらに向かって歩いてきた。種族は人間だけではない。ゴブリン、オーク、エルフもいる。服装は普通だが、全員様々な得物を抜き、こちらに殺意の
眼差しを向けていた。問うまでもなくわかる。乱す者だ。
「その娘の方に用がある。我々の同志を大量に殺した巫女だと聞いてな」
先頭にいるリーダー格と思しき男が声をかけた。恰幅のいい壮年の男だ。お世辞にも美男子とは言えない不細工な容姿だが、目つきは鋭く、妙に脂ぎった肌は精力的なイメージがある。
つーか娘? どこにいるんだ、それ。巫女でもねーし。
「ほら娘さん、何か申してあげたらどうですか?」
ディーグルが敵を見据えたまま、悪戯っぽく笑ってみせる。
あー、そうか……やっと気が付いた。いや、忘れてた。俺って子供の頃、女の子に間違えられまくってた事を。ほら、何しろこの愛らしい容姿で、髪も結構長かったしな。今も結構長いし。毎日鏡を見て気づかん俺もどうかしてるが。
そのおかげで変質者に目つけられて……って、トラウマだから思い出すのはやめよう……
ようするに傍から見れば、俺とディーグルの組み合わせって、女顔エルフの美青年が美幼女を連れまわしている構図だったわけか。今まで全然そんな意識無かったけどね。
「あ……あります」
「ん?」
主語の無い俺の言葉に、リーダー格の脂ギッシュ男が訝る。
「ちんちんありますっ!」
「えっ!?」
俺の発言に、脂ギッシュ男は硬直した。
「み、見る……?」
両手で股間を抑えてわざともじもじして見せ、恥じらいの表情を作ってみせながら訊ねる俺。
脂ギッシュ男はますます硬直していた。奴の周りの乱す者も何人かも、面食らっているような……
「人喰い蛍!」
その隙をつくようにして、ディーグルが眼前で左手の人差し指を立て、短く呪文を唱える。呪文……だよね? 何かまた和風だけど。
ディーグルの前方の空間に何十もの光の粒が生まれる。いや、粒ではない。光がゆっくりと奇妙な点滅をしている。三日月が上から下へとかけて現れたかと思うと、上から下へと消え、また現れている。
光は三日月状の点滅を繰り返しながら、一斉に乱す者達へと降り注いだ。数も速度も凄まじいうえに小さいので、回避は困難なようだ。光は何人もの乱す者達の体を貫き、三日月状の穴を体に無数に穿った。何人かはペインの限界に達し、消滅する。
「今のって俺の手柄だよね? 俺、時々自分の才能が怖くなるぜ。一瞬、アイデンティティー崩壊しかけたけどね」
「無い方がよい才能ですね。君の気持ち悪い助力が無くとも、今度こそ君に指一本触れさせず、奴等を退けてみせますよ」
ディーグルが凛然たる口調で言い放ったその時――
乱す者達のいる後方の家屋の屋根の上に現れた人物を見て、俺は固まった。
強い負の念が、俺の中に沸き起こる。まさか……まさかこんなに早く、再び相見えるとはなっ。
大きく見開かれたギョロ目、エラのように頬が張った魚面、痩せ細った体、不健康極まりない土気色の肌、異様に下だけ肥大化したたらこ唇とひん曲がった口元。忘れたくても忘れられない、何もかもが印象最悪のルックス。
俺が殺した――そして俺を殺したバスの男が、屋根の上から憎悪を込めた眼差しで俺を見下ろしていた。




