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反逆無双の重力使い~『無能』と呼ばれて蔑まれた少年は、封じられた力を取り戻して『反逆者』へと至る~  作者: 久遠
三章・反逆者は満を持してその牙を突き立てる

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人物紹介

と言う訳で、第一部で登場した名前つきキャラクターの人物紹介となります


ソレなりに長くなっちゃっているので、興味ない人は見なくても多分大丈夫?かも?


…………え?そもそも興味ない?そんな~(´・ω・`)

 


『シェイド・オルテンベルク』



 今作の主人公。男性。十六歳。


 物語開始時は『とある理由』にて体内に蓄えられていた魔力を魔術と言う形にて体外に出す事が出来ず、『無能』の謗りを受けていた。


 ソレも在り、幼少期から共に在り、淡い恋心を抱いていた幼馴染み達や、かつて『英雄』と呼ばれていた両親を同じくする妹からも蔑まれ、その上で他の冒険者や市民達からも虐げられる事となる。


 が、通っていた冒険者養成学校の課外授業にて赴いた郊外の森にて出現するハズの無い強大な魔物と遭遇し、他の生徒や教師に囮としてその場に置き去りにされ、命の危機を迎えた事によって両親から施された封印が解除され、身の内に秘めていた膨大な魔力(一般人の保有魔力を『カップ一杯分』、戦闘系の職に就ける魔術師の最低量を『バケツ一杯分』、後衛系に特化した魔導師の平均的な魔力量を『五十mプール一杯分』と例えると、彼の魔力量は()()()()『湖一杯分以上』となる)と、人族では滅多に発現しない闇の属性を得ると同時に、個人が持つ魔導技術の集大成である『固有魔術』の『重力魔術』を手に入れ、魔物を返り討ちにして自身の力を確かめる。


 ソレと同時に、それまで自身を虐げてくれた連中へと復讐する事を自らの胸に誓い『反逆者』へと転身を遂げた。


 学校やギルドにて自らの復讐を一通り果たし、賞品目当てで参加した武闘大会にて各方面への嫌がらせとして決勝戦の舞台にてほぼ勝利を確定させながら試合を棄権し準優勝となる。


 その後、表彰式にて乱入した魔族を退け、その際に国王直々に魔族との戦乱に戦力としての参加を要請されるが嘲笑と共にバッサリと断り、国を出た。


 以前は気弱で身体も小さく一人称も『僕』を使っていたが、封印が解けてからはどんな相手にも強気に出る様になり、身体付きや身長も平均よりも良くなり顔付きも強面に近くなったが比較的イケメン寄り。茶色の髪と翠の瞳。一人称は『俺』へと変化した。が、気質の根底には生まれつきの優しさが残っており、敵対していない者、助けを求めてきた者に対しては手を差し伸べる事も在る。一応、本人のアライメントとしては『秩序・善』。




『カテジナ・オルテンベルク』



 主人公の妹。女性。十五歳。


 かつて『英雄』と呼ばれた両親を持ち、周囲からは『次代の大魔導師』との呼び声も高かった天才児。


 その為に、通常は十六歳から入学する事になっている冒険者養成学校にも一年早く入学し、冒険者ギルドでも後見人のギルドマスターの元で一線級の戦力として下にも置かない扱いを受ける事となる。


 ソレに伴い、生存する唯一無二の家族であったハズのシェイドを周囲と共に『無能』として迫害し、終いには『お前なんて家族だと思った事は無い』と断言する迄に至る。


 その翌日、彼が森で魔物にちょっかいを掛けて食い殺された、と言う報告を信じてしまい、最初から『自分の名声に傷を付けてくれた!』と憤慨していたし、実際に彼が森から出てきた時には彼の言葉を一切信じようとしなかったが、彼から初めて向けられた殺意と怒りを前にして自身が信じて疑わなかった事が前提からして間違っていたのだ、と言う事に気が付く。


 ……が、既に時は遅く、謝罪も受け取られる事は無く、存在すらも碌に認識される事は無くなってしまう。


 実力と血統を買われて勇者パーティーへと勧誘され、実際に加入したが、半ば虚飾として誇張されていた為に気付かれていなかったが実は現段階では魔力量も実力も学生としては飛び抜けているが人族の中で見れば然程……と言う事に程度でしか無く、また固有魔術も習得出来ていない。


 一人称は『アタシ』。兄と同じく茶色の髪と翠の瞳を持っているが、生来の生意気さが滲み出ている為にあまり似ていない。実は第一部のヒロインポジションにいたキャラクターの一人でも在ったりする。




『イザベラ・ウル・カーライル』



 主人公の幼馴染みの片割れ。女性。十六歳。


 勝ち気な雰囲気を纏っているが、スタイルも顔立ちも整っている為に周囲からは人気が在った美少女。貴族家出身。


 幼い頃からの付き合いが在った主人公の事は好いていたが、彼が周囲からの期待に応えられない状態であった為に、自分の気持ちに素直になる事が出来ずに彼に対して強く当たっていた。


 ソレを度々ナタリアに窘められていたりしたが、遂に直接的に彼の事を貶している場面を彼に聞かれてしまい本格的に厭われ、両者共に抱いていたハズの想いを自ら否定する事となる。が、本人はソレに気付いていない為に、彼の変化に戸惑い、更に強く当たる羽目になってしまう。


 学校の課外授業の際に、彼が魔物にちょっかいを掛けて食い殺された、と聞いた時は激しいショックを受けて一時的に茫然自失となっており、その隙を突かれてクラウンに唇を奪われそうになる。が、寸での処で森から出てきたシェイドの手によって阻止されるも、混乱から彼の言葉を否定する様な素振りを見せてしまい、彼に完全に見限られる事となってしまう。


 その後、どうにか誤解を解こうとするもその機会に恵まれる事が無く、その上で教育係兼監視役として付けられていたシモニワとの行動を目撃されてしまい、決定的に関係が拗れる事となる。


 そして、武闘大会に於いて対面した際に、彼に対して最もしてはならない方法にて関係性の修復を申し込み、ソレによって彼の中に最後に残されていた『幼馴染みとしての情け』すらも使い果たす事となってしまう。


 故に、自身の奥の手でもある固有魔術【纏身魔術】による【業火纏身】を使用するも、情けを掛けられる事も無く真っ正面から叩き潰されてしまう事となり、最終的には存在を認識すらして貰えなくなった。


 スレンダーなスタイルと長く美しい金髪をツインテールに纏めている。貧乳。属性は火。魔術の集大成である固有魔術をこの年齢にて習得している事は十二分に驚愕に値することでは在るのだが、本人の力量や魔力量が足らずに長時間の連続展開は出来ずにいる。一人称は『ワタシ』。


 一応、本作品第一部に於けるヒロインポジションの様な立ち位置に居た一人でもあったキャラクター。




『ナタリア・ヴォア・ビスタリア』



 もう一人の主人公の幼馴染み。女性。十七歳。


 落ち着いた雰囲気と優しそうな空気から絶大な人気を誇る、グラマラスな美女。貴族家出身。


 イザベラと同じ様に、幼い頃からシェイドと共に過ごして来た。その為、彼に対しては好意を寄せており、彼の能力の強弱に拘る事無く伴侶となる事を願っていた。


 しかし、それと同じ位に同じく幼馴染みであるイザベラとも彼の伴侶になりたい(アルカンシェル王国は法律で多重婚が認められている)と願っており、いつの間にか年上として彼女をフォローする事が癖になってしまい、自らの気持ちに素直になってグイグイ攻め立てる、と言う事が出来ずにいた。


 以前友人との会話で出た『もっと男らしい人が好み』と言う言葉を切欠として彼との距離が開く事になってしまったが、その意味合いとしては彼に表面上でも内面でも良いからもう少し男らしく振る舞って欲しい、と言う願いを込めての言葉であった為に、実は最初から最後まで同じ立場で在り続けた希少な人物であったりする。


 学校の課外授業にてシェイドが魔物にちょっかいを掛けて食い殺された、と報告を受けた時には茫然自失となっており、ソレを仕掛けたクラウンにイザベラ諸ともに唇を奪われる寸前彼が乱入して来た事によって難を逃れる。


 その翌日、彼が力を得た事や彼がその口から語った諸々によって受けた衝撃を受けるも、貴族家としての役割として裁判官的なモノを裏で与えられていた家系であった為に彼の言葉をソレだけで信じきる事が出来ず、再度問い掛ける事となってしまう。


 が、それによりシェイドから『アレでもなお自分を信じないのならば、既にクラウンと通じているのだろう』と判断されてしまい、無関係なモノとして切り捨てられる事となる。


 自身では弟の様に思っていた彼からのその扱いにより、自らの想いがどんなモノであったのかを悟り、クラウンを始めとした彼を虐げていた面子を断罪する為の証拠集めをしつつ彼と再び会話して誤解を解く事を目指していたが、その機会に恵まれる事無くシモニワの教育係兼監視役に任命されてしまう。


 イザベラと同じくシモニワと行動を共にする姿をシェイドに目撃され、一時は彼女と同じく更に関係性が拗れる寸前まで行ったが、見切りを付けられる前に謝罪するチャンスを掴み取り、シェイドと和解する事に成功する。ソレ以降は彼への好意を隠そうともしなくなり、アルカンシェル王国に於いては特別な意味合いを持つ『乙女の口付け』を旅立ちの餞として彼へと贈り、彼から返礼品として『一度だけ対になってるモノを持つ相手の事を呼び寄せる事が出来る……らしい』効果を持つネックレスを贈られる事となる


 それにより、イザベラよりも異性として意識されている、と言う事に暗い愉悦感を抱くと同時に、ソレを贈られただけで終わってしまった事で現段階ではソレ以上の感情を抱かれていないことを悟り涙を流す。が、別段彼の事を諦めた訳では無いらしく、再会と関係性の進展を虎視眈々と企んでいる。


 紫色にも見える黒髪の持ち主であり、過去の家系図には稀人と思われる者の名前も記されている。所持する属性や固有魔術の有無は不明だが、準決勝まで勝ち上がり、勇者パーティーの一員として召集される程度には高い実力を持つ。


 一人称は『私』。巨を超えた爆の領域に在る巨峰の持ち主。でもちゃんと引っ込む処は引っ込んでいるので太って見えたりはしていない。




『レティアシェル・ド・レスタ・アルカンシェル』



 アルカンシェル王国の第一王女にして王太子。女性。十七歳。


 建国王の血筋を現代に伝える龍殺しの末裔。烏の濡れ羽の様な髪と金色の瞳が特徴的な美女。


 貴族家の中でも『武の名門』として高名であったイザベラとナタリアとは幼少からの交流が在り、顔さえ合わせていなかったが、二人から話は聞いていたので実は大分前からシェイドの事は知っていた。


 イザベラやナタリア、カテジナと同じくシモニワの教育係兼監視役を務める、実質的な勇者パーティーのリーダー。


 王太子と言う事もあり、普段はガイフィールド学校では無く貴族学校の方に通っていたが、王家が求心力をギルドからより支配者層へと引き戻す目的で開かれた武闘大会へと、確実に王家の力を世に知らしめる為に参加する。


 大会決勝戦にてシェイドと激突し、素の状態でいきなり第七階位の魔術を放って見せたり彼を驚かせて見せたりする等の離れ業を見せ付けるも、それでは彼には通用しないと悟ってか自らの奥の手である固有魔術【降霊魔術】を行使、召喚した大天使を自らの身体に降ろす【憑依召喚】を駆使して一時は彼の事を追い詰めるも、本気を出した彼の攻撃により舞台に沈められる事となった。


 それでいながらも、譲られる形にて大会を優勝してしまった事に微妙な感情を抱いており、執着心とも憎悪とも取れない『何か』を胸の内で燻らせている状態。どう化けるのかは作者にも分かっていない(←……え?)。


 一人称は『妾』。ミドルネームの『ド』は王太子の立場に在る事を、『レスタ』は直系の王族の女性である事をそれぞれ表している。属性は光。固有魔術の【降霊魔術】は、別の次元に在る霊的な存在を呼び出して協力させるモノであり、彼女の属性の関係上基本的に『天使』が呼ばれる事が多いがそれしか呼べない訳では無い。


 爆に程近い巨であり、サイズではナタリアに一歩劣っているが全体的にはレティアシェル王女の方が引き締まりを見せている為に好みが別れる処であると思われる。




『マサヨシ・シモニワ』



 意図的に喚ばれた勇者。男性。十八歳。


 城の地下に在る魔道具が魔王の復活を報せた為に呼び出された稀人。


 この世界に於いては初めて意図的に呼び出された存在(通常稀人とは『偶然』世界の隙間にはまりこんでこちらに転がり落ちて来る存在であり、大変珍しいが全く以て無い、と言うわけでは無い程度には在る事だと認識されていた)であり、対魔王戦力として期待されている。


 …………が、逆を言えばその他の面に関して言えば()()()()()()()()()とも取れると言う状態に在る。現に、不馴れな市政に対応する為に、と言う名目で付けられた四人はいずれも彼の教育係と兼任して監視役としての役割を担っている。


 とは言え、ソレを本人だけは気付いておらず、いつも誰かしらは自分と一緒にいる状況を都合良く誤解して『皆自分に好意を抱いている』と悲しい勘違いをしてしまっている。


 その為に、勇者パーティーと少なくない因縁があるシェイドの事を勝手に敵害視しており、自らに打倒されるべき存在であると思い込んでいたりもする。


 一応、腐っても稀人と言う事は在り、次元の隙間を通り抜ける際に付与される不思議な力(魔術の存在するこの世界視点からしても不思議なモノとなる)である『スキル』を扱う事が出来る事も相まってそれなりに戦えはする様子だが、シェイドの様に圧倒的な実力や相手の力量を測る観察眼を持っている訳でもないので、度々相手を格下だと誤認して嘗めて掛かり、返り討ちに合う羽目になっていたりする。


 今の処戦績としてはシェイドとズィーマに敗れる二敗だが、少なくとも予選のバトル・ロワイアルと初戦・二回戦とは勝ち進んでいる為にギリギリ勝ち越している状態。


 属性は光。固有魔術を習得しているかは不明。稀人の持つ『スキル』も今の処は自身の能力を爆発的に高める『限界突破』のみが明かされている状態となっている。




『クラウン・グル・ゲドリアス』



 シェイドを虐げていた主犯格の一人。男性。十七歳。


 アルカンシェル王国の中でも大貴族家として有名なゲドリアス家の嫡男にして、次期当主の座を確約されていた貴公子。


 好青年としても有名であり、その整った容姿と合わせて周囲からは絶大な人気を誇っており、ガイフィールド学校では生徒会長も務めていた。


 …………が、その裏では様々な女生徒に手を出していたり、虐めや暴力事件を度々起こしていたりしたのだが、その全てを家の権力を使って握り潰していた外道。


 以前から目を付けていたイザベラとナタリアが自分に靡かず、無能として有名であったシェイドにのみ心を許している様子を目の当たりにした事で彼の事を虐げて行く。


 二人に対して良い格好を見せようと課外授業にて森の奥へと入り込み、そこで本来ならば出るハズの無い強大な魔物を引き当ててしまった為に、逃げる途中で見掛けたシェイドを囮としてその場に拘束して残し、自らは悠々と脱出してイザベラとナタリアの二人を毒牙に掛けようと企む。


 …………が、結局の処としてはシェイドの覚醒を助ける事となった上に自らの所業を公衆の面前にて明かされる事となってしまう。


 その後、各方面へと火消しに奔走すると同時にシェイドと遭遇しない様に学校を暫くの間休んでいたが、結局武闘大会の初戦にて彼と当たる事となり、自身の奥義である固有魔術【罠魔術】と【迷宮創造】を駆使して戦うも呆気なく一蹴される事となる。


 なお、遭遇直後に経験不足や準備不足によって真っ先に逃げ出す事となったが、場と状況を整えてやればキマイラの上位種相手にもワンチャン位は狙える実力は持っていた。


 属性は土。これにより、固有魔術と組み合わせる事で土さえあれば幾らでも罠や防壁を張り巡らせ、更に強固に仕上げる事を可能としていた。




『グライス・オルテンベルク&シテイシア・オルテンベルク』



 シェイドとカテジナの両親。故人。享年は大体三十代の頭位。


 前衛で魔剣使いであったグライスと、純後衛で膨大な魔力を所持していたシテイシアのコンビは強力であり、それまでに挙げた幾つもの功績によって『英雄』と呼ばれていた。


 その為に、首都カートゥに迫りつつあった魔物の暴走を阻止するべく揃って出撃し、最期には暴走させた魔力の大爆発を以てして暴走した魔物の大半を道連れとした事により、現在でも『英雄』として語られている。


 …………が、その実態はただの名声に溺れたクズ(グライス)と、魔術の研究が出来ればそれで良いマッドサイエンティスト(シテイシア)であり、自分達の名声を霞ませる事になるから、とシェイドの魔力を封印し、彼を苦境に落とす原因を作った張本人。


 カテジナを始めとした他の民衆は未だに二人の事を『英雄』として崇拝してはいるが、ソコに『あのシェイドの両親』と言う、良くも悪くと取れるレッテルが追加され始めた事に、まだ誰も気が付いてはいない。




『ラヴィニア』



 冒険者ギルドアルカンシェル王国本支部マスター。女性。大体四十歳程度。獣人族の氏族の一つである兎人族の出身。


 グライスとシテイシアの友人にして、現役時代には二人とパーティーを組んでいた時期も在る元特級冒険者。


 実力や功績は二人には一歩劣るものの、種族特性として得ている圧倒的なスタミナや機動力によって広範囲にて活動しており、名声の高さで言えば二人が圧勝するが、名前が通っている地域の広さで言えば彼女の方が広いと言える。


 親友でもあった二人が帰らぬ人となった為に、遺児であるカテジナとシェイドの後見人を務めていた。ソレも相まって実力・才能共に持ち合わせていたカテジナを若い内から重用してギルド内部で高い地位に着けたりと色々便宜を図っていたりもした。


 …………が、その裏では二人が遺していた遺産を『管理する』と言う名目で二人から取り上げて着服していたり、シェイドに対して子飼いの冒険者達をけしかけて故意的に逆境の最中へと突き落としたり、カテジナを『才能も魔力も豊富だがそれでも親の様に人から突き抜けた力を持つには至らないだろう』と判断して思考誘導したり教育を片寄らせたりして手駒として操ろうと企んでいたりと、中々に腹黒事を行っていた。やはり、クズの友人をしていただけの事は在る、と言う事だろう。


 尤も、その企みもシェイドが覚醒を果たし、思考が正常化した為に報復するべき対象として認識されてしまった事によって瓦解し、自らも死の瀬戸際まで追いやられる程の重傷を負う羽目になる。


 属性は風。しかし、適性も魔力も高くは無い為に補助的にしか使えない。種族特性として若い期間が長く、外見上は二十歳そこそこにしか見えない。獣人族が稀に持つ特性として存在する『自らを負かせた強者に対して強烈な好意を抱く』と言うモノを持ってしまっていた為に、シェイドに対して怯えと恐怖心と共に確かな発情と好意とを混ぜ合わせた複雑な感情を抱いている。なお、冒険者ギルドにて繰り広げられた惨劇により、最近は求心力を落としている様子。




『ランドン・アンタレス』



 ガイフィールド学校校長。男性。六十歳程。


 数在る冒険者養成学校の中でも『最高』の呼び名高いガイフィールド学校の校長を務める元特級冒険者。


 彼が在籍してから排出された新人冒険者達はその多くが目覚ましい活躍を遂げている事もあり、彼の教育者としての名声と共にガイフィールド学校の名前を一際高く引き上げる事に成功していた。


 …………が、その裏では学校内部で行われていた虐めや暴力、教員による生徒への嫌がらせ等を把握していながらも無視していたり、一部の生徒の事を依怙贔屓する様な事すらもしていた。


 覚醒を果たしシェイドの事を目につけて手駒にしようとしたが、大会に於いて校長としての面子を丸潰れにされる事となる。


 なお、約束していた賞品は、半ばシェイドに強奪される形で彼の手元から持ち去られており、その際に退学届けが代わりに置かれている、と言う犯人表明と共に最大クラスのしっぺ返しを食らう事となった。


 属性は不明たが、魔術に対する深い見識を鑑みるに、恐らくは後衛系の魔導師であったと思われる。現役時代はその狡猾な思考から繰り出される指揮により、幾つもの大物盗賊団や強大な魔物を討伐せしめて見せた手腕により『怪物ランドン』との二つ名で呼ばれていたのだとか。




『ゲレェツ』



 ガイフィールド学校の教員。男性。三十代後半。


 学校に於けるシェイドやイザベラが所属していたクラスの担任。性格は『成績の良い生徒には甘く、そうでない生徒にはキツい』を地で行くモノであり、多大な依怙贔屓と嫌がらせ等を日常的に行っていた。


 課外授業のおり、シェイドを見捨てて自らの命惜しさに真っ先に逃げ出したり、彼との言葉の応酬にて敵わないと覚るや否や腕力に訴え出ようとする等、比較的単純な思考しかしていない典型的なクズ。


 大会に於いて、周囲へと嘘を吹き込んでいたり、色々と美味しい思いが出来る事を自慢していたためにシェイドの逆鱗に触れ、以前からの行いの復讐の一環としてそれらの全てを失う事となった。


 属性は不明。担当教科等から鑑みると、どちらかと言うと魔術師寄りではあった様子。




『カスグソ』



 呑んだくれ冒険者。男性。三十代半ば。


 典型的なダメ冒険者。


 流れで中級まで上がったは良いものの、凡人と才人との壁である上級への昇格を果たせずに挫折し管を巻く事となった。


 かつて自らが志し、かつ入学を志願しながらも果たす事が出来なかったガイフィールド学校に通いながらも『無能』の称号を得ていたシェイドの事を嘲笑いながらも内心で『なんでこんなにヤツでも入れたのに俺は……!』と言う鬱憤を溜め込んでいた為に、ラヴィニアから出された提案に真っ先に食い付いて率先して虐げて来た。


 その為に、覚醒を果たしシェイドからの復讐として、散々いたぶられた後に自らの頭蓋が挙げる軋みと悲鳴とを耳にしながら絶大な恐怖を味わわされながら絶命する事になる。


 属性は不明。一応魔術は使えた様子だが腕の方はご察し、と言うヤツである。内容の割には殆んど死者の出ていない今作品に於いて数少ない死者の一人である。




『グレンディレイ・ドゥ・レスター・アルカンシェル』



 アルカンシェル王国国王。男性。四十代頭。


 レティアシェル王女の父親にして、建国王の血を継ぐ末裔。


 娘と同じく稀人の血を引く証として黒髪を持つ。


 意図的に稀人を呼び寄せる技術を考案した張本人であり、実は割りと技術者気質でマッド寄り。


 昨今では民からの支持が低下しつつある事を気にしており、王女であるレティアシェルと自らが召喚したシモニワがその武威を示す事で民意を王家へと引き寄せようと、ギルドと学校に対して武闘大会を開催をゴリ押しした。


 が、その結果としては『王族が優勝する』と言う目的は果たせたものの『武威を示して求心力を取り戻す』と言う事には及ばず忸怩たる思いでいた。その為に、勇者パーティーが対処できなかった魔族を倒した、と言うことでシェイドを取り込みに掛かるが敢えなく失敗し自らも肩を砕かれることとなってしまう。


 案外と冷静な戦略眼を持っているらしく、このまま彼を敵に回してしまえば魔族との戦いだなんて言ってはいられない、と言う事に気付いており、彼に対する敵対行為を禁止していた。もっとも、本人からは『詰まらん』との評価しかされていないので成果としてはマイナスとなっているかも知れないが。




『ズィーマ』



 魔王配下の隠密方頭。男性。年齢不明。魔族。


 大会の終わりに会場に乱入して来た。


 人類に伝わる魔族の外見的特徴(肌が紫で角が生えている)はそのままながらも、残虐で目に映る人類の全てを殺さずにはいられない程狂暴、と言う情報を否定する程に理性的かつ紳士的に会場を脅迫した。(?)


 最初に会話したシェイドに対しては、彼の力量に敬意を抱くと同時に彼の来歴に同情を示して見せたからか、第一部登場人物の中でも随一に近い程の好感度を稼いで見せた。その為か、勇者パーティーと戦闘後に自らの力が魔族に対して通用するのか?と言う事を確認したかったシェイドと戦闘に発展するが、最終的には魔王へのメッセンジャーも兼ねて見逃されている。


 本職は名乗った通りに隠密なので真っ正面からの戦闘はアレでも不得手な方であり、闇討ち暗殺人質毒罠何でもアリアリのマシマシであればシェイド相手にもワンチャン有り得る程度には戦える。


 属性は闇。外見上は二十代半ば程で、端正な外見をしている。役職に『頭』と着いているので恐らくは幹部クラス。言動の端々から長く生きている事が窺え、下手をすれば魔王が勇者と戦っていた時代から生きている可能性も……?




『魔王』



 魔族の王。不明。不明。


 以前、人類諸族と敵対していた魔族の王。


 その外見や能力、思想、敵対理由等は全て時間が風化させてしまっている為に不明。


 現代で言う処の汎用魔術の最高階位である『第九階位』に相当する魔法(汎用魔術はあくまでも勇者が後に編纂し体系化したモノである為に、元となったソレは『魔術』では無い)を振るい、文字通りに『地形を変える』だけの力を持っていた。


 伝承では勇者に敗れた事になっているが、何故か復活する事を確信されていた為に、ソレを感知する為の魔道具がアルカンシェル王国の王城の地下に設置されており、実際に復活を遂げていらしい。


 現時点での思惑や勇者を召喚したアルカンシェル王国に対するスタンスは一切が不明。




『建国王』



 かつてアルカンシェル王国を拓いた英雄王。龍殺しの英雄。伝説の稀人。


 偶然この世界に迷い込んだ稀人であったが、その際に得た『スキル』が魔物や魔族に対して絶大な特効効果を持つモノであった為に、冒険者になったり勇者になったりして大暴れした傍迷惑なヤツ。


 この阿呆が適当な国造りをしてくれたお陰で主人公たるシェイドの味わう羽目になった辛酸は深く辛いモノとなったとも言える為に、ある種の諸悪の根元とも言えるかも知れない。


 なお、シモニワも『勇者』と呼ばれているが、彼とは異なり『そう言うスキル』を所持している訳でも無いが、魔王は特定の『スキル』を所持していないと倒せない、と言う事も無いので一応人類はまだ詰んではいない。ハズ。




長くなりましたがこれで第三章が終わると同時に第一部終了となっております


次回から第二部兼第四章が始まる予定ですので、どうかお付き合い頂ければ幸いですm(_ _)m


あ、待望の真ヒロインもここで登場する予定ですのでお楽しみに(^^)

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― 新着の感想 ―
[一言] こうして見てみると、大人に屑しかいないですな。 唯一のまともに見えたのが本来は敵対種族の魔族だけとは、この国はどうなっているのですかな? そー言えば、生徒バ会長が試合(人生?)終了間際に何…
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