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反逆無双の重力使い~『無能』と呼ばれて蔑まれた少年は、封じられた力を取り戻して『反逆者』へと至る~  作者: 久遠
十章・偽りの勇者は魔王軍との決戦に挑む

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○○○は××と相対する

位置的には最終章の一幕、的なシーンの先取りとなっております


ご安心下さいませm(_ _)m

 


 ━━━━かつて、緑溢れる草原であったその場所は、今や只の荒野となっていた。



 人と魔族との激突により、放たれた無数の魔術や魔法、純粋に高められた魔力等によって放たれた魔力圧を原因として、荒れ果てる事となってしまったからだ。


 ソレだけでなく、このアルカンシェル王国とクロスロード交商国との境目である場所には、人であろうと魔族であろうと関係無く、血河屍山を築いている事も、その場が荒野と成り果てている、と言う印象を強める結果となっていると言えるだろう。



 そんな場所にて、数えられる程しか存在していない、まともな姿を保っているモノの中で、相対する影が二つ。



 片や、巨大な体駆に深々と傷を刻んでいる『竜』を背に庇い、戦場にも荒野にも似つかわしく無い豪奢なドレスを纏いつつ、長く伸ばされた紫色の髪を風に遊ばせている、女性と見られる影が。


 もう片方は、地面に倒れ込んでおり、一応は重傷、と言う程度の負傷を負いながらも何かを頻りに叫び続けている影を背にしながら、その手に黒い刃を携えている、男性と見られる影が、互いに視線を交わらせながら対峙して行く。



 暫しの間、相対する二つの影の間には、何も交わされる事は無かった。


 言葉による説得であれ、交渉であれ行われる事は無く、逆に剣閃が交わる事も、魔術や魔法による戦火が交わされる事も無いままに、二つの影の時間は過ぎ去って行く事となる。



 それに対し、女性の背後に庇われている巨大な影は、目の前の影に対して戦う必要は無い、自身の事は放っておいて、自分の事を考えて欲しい、と呼び掛け。


 逆に、男性の影の背に隠されている方の幾つもの影は、彼に対して何故戦わない、弱っている今こそが討ち取るチャンスなのに、もしや向こうと通じている裏切り者なのか?と、まるで自分達の言葉に従うのが当然である、とでも言いたげな程に高圧的な言葉を投げ付けて行く。



 …………そんな最中、相対していた二つの影は、互いが互いの背中に投げ掛けられている言葉に押される形にて、その場から両者一歩踏み出すと、背後に居るモノが存在していない様に言葉を交わし始める。




『○○○、○○○○?』



『××××、××××××』



『○、○○○○。○○、○。』



『××××××。×、××××、××××?』



『○○○。○○○○、○○○○』



『××、××。××××××』




 そうして、幾つかの言葉を交わした両者は、互いの背中に掛けられる言葉を無視したままで互いにその口元へと微笑みを浮かべると、俄に魔力を高めて行く。



 それまでも、両者がその身の内に秘めていた膨大な魔力によって放たれる魔力圧により周囲に影響が出ていたのだが、ソレが更に強まる事より互いの背後に居た存在達が、呻き声や恐怖による圧し殺した悲鳴を溢し始めてる。



 が、そんな事は関係無い。自分達には『もう』関係無い。



 そんな、急速に互いが互いしか見えていない、と言う様な状態へと移行して見せた二つの影は、更に己の身から放つ魔力を高めて見せると、特に合図をする事も無く、自然と同じタイミングにて大魔術、大魔法と呼べる規模のモノを放つと、此度の戦乱が始まってから数時間が経った現在になって漸く、終戦の為の最期の戦いに挑んで行く事になるのであった……。




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