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反逆無双の重力使い~『無能』と呼ばれて蔑まれた少年は、封じられた力を取り戻して『反逆者』へと至る~  作者: 久遠
六章・反逆者はその名を『英雄』へと高める

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人物紹介・2

 


『シェイド・オルテンベルク』



 本作品の主人公。反逆者。



 アルカンシェル王国にて色々とやらかしてから出奔し、魔族との宣戦布告を受けた上で他国へと渡り歩く事を選択した。


 当初の第一目的は『自身がある程度までの力で振るっても相手を無為に殺さない様に手加減出来る武具』を入手する事であったが、最終的には普通に本気で振るう事の出来るだけの一級品を手にする事となる。



 アルカンシェル王国を出奔する直前に、魔族から付けられた監視者であるサタニシスと遭遇し、最初こそ渋々同行を認めてはいたものの、第二部中盤では既に『気を置けない相棒』かもしくは『背中を預けられる仲間』程度には信を置いている様子。


 また、かつて受けた様々な扱いや裏切りから人間不信に陥り掛けていた(特に女性不信)が、サタニシスとの交流や触れ合いによってその頑なであった心も大分軟化の兆候が見られる様になってきた。


 該当の人物とのやり取りに於いて、年頃の青年らしき衝動を口にしたり赤面したりもし始めた為に、その手の衝動も蘇りつつ在るだけでなく、サタニシスの方も故意的にモーションを掛けている様にも見える為に、もしかしたら彼に春が訪れるのはそう遠くは無いかもしれない。



 試し切りのつもりで出掛けた『迷宮』を完全踏破して見せたり、ほぼ単独で魔物の群れによる暴走であるスタンピードの殆んどを殲滅して見せた。


 その功績を以てして、本人が預かり知らぬ処で『英雄』として名声が高まって行く事となる。



 なお、作中にて戦略級術式である第九階位の魔術を行使したが、あれはあくまでも『闇属性の汎用術式』に於ける大規模魔術であり、彼のみが使える『固有魔術』としての第九階位相当の必殺技的なモノも存在している。


 今後の展開に期待されたし。



『サタニシス・ケーニッヒャ』



 遅れて出てきた新(真?)ヒロイン。監視者。


 魔族としての特徴である『紫』は瞳と髪に出ているだけであり、外見的には十代終盤のメリハリの効いた腰までの長髪を棚引かせる美女にしか見えない。



 魔族の方から、シェイドへと向けて送られて来た彼の同行を監視する為の監視者。


 敵対意思は無い、との彼からの言葉を受けて派遣される形となったが、それが本当なのかを確かめる事も役割の一つとして与えられている。


 ソレもあってか、万が一彼が魔族に対して敵意を顕にした場合、シェイドと真っ先に対峙する事になる立ち位置に居る為か、それ相応の実力を持っている。



 が、今の処魔族に対して敵意を見せる事は無いし、それどころか魔族である自身に対して好意的に接した事で、彼に対しては『監視者』では無く『仲間』として接し始め、更に言えば初めて自らに対して敵意を抱いていない相手(寧ろ無関係かつ罪も無い無辜の存在)をその手に掛ける羽目になった事で噴出した、他の誰にも見せた事の無かった『弱い一面』を唯一見せられた事により、ソレ以上の感情を抱き始める。


 物語を通して彼に対しては積極的にアプローチを繰り返す事となるが、最初こそはからかう事が目的であったが中盤以降は割りと本気で自らの好意を伝えんとするが為の行動となっている。



 稀人による複数の『スキル』を併用した『洗脳』の類いを平然と跳ね除けるだけの精神力と、複数の戦闘職の男を素手で軽く制圧出来るだけの格闘能力を持ち合わせるだけでなく、平然と第八階位相当の魔法(『魔術』はあくまでも人類が収集・編纂したモノなので魔族が行使するのはソレ以前のモノである『魔法』となる)を無詠唱・溜め時間無しで放って見せるだけの技量も持ち合わせている。



 今まで登場したキャラクターの中で、唯一全力の主人公と比肩しうるだけの戦闘力の持ち主であり、何やら彼にも明かしてはいない秘密も持っている様子。


 …………なお、作中にて彼女本人が何やら口にしていたが、ソレはあくまでも彼女個人が口にしていただけであり、事実として公表されたモノでは無いので悪しからず。良いね?



 自身の立場や秘密、種族としての違いや年齢(実年齢は……ウワナニスルヤメッ!?)の差等から自身から関係を進展させる事に躊躇っているが……。



 魔族であるが故か、希少なハズの闇属性の持ち主。



『キミヒト・ハシラ』



 勘違いした稀人。自称『天才』にして通称『隊商荒らしキャラバンクラッシャー』。


 黒髪黒目で小柄、青年なのに少年にしか見えない外見と、あの世界に転がり落ちて来た、と言う経緯から現時点では唯一の『正当な稀人』と言える存在だが、何故かあの世界を『自らが自由に遊んで良い箱庭』だと認識していた。



 方々の隊商に、時には正式に参加し、時にどさくさに紛れて滑り込み、時に強引に入り込んでは隊商内部の人々に対し、自らの持つ『先進的な考え』(と言う名目での元居た世界での知識やシステム)を半ば強制的に啓蒙し、ソレを『スキル』によって無理矢理自らの考えである様に信じ込ませたり実行させたりしてきた。


 本人としては『蒙昧無知な現地人に『先進的な教え』を広めてやっているのだから感謝して当然』と思っての行動であり、敵意や悪意から、と言うよりもどちらかと言うと『善意』や『その方が発展するだろうから』と言う考えの元に実行していた。



 自らを物語の主人公の様な存在である、と勘違いしていた為に、サタニシスの事を自らの為の『最愛の存在(ヒロイン)』と誤認したり、自身の為の世界を荒らす存在としてシェイドの事を排除しようと敵対する事になった。



 最終的に、自らが洗脳して支配下に置いていた魔物の群れをマーレフスミスへと差し向けて意図的にスタンピードを誘発させ、それによってシェイドを排除しつつ、それを自作自演によって鎮めて見せる事で、自らに不快な想いをさせたマーレフスミスを破壊すると同時に自らの名声も高めてみせる、と言う一挙両得を狙って事を起こして見せたが、見事にシェイドの手によって目論見を粉砕され、シェイドが行使した魔術によって四肢を切断された状態にて異世界へと追放される事となる。



 彼本人に空間支配の権能の闇属性には素養が無い様子であり、かつ彼を持ち去った『腕』にもその方面の素養は無い(らしい)のであの世界に戻ってくる可能性は殆んど存在していない。


 むしろ、『腕』の持ち主によって生かさず殺さずに実験台としてオモチャにされ、意識を保ったままで腑分けされたり、同じく持ち帰られた魔物と混ぜられたり、男性体であるにも関わらず様々なモノを孕ませる実験を受けたりするかもしないかも知れないが、それらは観測する事が出来ない為に真偽の程を確認する事は出来ていない。



 所持していた『スキル』としては『扇動』『魅了』『全回避』が確認されている。



 なお、魔術を行使する描写が少なかった為に、本人が所持している属性は不明である。(少なくとも闇属性では無いらしい)



『ゾンターク』



名工(マスタースミス)』の弟子。奇妙な縁者。


 ドワーフ族の青年。髭だるまで中年以降にしか見えないが、未だに青年期に在る。



 カートゥで開かれていたバザールにて初登場した鍛冶職人。最初こそは名前すら無いただのモブであったが、今回名前が明かされただけでなく、最終的にはシェイドの友人の様なポジションに収まる事となった。


 彼が居たが為に、シェイドはギルレインの手によって『無銘』を手にする事に成功した為に、ある意味第二部のストーリーラインを決定付けた人物である、とも言える。



 既に鍛冶職人としての腕前は一人前を通り越しており、下手な店を構える鍛冶職人よりも余程良い腕前をしているのだが、周囲からの認識があくまでも『ギルレインの弟子』と言うモノでしか無く、また本人も最低でも師匠たるギルレインの足元程度に追い付けなくてはとてもでは無いがやっていけない、と思ってしまっている為に未だに独立するつもりが無い様子。


 しかし、腕前としては既に相当なモノとなっており、彼が以前バザールにて品比べに出していた武具も、本来ならばシェイドが扱った様に灰になって燃え尽きる、と言った事態には普通はならない程度には高性能なモノを製作する事が可能となっている。



 なお、本人にその自覚は無いが、職人の間では『ゾンターク』と名前を出せば『一角の職人である』と認識されている程度には知名度が在る。



『ギルレイン』



 当代の『名工(マスタースミス)』。頑固で偏屈な鍛冶職人。



 普段からして酒浸りなドワーフ族の老人。持ち前の超絶技巧により主人公の得物である『無銘』を打ち上げた(打ち上げてしまった?)張本人。


 髪も髭も真っ白に染まる程に高齢だが、その眼光には未だに鋭さが宿っているだけでなく、変わること無く隆々とした鋼の様な筋肉は見るものに『本当にコイツ老人か……?』と言う感想を否応なしに抱かせる。



 弟子であるゾンタークからの仲介も在った為に主人公からの依頼を受け入れたが、彼の魔力量の多さと鍛冶仕事に対する理解と興味を示した事が、引き受けた理由の大部分である事は否定出来ない。



 最近の世代では知られていない事では在るのだが、元冒険者。


 詳細は伏せられているが、全滅した所属していたパーティーは、かつて長らく停滞していたラビュリンテ近郊の『迷宮』に於いての最深攻略階層を更新する事に成功する程の手練れであった。



 本人はほぼ諦めていたが、いつか誰かがかつての仲間達の仇を取ってくれる事を願っており、ドワーフ族の鎮魂の儀で使う高級酒を密かに仕入れていた。



『フレスコバルディ』



 マーレフスミスのギルドマスター。元特級冒険者。



 マーレフスミスにスタンピードが突如として迫りつつ在った為に、『迷宮』を踏破してみせた主人公に対して参戦を要請した。


 本来であれば、それなりに抵抗できる目処が立つだけの戦力が常駐していたのだが、運悪く主人公が踏破した『迷宮』が本当に踏破されたのかを調査する為に上位の戦力が派遣されてしまっていた為に、苦渋の選択として主人公へと嘆願する事となった。



 とは言え、結果的に見ればその選択が大正解であり、結果がどうであれ唯一マーレフスミスが存続する事が出来たであろう選択をする事が出来た以上、有能である事は間違いない。


 が、主人公が捨てたハズの功績や名声を拾いきる事が出来なかったり、彼が去ってからそれらを彼へと返還したりする辺り、冷徹に自らの利益を追求する事の出来ないお人好しである事が窺える。



 とは言え、そんな彼であったが為に、渋々とは言え主人公が協力する事を是とした、とも言える。…………かも知れない。


 また、彼がカートゥのギルドマスターに就いていれば、主人公もあそこまでぐれなくても済んだ可能性も無くは無かった程度には主人公との相性も悪く無かった模様。



『アリア』



 不憫な受付嬢。巻き込まれし者。



 主人公がハシラの手配やらフレスコバルディとの会談やらとで度々登場していた『受付嬢』の正体。


 マーレフスミス本支部に於いては比較的古株であり、かつ有能であった為に半ばフレスコバルディの秘書的な立ち位置に落ち着く事となっている。



 本人的には、ギルドマスターであるフレスコバルディの秘書と言うポジションに加え、主人公の様に相手側に理の在る無茶振りを受ける事も多々在る為に様々なやっかみや嫌がらせを受けた事も在ったが、今ではその手の不埒な相手は実力行使にて黙らせる事にしていたりする。



 フレスコバルディに対しては比較的友好的な態度を取る事が多く、少なからず彼の事は憎からず思っている模様。



『オルレイド』



 ウィアオドス所属の中級冒険者パーティー。


 ギルドを訪れた主人公達に絡みに行った、典型的な昼間から酒を呑んで管を巻いている不良冒険者達。



 サタニシスの美貌と抜群のスタイルに目を付けて彼らを扱き下ろし、その後で自分達を上げてアピールしようと企んでいたのだが、その前にサタニシスから昇格試験を受ける為の踏み台として選ばれてしまい、その圧倒的な実力によって蹂躙される事となる。



 一応、全員が中級冒険者としての資格を有しており、準備と条件を整えた上で、と言う但し書きが付くが上級相当の魔物を狩った事も在る程度には腕が立つ、らしい。


 もっとも、その実力は片鱗も見せる事が叶わずにサタニシスに蹴散らされる事となったのだが。



『アルテリア』



 ウィアオドス本支部のギルドマスター。エルフ族の元冒険者。


 シェイドとサタニシスに対して、中級への昇格試験として交易路の一つを占拠していた盗賊団の殲滅を依頼した張本人。



 他の人種からは二十歳そこそこの青年にしか見えないが、本人は自らの事を『老人』と形容する程度には歳をとっているらしい。



 本人曰く、報酬に釣られてギルドマスターを引き受けた、との事であったが、肩の凝る書類仕事ばかりで現場が懐かしく思えている模様。


 また、ギルドマスターとして引き抜かれている以上は一定以上の階級であったのだと思われるが、本編にて描写が無い為に正式な元階級は不明。




『ガヴォルク』



 ドワーフ族の行商人。シェイド達の雇い主。



 主人公達がレオルスクへと向かう際に、一般的な手段として『隊商の護衛』と言う形を取った際に雇い主として選んだ行商人。


 ハシラとのいざこざに巻き込まれる形となったが、元々知人がハシラの被害に遇っていた事と、巻き込まれはしたが自分の隊商に被害が一切無かった為に、主人公に対しては感謝しかしていない。



『ジェノス盗賊団』



 レオルスクとクロスロードを繋ぐ街道を半ば封鎖する形で占拠していた盗賊団。


 規模としては三十人程度の中規模な盗賊団であったが、上手い具合に小規模で護衛をケチって着けなかった様な隊商や行商ばかりを狙いつつ、ある程度の頻度で目溢して存在の発覚を先延ばしにしたり、敵いそうに無い冒険者の影が見えた段階で拠点を入れ換えたりと、(こす)い悪知恵ばかりが回って被害を拡大させていた。



 が、主人公とサタニシスの手によって一人残らず殲滅される事となる。



 しかし、結果だけを見れば、反逆者へと変貌してから唯一彼の『心』にダメージを与えた存在でもあり、サタニシスとの仲を進展させる切欠にもなった存在とも言える。



『鋼の巨人』



 ラビュリンテ近郊の『迷宮』の奥底に居た魔物(?)。現時点に於いて、得物を主体とした闘い方をする、と言う縛りを設けてはいたものの、初めて彼が本気を出した上で苦戦を強いられた存在。



 基本的には、内蔵している『対魔力機構』により外部からの魔力による干渉を無効化しつつ、持ち前の装甲の頑丈さによって相手の攻撃を無力化しつつ蹂躙する、と言う闘い方を展開した。


 が、主人公によって装甲の表面を切り裂かれ、ソコに魔術を撃ち込まれる、と言う攻撃を受けてしまった為に、装甲表面に展開されていた『対魔力機構』が無力化されてしまい、二人掛かりで総攻撃を受ける事となる。



 最終的に、使用に制限の掛かっていた『レーザー兵器』と『対地マイクロミサイル』まで使用して迎撃を試みるも、主人公が重心のズレによってバランスを崩す事で攻撃が直撃から逸れてしまった事により敗北を喫する事となる。



 なお、分類上は『迷宮』内部にて出現した事により『魔物』にカテゴライズされているが、何処からどうみても機動兵器の類いであり、かつ魔物であれば必ず落とすハズの魔石を残さなかった為に、実は違う『ナニか』だったのでは無いか?と言う説が濃厚。


 もしかしたら、調査すればあの世界の何処かに古代機械文明の存在を示唆する資料が遺されていたりするかも知れないが、今の処は未確定かつ詳細不明な事柄である。良いね?



『腕』



 主人公が『地形を変えず、かつ適度に敵が残って冒険者達が手柄を挙げられ、証拠と成る素材が残りやすい広範囲殲滅術式』として選定した『アヴィ・ゲィル』によってあの世界へと姿を現したストレンジャー。



 とは言え、別段主人公に召喚されたナニか、と言う訳では無い(『アヴィ・ゲィル』の術式自体が『世界の壁に穴を開けて異なる世界を繋ぎ合わせる』と言うだけのモノであり、術士には『どの世界と繋げるか』の選択は出来ても『その世界の存在をこちら側に招いて使役する』と言った事は不可能)ので、あまり間近な場所に展開していれば普通に主人公であっても関係無く襲い掛かって来る。



 偶々『世界の穴』が開けられた場所の近くに居り、かつソコを覗き込み、そしてその向こう側にいる『何か良く分からない存在(もしかしたら生物かも?)』に興味を引かれて『腕』を突っ込み、手当たり次第に掴んでは引きずり出す、と言う事を繰り返した。



 一度は『穴』を閉じられてしまったが、最終的に『向こう側』に見えていたが集める事が出来ていなかったモノ(ハシラ)を捕まえる事が出来たので、一応は満足している。


 その為、()()()()()()()()()()()()()にならない限りは、手に入れたモノで遊ぶ事に夢中になっているので、特に世界を超えよう、とかは考えていない。


 …………今はまだ、だが。




これにて第二部終了



次回、プロローグ的なモノを挟んでから第三部開始となる予定です

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