表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
御徒町樹里の信長公記(四百文字小説)  作者: 神村 律子
首巻 是は左京御入洛なき以前の双紙なり
62/2152

勘十郎殿・林・柴田御敵の事其漆

 行京は、左京の正室の樹里に知行として与えられた領地である篠木三郷を力ずくで奪い取りました。


「そうなんですか」


 樹里はそれも笑顔全開で応じました。


「おのれ、行京め、許さぬ!」


 左京は激怒しましたが、樹里は、


「左京様、行京殿の背後には林佐渡守と美作守の兄弟、そして、柴田権六殿がおります。お気をつけなさいませ」


 真顔で告げたので、左京はギクッとし、


「そうなんですか」


 思わず樹里の口癖で応じました。


「行京殿は川岸に砦を構え、東の領地まで奪うつもりでしょうから、こちらが先に砦を作りましょう」


 樹里の案に左京はすぐに乗りました。変な意味ではないと念を押す地の文です。


「妙な事を申すな!」


 何故か顔を赤らめて切れる左京です。


 弘治二年八月二十二日、於田井川を渡り、名塚(現在の名古屋市西区)という場所に砦を築かせました。


 砦の守りに就いたのは、佐久間大学助盛重です。


(来るなら来い、行京)


 左京は手ぐすね引いて待ち構えました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ