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御徒町樹里の信長公記(四百文字小説)  作者: 神村 律子
首巻 是は左京御入洛なき以前の双紙なり
41/2152

山城道三と左京御参会の事其陸

 左京はようやく座敷に入りました。


 やがて、堀田道空が湯漬けを出しました。


 左京と斎藤山城守道三は一言も話さず、盃を交わし、対面は終了しました。


 道三は憤懣やる方ない感情を押し殺して、再会を約束し、席を立ちました。


 左京は、道三が帰るのを二十町(およそ二・二キロメートル)程見送りました。


 その時、美濃衆の槍は短く、尾張衆の槍は長く、道三はそれを見比べて、ムッとした表情で無言のまま、帰って行きました。


(ざまあ見ろ、美濃のまむしめ!)


 左京は心の中で叫びました。道三にすぐに伝えようと思う地の文です。


「やめろ! 戦になるぞ!」


 誰よりも口が軽い地の文に顔を真っ赤にして切れる左京です。


 


 茜部あかなべまで戻った時、家臣の猪子いのこ高就たかなりが、


「織田三郎左京殿はやはり噂通りの大うつけでありましたな」


 すると道三は、


「その大うつけの門前に我が息子達は馬をつなぐ事になるであろう」


 それ以降、道三の前で左京をうつけ呼ばわりする者はいなくなったそうです。

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