表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
御徒町樹里の信長公記(四百文字小説)  作者: 神村 律子
首巻 是は左京御入洛なき以前の双紙なり
39/2152

山城道三と左京御参会の事其肆

 噂通りのふざけた格好をしてきた左京を見て道三のお付きの者は、


「それ見た事か」


 口々に言い合いました。道三も左京のうつけぶりがまさに本物であったと思い始めてしまいました。


 ところが、左京は寺に着くなり、周囲を屏風で囲わせ、髪を整え、どこに隠し持っていたのか、褐色の長袴を履き、知らぬ間に作らせていた見事な拵えの小刀を差しました。


 猿のできあがりです。


「違う!」


 どうしても西遊記を復活させたい地の文に左京は切れました。


 それを見た道三のお付きの者達はあまりの変貌ぶりに肝を潰し、あのうつけぶりは全て偽りであったかと思い知らされました。


(どうだ、参ったか、美濃のまむしめ)


 左京はドヤ顔で御堂へ進みました。でも、本当は全部正室の樹里の授けた知恵なのは内緒です。


「頼むから内緒にしてくれよ!」


 すぐにバラしてしまう地の文に血の涙を流して切れる左京です。


「そうなんですか」


 遥か尾張の地で夫の左京の晴れ姿を思い浮かべる樹里です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ