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三ノ山赤塚合戦の事其肆
合戦は一進一退を繰り返す状態になりました。
巳の刻(午前十時前後)から午の刻(正午前後)まで、打っては退き、また負けじと攻めかかる乱戦です。
槍で討ち取った敵は萩原助十郎、中島又二郎、祖父江久介、横江孫八、水越助十郎です。
敵味方があまりにも近かったために、双方共に討ち取った敵の首を獲る事はできませんでした。
左京方で討ち死にしたのは三十人でした。
左京がその中に入っていなかったのがとても残念な地の文です。
「ふざけるな! 俺は主役だ!」
意味不明な事を叫ぶ元猿です。哀れです。
「前々世の話はよせ!」
過去にこだわる地の文に切れる左京です。
荒川又蔵は生け捕りにし、赤川平七は敵方に生け捕りにされました。
乱戦はその後も続き、数刻に及びました。
この合戦で、山口教吉は上槍でした。その頃は、上槍・下槍という事がありました。
意味はよくわからないと結論づける地の文です。
どなたか、史実をご存知の方、ご一報ください(作者より)




