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物の怪、最後の争いを仕掛ける事其参拾弐
岐阜城のそばに現れた徳川家康の軍は多くが鉄砲隊です。
「構え!」
家康が号令をかけました。鉄砲を持った兵達が一斉に岐阜城へ狙いを定めました。
「放て!」
家康が命じました。一千の鉄砲が同時に火を吹き、岐阜城へ弾が放たれました。
「姫巫女流古神道奥義、神剣乱舞十重二十重!」
どこからか声が鳴り響くと光の刃が弾丸を次々に叩き落としていきます。
「次、放て!」
家康は遠い目をしたままで命じました。弾を込め直した兵達が再び鉄砲を構えました。
「はあ!」
薫、篝、鑑、葵、美咲、茜が飛び出し、鉄砲を脇差で叩き落としていきます。
「やれ!」
家康は足軽達にくノ一を斬るように命じました。
「わあ!」
足軽達は槍や刀を振るってくノ一達に襲いかかりました。しかし動きが違い過ぎ、足軽達は次々に倒されました。
『城内へ乗り込め』
建内宿禰の声がして鉄砲隊と足軽隊の半分が根の堅洲国へと消え、家康もそれに続きました。
くノ一達はすぐに城へ走りました。




