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御徒町樹里の信長公記(四百文字小説)  作者: 神村 律子
首巻 是は左京御入洛なき以前の双紙なり
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備後守病死の事其参

 織田等京の葬儀は盛大で、焼香の長い列ができました。


 嫡男である左京はしかめっ面をしていつも通りの姿で、長刀と脇差を縄で巻き、髪は相変わらず茶筅に立てて、袴も履いていません。


 それでは安心できませんね。


「ギャグじゃねえよ!」


 時代考証を無視した地の文に時代を超えて切れる左京です。


(何故もう少し生きてくださらなかったのです!?)


 左京は祭壇に飾られた等京の遺影を睨みつけました。


「この時代に遺影があるか!」


 時代考証を続けて無視する地の文にもう一度切れる左京です。


「おお!」


 周囲の者が目を見張りました。左京は抹香を鷲掴みにして、祭壇に投げつけたのです。


(何と嘆かわしい事を!)


 それを見ていたお付きの家老衆は肩を落としました。


 左京はそのまま立ち去りました。続いて焼香をしたのは、弟の行京です。


 行京は仕来り通りに焼香をすませ、列席した人達の賞賛の眼差しを受けました。


「これで跡目は決まりであろう」


 皆がそう思いました。

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