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備後守病死の事其弐
織田等京は、加持祈祷の甲斐もなく、わずか四十二歳の生涯を閉じました。
死因は嫡男の三郎左京が一服盛った毒でした。
「違う!」
あまりにも容疑の濃厚な左京は酷く動揺して地の文に切れました。
(早く父上のようになりたいとは願ったが、死んで欲しいとは思っていない)
左京は早過ぎる父の死を上辺だけは悼みました。
「心の底から悼んでるよ!」
何よりも捏造が大好きな地の文に更に切れる左京です。
供養のために建立された寺は、◯っちゃけ寺と名付けられました。
「それも違う!」
軽いボケをかました地の文に激ギレする左京です。
「万松寺だよ!」
訊いてもいないのに正解を言う左京です。
葬儀には国中の僧侶が集められ、諸国を巡っている修行僧達も数多く招き、その数は三百を超えたそうです。
左京の葬儀には多分誰も来ないと思う地の文です。
「余計なお世話だ!」
あくまでも真実を追求する地の文に切れる左京です。
左京は三人の供を連れて葬儀に出席しました。




