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御徒町樹里の信長公記(四百文字小説)  作者: 神村 律子
首巻 是は左京御入洛なき以前の双紙なり
154/2152

いなは山御取り候事其参

 八月十五日、稲葉山城の兵は皆降参して、斎藤龍興は、飛騨川の続きなので、舟で河内の長島に命からがら逃げ出しました。


 こうして、左京は、美濃の国をまるまる支配下に置き、尾張の国の小牧山から稲葉山に引っ越しました。


「井口というのはよろしくない」


 左京はそう思い、政秀寺の僧侶であった沢彦宗恩に相談し、中国の故事にある「岐山ぎさん」と「曲阜きょくふ」を併せ持つ「岐阜」に改名しました。


 勿論、これもまた正室の樹里の提案なのは言うまでもありません。


「だったら言うんじゃねえ!」


 血の涙を流して地の文に切れる実は非常に小心者の左京です。


 そして同時に稲葉山城を岐阜城と名付けました。


「それは俺の発案だ!」


 地の文が何も言っていないのにドヤ顔で言い放つ厚顔無知この上ない左京です。


「ううう……」


 くノ一の三人に白い目で見られ、項垂れる左京です。


 中でも美咲の冷めた目は左京の身にこたえました。


「そうなんですか」


 それでも樹里は笑顔全開で応じました。

 

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