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御徒町樹里の信長公記(四百文字小説)  作者: 神村 律子
首巻 是は左京御入洛なき以前の双紙なり
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二宮山御こしあるべきの事其壱

 上総介左京には、優れた企みがありました。


 もちろん、本当は全て正室の樹里が考案したのは断じて内緒です。


「だから内緒にしてくれ!」


 滝のような血の涙を流して地の文に懇願する左京です。


 清洲という場所は、尾張の国の中央にあり、金持ちがたくさんいる下衆な土地柄です。


「身も蓋もない事を申すな!」


 さらに血の涙を流して地の文に切れる左京です。


 ある時、身内の衆を全員同行し、山中の高山、二の宮山(現在の愛知県犬山市)に登りました。


「この山に城を造るぞ」


 樹里に教えられた通りに命じる左京です。


「ううう……」


 真実を明かす地の文のせいで這いつくばる左京です。


「誰も彼もここに家を移せ」


 左京は命じました。どの峰に誰の家、どの谷に誰の屋敷と、事細かに告げました。


 その日は帰り、また出かけて行って先だっての命令を告げました。


「この山中に清洲から引っ越さなくはならないとは難儀な事だ」


 家老から下っ端の足軽に至るまで、迷惑がりました。

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