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於久地惣構破るるの事
永禄五年六月下旬、左京は於久地(現在の愛知県丹羽郡大口町)へ出陣しました。
お小姓衆が先陣となって総構えを打ち破り、押し入って、数刻の間散々に戦いました。
お味方には十人程怪我人が出ました。
左京の若衆(男色の相手)として仕えていた岩室長門は、こめかみを突かれて討ち死にしました。
余人を以って代え難い程の人物でした。決して都連幹事長ではありません。
「とれんかんじちょうとは誰だ!?」
意味不明なボケをかます地の文に切れる左京です。
左京は長門の死を大変惜しみました。
樹里より好きだったようです。
「そ、そのような事はない!」
核心に迫ろうとした地の文のせいで、激しく動揺して叫ぶ左京です。
「そうなんですか」
それにも関わらず、樹里は某新都知事と同じく、余裕の笑顔全開です。
「ひいい!」
その樹里の笑顔を見て、左京は引きつり全開です。
(もう若衆は置かぬ)
心の中で強く決意する左京ですが、多分すぐに忘れると思う地の文です。




