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御徒町樹里の信長公記(四百文字小説)  作者: 神村 律子
首巻 是は左京御入洛なき以前の双紙なり
108/2152

天沢長老物かたりの事其弐

 武田信玄に促された天沢和尚は、おもむろに口を開きました。


「織田三郎左京公は、毎朝、馬にお乗りになります。また鉄砲のお稽古もなさいます。師匠は橋本一巴です。市川大介を招いて弓の稽古もなさいます。いつもは平田三位という者を近くに置いており、兵法の師匠です。鷹狩りにも頻繁に出かけられます」


 信玄はふむふむと頷きながら、


「左京殿はその他に好きなものはあるのか?」


 天沢は即座に、


「舞と小唄がお好きです」


 信玄は興味が湧いたのか、身を乗り出して、


「幸若舞の師匠が来るのか?」


 天沢は微笑んで、


「清洲の町人で、友閑と申す者をたびたび呼び寄せて、舞われます。敦盛を一番舞う他は、舞われません。『人間五十年、下天の内を比ぶれば、夢幻の如くなり』とお唄いになりながら、舞われます。また、小唄をよくお唄いになります」


「珍しいものを好きなのだな。それはどのような唄か?」


 信玄はますます興味を惹かれたのか、更に身を乗り出して尋ねました。

 

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