12-56 不審船
旅支度を整えたローランは仲間の手を借りて鋼鉄の義手を装着した。シュウ王国オウリョウの技術者が開発した最新型の魔法工学製の義手は、装着者の精神力に反応して内部機構が動き、ぎこちなくはあるが指先が稼働する。
精密な動作が可能で、特訓の末、洋服のボタンを留めるぐらいの日常生活は楽々とこなせるようになったが、激しい戦闘には耐えられないのがネックだ。
戦闘用の義手のためある程度の耐久性も期待できるのだが、残念ながらローランの戦闘は技術者が想定したラインを軽々と越えている。ゲオルギウスとジャイルズとの戦闘によって内部の機構が壊れてしまった瞬間、この左腕は人の形をしただけの飾り物となってしまった。
だが、幸運にもここは『科学者』ノーザンの研究所。魔法工学の祖にして到達点が残してきた知識と技術の宝物殿である。ローランが治療を受けている間に義手も修理が施されていた。
それどころか、改良まで加えられているのだ。
以前に比べて指の可動域が広がり、エネルギー効率が向上していてより少ない精神力で動かせるようになり、その上、これまでに無かった機能まで付けたされていた。
五指が別々の生き物のように蠢くのを、仲間であるマクスウェルが不気味そうに見つめていた。
「気持ちわるいのう。幼少の頃に見た、瀕死の蜘蛛がもがいているのを思い出すわ」
「心外な例えをしないでくれるかな、若作り爺。……それより、君たち。もう出発の時間だと言うのに、その体たらくはどうしたんだ」
義手の動作確認を終えたローランは、自分の荷物を背負うと仲間達の方を振り返った。レイ達と同じ作りの部屋を宛がわれた《神聖騎士団》の面々は、腰を下ろし、疲れ切った様子を隠そうともしていない。これがS級冒険者が率いるパーティーだと知れば、誰もが驚きで目を疑う事だろう。
槍使いが億劫そうに顔を上げて文句を口にした。
「うるせぇよ。お前さんは、昨日まで休んでいられただろうけど、こっちは色々とあったんだよ」
槍使いの言葉にローランを除いた《神聖騎士団》のメンバーから次々と同意の言葉が上がった。語気は強くないが、言葉には湿った恨めしい感情が含まれており、ローランは眉を顰める。
「何かあったのは分かるが、本当に何があったんだ? レイ君たちに聞いても、答えてくれないんだ。皆一様に暗い顔して、押し黙って足早に立ち去ってしまうんだ。いいかげんに教えてくれないか」
「……この世界には知らない方が幸せってこともあるということじゃ」
「試行錯誤の異世界とか、エルドラドの神々が12柱だったこと以上に知らない方が幸せってなんだ?」
戸惑うローランだが、仲間達の様子からそこまで深刻な内容では無いのだろうと推測した。本当に知るべき内容なら、マクスウェルが話をするはずだ。
自分は肉体労働担当と割り切っているローランは、呼吸一つで疑問をそぎ落とす。この辺りの割りきりの良さも、ローランが若くしてS級冒険者に到達した理由である。
「それじゃ、今後の目的を再確認したい。マクスウェル、《神聖騎士団》はレイ君たち《ミクリヤ》と協力関係を結び、法王庁の調査を始めるので良いんだな?」
スイッチを切り替えるように場の空気が変わる。『三賢』の一人であるマクスウェルが居住まいを正すと、パーティーの方針を明確にした。
「うむ。彼らの分析通り、法王庁はエルドラドの神々が12柱であった事実を隠蔽するための情報機関であったのは間違いなかろう。ゆえに、法御庁内部には真実が眠っている可能性はあると儂は睨んでおる」
ローランが治療を受けている数日間で、《神聖騎士団》は《ミクリヤ》と『機械淑女』ポラリスから、自分たちの世界の真実、クロノの正体、13神に紛れ込んだ『黒幕』の存在など、衝撃的な真実を全て聞かされていた。
どれも俄かには信じがたい内容ではあるが、ポラリスがこれまでに収集してきた記録映像や歴史的事実、人間に転生したクロノの存在、赤龍や『ハヅミ』といった世界を管理する側が否定できなかった事など、様々な証拠を繋ぎ合わせると、事実であると認めるしか無かった。
回復ポットでの治療は終えたが、内臓の損傷が激しく安静を余儀なくされたローランにも同じ内容の説明がされ、モニター越しではあるが全員で話し合いを繰り返した結果、過去の法王庁に『正体不明の娘たち』本人か、協力者が潜りこんでいるのは濃厚だろうという結論に達した。
「お主らも知っておるように、法王庁には神にまつわる遺物を蒐集する部署が今もあり、活動を続けておる。法王庁が神々の数を誤魔化しておるために存在するのならば、遺物募集部門に何かしらの手がかりがあるはずじゃ」
無神時代以前のエルドラドは、宗教形態が現在とは大きく異なっている。エルドラドを管理する神々を今のようにひとまとめに信仰せず、それぞれの神の信徒を名乗る教団が複数存在していた。教団同士で対立しており、教団内部でも信仰の在り方や作法、解釈を巡り分裂や消滅を繰り返していたという。
遺物募集部門は、この時代に作られた神に関する書物や伝承、美術品などを蒐集し、編纂して世に送り出す部門である。神の数を偽る役目を直接的に担っているのは、間違いなくこの部門だろうとマクスウェルは見当をつけていた。
「そしてもう一つ。儂らが調べるべきなのは……現法王じゃ」
躊躇いがあったのは、ローランへの気遣いだ。
現法王フランチェスカ・ブルクアイはローランの妹である。
妹といっても、血の繋がりがある訳では無く、共に暮らした時間は二年にも満たない。
二人は先代法王のバディダス・ブルクアイが私設で運営していた孤児院の出身である。歳は十も離れており、ローランは『聖騎士』候補として幼い頃から特別な教育を受けていたこともあり、フランチェスカとの間に強い繋がりは無い。
だが、ローランにとっては、尊敬し敬愛しているバディダスのひざ元で育った兄妹であると言うだけで、特別な対象である。
そんな彼女に疑いを向けると口にすれば、ローランがどんな反応を示すのかは全員が理解していた。
「ローラン。そんなふくれっ面をしないでください。マクスウェルが困ってしまうでしょ」
『聖女』ミストラルの言葉に仲間が頷いた。
ローランは固く組んだ拳を開くと、鋼の指で自分の頬を揉む。
「……そんなに表情に出ていたか?」
「ええ、それはもう。海の魚が陸に打ち上げられたかのように膨れてたわ」
「妙な例え方をするのは流行りなのかい? ……すまない、マクスウェル。話を続けてくれ」
「うむ。フランチェスカ法王を調べる理由は言わずもがな。彼女が聞こえる神の声が偽りの可能性があるからじゃ」
先代法王が死去した時、十歳にも満たない少女が法王に選ばれたのは彼女の特殊技能が原因だ。
フランチェスカ・ブルクアイは神託を賜れる。
彼女は無神時代にありながら、神の声を聞けるという触れ込みで法王の座に祭り上げられた。
だが、それがあり得ないと指摘したのは、他ならぬ神だった。
「クロノス様、とお呼びしたいところじゃが、彼女の意志を尊重してクロノ殿と呼ぼうか。あの方の言葉によれば、無神時代において神が人と言葉を交わせるのは聖域のみ。それも自らが招いた『招かれた者』とだけじゃという。つまり、エルドラドの民が神より言葉を授かるのは、この無神時代では不可能ということになる」
「でも、フランチェスカ法王の予言は当たるわ。法王の予言が現実になろうとしているのを、何度も目の当たりにしたでしょ」
ミストラルの言葉に仲間が頷く。《神聖騎士団》は冒険者のパーティーである以前に、法王庁の武装神官でもある。それも法王の直轄部隊のため、法王の予言によって危険が迫る土地に赴き、起きたトラブルを対処したのは一度や二度では無い。
この北方大陸に赴いたのも、法王が賜った神託が関係しているのだ。
「その通り。法王の予言は的中率が高い。じゃが、エルドラドの民が神の言葉を聞くことは出来ないとなれば、考えられるのは二つ。一つは法王の予言とは未来予知系の技能という可能性。しかし、これは違うであろう」
自分で口にした可能性を、マクスウェルはすぐに否定した。
未来予知系の技能は貴重な力ではあるが、歴史を振り返れば数こそ少ないが前例はある。研究は既になされており、未来予知系の技能に弱点があるのも判明していた。
未来予知系の技能は的中率が高いほど、起こる未来を変えることは不可能になる。誰かが死ぬ未来を明確に予知してしまうと、それ以外の未来を消してしまうのと同じだと、ある研究者は語る。
「法王の予言は的中率が高いが、起きる悲劇を儂らが防ぐことが可能じゃ。儂らが防ぐことまで織り込み済みの未来予知という可能性も否定できんが、これまで研究されて判明しておる未来予知系の技能と齟齬がある。よって、未来予知系の技能という可能性は低い」
自らの考えを整理するように語りながら、マクスウェルは二つ目の可能性―――考え得る中で最悪の可能性を口にした。
「法王が口にする神託が、おとうさまから受け取った言葉ならば筋が通る」
おとうさまが13神の一柱で、法王庁の本拠地である聖都に聖域があり、法王が『招かれた者』であるならば、なんら不思議はない。レイがエルフの里でクロノスと言葉を交わしたように、『招かれ者』と13神は言葉を交わすことができる。
なんら不思議はないが、この方程式が成立するなら法王の正体がある存在であるというのを示唆していた。マクスウェルが口ごもったのも、それが理由である。
仲間達の沈黙を破ったのは、ローランだった。
「つまり、フランチェスカ法王こそ、『正体不明の娘たち』である可能性が高いということだな、マクスウェル」
「……否定はせん。『正体不明の娘たち』は本物のエルドラドの民であることを考えれば、広義の意味で『招かれた者』であるのは間違いなかろう。ならば、聖域でおとうさまと言葉を交わせるのは道理である。……もしかすると、法王の周囲を固める側仕えが、おとうさまの言葉を法王に吹き込んでいる可能性もあるがのう」
「どちらにしても、法王かその周囲に『正体不明の娘たち』が居るのは間違いないか」
神の中に偽りの神が紛れ込み、法王庁の上層部は偽りの神の傀儡に支配されている。
自分たちの信仰を根底から崩しかねない事実ではあるが、《神聖騎士団》の面々はそれほど驚いてはいなかった。確かに、13神の中に偽りの神が存在する事や、この世界が神のみている夢というのは驚きに値する内容ではあったが、現在の法王庁が信頼に値しない組織になっているのは知っていたのだ。
法王庁を堕落させ、権力の魔力に囚われたのは枢機卿達ばかりと思っていたが、まさか、法王自身が世界を崩壊させるたくらみに加担しているのは予想外ではあった。しかし、驚きも動揺も、既に心の中で整理を付けている。
弾き絞った弓に番えた矢のように、あとは的を射抜くだけだと、ローランは覚悟を決めていた。
「儂は《ミクリヤ》と共に、過去の資料か法王からおとうさまの存在に迫るべく聖都へ向かうべきだと感ておる。じゃが、それは場合によって、法王庁と敵対することになるが、お主たちはそれでよいのか?」
《神聖騎士団》に属してはいるが、マクスウェルは武装神官では無い。法王庁に対して恩義も未練も感じておらず、『三賢』として『招かれた者』の役に立つという自らの役目を果たすのに何の抵抗も感じてはいない。
だが、《神聖騎士団》の大半は法王庁に育てられた武装神官たちで、古巣と敵対する行為に躊躇いがあるはずだと尋ねた。
「いまさら何を言っているの? その事については結論が出ているでしょう」
「だな」「そうそう」
ミストラルの言葉に仲間が同意を示す。代表するようにローランが言葉を引き継いだ。
「僕たちは、僕たちが思う正しいということを為すだけだ。少なくとも、今はレイ君たちと共に進むのが正しいことだ」
迷いはない。法王庁に巨悪が紛れ込んでいるなら、それを正すのが自身の務めである。
全員が頷くと、タイミングを見計らったかのように天井から声が流れた。
「伝達。《ミクリヤ》の方々は既に部屋を退去されています。《神聖騎士団》の方々も準備ができ次第、南部方面資源掘削場に向かってください」
「おっと、レイ君たちを待たせてしまいそうだな。それじゃ、行こうかみんな」
異口同音の返事が部屋に響いた。
「すまない、レイ君。待たせてしまったかな」
案内に従って研究所を進んだローランたちは、南部方面資源掘削場と呼ばれる場所にたどり着いた。そこは研究所の中でも地下深い場所にあり、鉱山や資源回収のために人や道具が持ち込まれている迷宮と似た雰囲気があった。
既に、レイ達は旅支度を終えて集まっていた。
ようやく外に出れるのが嬉しいのか、喜ぶキュイをレティとエトネが落ち着かせようと手綱を握り、シアラとクロノが本を開きながら顔を寄せ合い、リザとヨシツネが雛馬車の荷物を確認している。
そんな仲間達を見守るように離れた場所に立っているレイの足元には、赤いスライムが纏わりついていた。
「いえ、僕たちの方が早くついてしまったようです。ご覧の通り、ノーザンもポラリスも来ていませんから、まだ時間はありますよ」
「どうやらそのようだね。それにしても一体、どうやってここから南部の入り江まで行くのやら。研究所の位置はともかく、これだけ深い場所だと、湖の下にあった都市よりも深い場所かな」
「レールがあるからトロッコとかで運ぶんでしょうかね? それともまさか……いやいや」
ローランの治療に目途が付き、レイ達も目的を果たした為、研究所を離れることを決めたのだが、問題が浮上したのだ。
それは、北方大陸からどうやって脱出するのか、という問題だ。
当初の計画では、調査船はレイ達を残して一度帰還し、改めて船を出す手はずだった。『機械乙女』ポラリスの機能停止や『科学者』の研究所が北方大陸にあるのを隠すための細工であったが、予想以上に速く目的を果たしてしまった。
学術都市に戻った調査船を待って無駄に時間を過ごすぐらいなら、ローランたちが北方大陸に渡った時のように、大陸沿いを進んで、島から島へと小舟で移動して移動する方が良いのではないかと話し合いをしていると、ポラリスが奇妙なことを報告したのだ。
何故か、レイ達を乗せて北方大陸まで渡ってきた調査船が南の入り江に停泊していた。それも一隻だけ。
ノーザンが残した監視衛星の記録を遡ると、もう一隻の調査船は予定通りの日程で帰路に付いているのだが、どういう訳かもう一隻は残っていた。何かあったのかと魔水晶で連絡を取るも、調査団のリーダーであるエスラからの反応は無かった。
衛星の写真では入り江に人影はあるが、吹雪の影響もあって、これ以上の情報は手に入らなかった。
何か起きているのは間違いないが、それが何なのか不明な状況。レイが下した結論が、南の入り江に戻り、様子を窺うということだった。
ローランたちもそれに同道し、状況によっては調査船で聖都近くの湾岸まで行ってもらい、あとは小舟で上陸するという計画だ。
「あれ? そういえば、龍刀はどうしたんだい?」
レイの腰にあるはずの物が無いことにローランは気づいた。普段なら異様な気配を放つ武器がそこには無かった。
「龍刀ならノーザンに預けました。なんでも、改造をしてくれるって話しで。予定じゃ、ここに持ってくるはずなんですが」
「預けたって、あれは魔道具だろう。僕の義手と違って魔法工学の研究者がどんな改造をするんだ?」
「僕も不思議に思ったんですけど、龍刀に改良を加えるって。どんな風になるのかは、当日までの楽しみに取っておけって。あれ、なんだか不安になってきたな……判断を誤ったかな」
「憤慨。ノーザンの技術が不安視されるとは」
背後からの声に振り返ると、ノーザン・オルストラの形をしたロボットが、メイド服のポラリスを伴って南部方面資源掘削場に姿を現した。手にはレイの龍刀が握られていた。
その龍刀を、ノーザンは放り投げる。
「ちょ、おい! 人の武器を簡単に投げるな」
文句を言いつつも軽々と受け取ると、レイは龍刀の違いに目を細めた。
「……鞘が……違うのか」
「正答。手を加えたのは鞘のみだ。だが、以前よりも扱いやすくなっている筈だ。論より証拠、まずは抜いてみろ」
「ちょっと待って! 主様が龍刀を抜いたら大変なことになるわよ!」
シアラの言葉に反応して空気がざわつく。
龍刀はフィーニスの血を浴びたことにより、禍々しい進化を遂げている。不用意に抜けばレイの腕をも炭化させてしまう危険極まりない武器へと進化していた。
しかし、それを十二分に理解している筈のレイが龍刀の鯉口を切った。
鞘に押し留められた熱気が室内を炙るが、それも一瞬だった。
レイが抜いた龍刀は、黒よりも濃い闇を固めた色合いから変化していた。
鮮やかにして、烈しい紅蓮の輝きを取り戻していた。
刀身から炎は噴きあがるが、色は鮮やかな緋色で、右腕を食いつぶそうとする暴威は欠片も感じられなかった。
「僕の意志に従っているな。フィーニスの血で強化される前の状態に戻したのか?」
「それじゃ、改良じゃなくて劣化じゃない」
「傾注。批判は話を聞いてから行え。私が改良を施したのは鞘だと言ったはずだ。鞘の内部に、刀身を納めると特殊な耐熱ジェルを塗布するように改良したのだ」
「刀身の表面に耐熱ジェルを? それじゃ、紅蓮に輝いて見えるのは、ジェルの色が反射しているのか」
「解説。龍刀コウエンは当代きっての刀鍛冶が、赤龍の肉体と伝説の鉱石、そして魔人種の血を用いて生み出した傑作だ。加えて、偶然が絡み合い『魔王』の血を浴びたことで更なる進化を遂げた、地上に存在する奇跡と呼んでも過言では無い。仮に、この場に創造主ノーザン自身が居たとしても、この刃その物に改良を加えることは出来ないだろう」
「随分と褒め称えるな」
「事実。否定しようがない事実だ。ゆえに、改良を加えられる箇所は鞘だけで、付け加えた機能は運用性を高める耐熱ジェルだ。刀身に一定の耐熱ジェルを塗布することで、刀身の発する異常な熱量を抑えることが可能。切れ味も炎を出すのも阻害しない」
言葉通り、龍刀の刀身から緋色の炎は噴きあがり続ける。刃を振るえば、空を切る音が鋭く響く。音だけで、レイの技量が上がったのをローランは見抜いた。
「時間。耐熱ジェルは限界がある。熱量を上げて行けば、刀身が元の漆黒に戻っていき、本来の熱を発するようになってしまう。防ぐなら、鞘に納めればいい」
「鞘に納めれば、耐熱ジェルはまた塗布されるのか?」
「肯定。連続して塗布するには刃の温度がある程度下がる必要はある。ほかにも注意すべきポイントを出力しておいた。確認しておくように」
ポラリスから厚みのある紙の束をレイは受け取ると、ノーザンは続けた。
「報告。南の入り江に変化が起きたのを確認。今朝、新たに船が一隻、入り江に停泊した。航路からすると、法王庁関係者の船だが詳細は分からない不審船だ」
読んでくださって、ありがとうございます。
ローラン治療中に起きたトラブルは、閑話で公開予定です。
次回の更新は6月2日頃になります。




