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試行錯誤の異世界旅行記  作者: 取方右半
第12章 大陸の果て
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12-24 魔人種の国

 分厚い氷で隠されていた都市は、時間の流れから隔離されたかのような静謐さに満ちていた。天に向かって伸びる尖塔が特徴的な街並みは異国情緒に溢れ、こんな時で無ければ観光がてら散策してみたくなる。


 これまでレイが旅してきた都市で、最も活気があったのはシュウ王国のアマツマラで、最も進歩していたのは学術都市だが、この都市は最も美しい都市と言えた。


 だが、美しい街並みは都市の外周部分だけだった。


「……ひどい」


「……ああ、まったくだ」


 感情を絞り出すように呟いたエトネにレイは同意した。


 色彩豊かな街並みは、中心方面へと歩くにつれて廃墟と化していく。


 半ばで崩れ落ちた建物。


 爆発で抉れた道路。


 溶けて飴細工のように歪む窓。


 激しい戦闘がここであったと物語る破壊の痕跡がレイ達を待ち構えていた。


 不思議なのはこれだけの破壊の爪跡があって、遺体のような物は一つも見つからない事だ。


 湖上とは打って変わって汗ばむ妙な空気も相まって、言葉にできない不気味さがレイ達にまとわりついていた。


 歩きだしてから数時間は経過していて、無視できない疲労が蓄積されつつあったレイ達は、速度を緩めながら周囲の調査に乗り出した。


「どの建造物も痕跡、大分年代が古いようでござる」


 今にも崩落しそうなほどひび割れた壁を検分していたヨシツネが、顔を上げて報告する。


「昨日、今日の出来事じゃないって事か。それで古いって、どれぐらいだ」


「はてさて。もう少しばかり時間を下されば、ある程度は絞れるでしょうが。……少なく見積もっても百年以上は前かと」


「そんなに古いんだ。でも、無事な部分を見ると、まるで新品みたいに綺麗だな」


 無事な壁を手で叩く。返ってくる衝撃は固く、作られてから百年以上経過した建造物のようには思えなかった。


「失礼、レイ様」


 すると、何を思ったのかリザが剣の柄に手を触れると、目にも止まらぬ速さでレイの叩いた壁に斬撃を放った。一陣の風と呼ぶには荒々しい暴風と、金属をぶつけ合ったような音が響いた。


「おいおい。いきなり何を……こいつは」


 言葉が途中で途切れてしまった。


 リザの斬撃を浴びてもなお、壁に傷は付いていなかった。精霊剣を鞘に納めると、リザはしびれた掌を見つめながら感触を報告した。


「壁の材質は、おそらく土でしょう。ですが、普通の土壁とは違った強度です。内部に特殊な素材を混ぜているというよりも、外側を何かで包んでいるようですね」


 そして、言葉を選ぶように沈黙してから告げた。


「……強度に関して言えば、学術都市にある私達の屋敷と同程度です」


 リザの言葉に事情を知る者達は息を呑んだ。


「……屋敷並の強固さって……それじゃ、やっぱり。この都市が……シアラ?」


 北方大陸にある文明都市。魔人の血で魔道具となった屋敷と似た建物。そして、何か大きな災害によって滅ぼされたような、崩壊の爪跡。


 事実を並べ繋げるだけで、直感的にこの都市の正体が理解でき、シアラに確認を取ろうとすると、当の本人はいつの間にか仲間から離れ走りだしていた。


「シアラ、一人になるのは危険です。戻って下さい!」


 リザの言葉を振り切るように、彼女は走る。


「流石に、一人で行動されちゃまずい。僕が追いかけるから、皆は周囲を警戒しながら進んでくれ」


 指示を出すと、レイも走り出した。


 シアラとレイの脚力では、レイの方が圧倒的に早い。だが、彼女との距離は容易に縮まらなかった。先に走り出したアドバンテージもあったが、シアラの動きに迷いが無かったのだ。


 瓦礫まみれの道路を突然曲がり、普通なら気づかないような抜け道を通る。


 まるで、この場所がどこで、どこを通れば最短なのか知っているかのような迷いのなさだ。


 その姿に、レイは確信を深める。


「おい、シアラ。一人で先走り過ぎだ。どこにゲオルギウスが待ち構えているのか分からないんだから、気をつけて……シアラ?」


 ようやく足を止めたシアラの肩を掴む。超級モンスターですらたじろいでしまう魔法を操るとは思えないほど細い肩が震えていた。


 金色黒色の瞳を照らすのは、夜を塗りつぶすかのような漆黒だ。


 その色に、レイは龍の息吹を思い出す。


「ここよ、主様。ここが……ワタシの家」


 視線は前に固定されたまま、シアラはポツリと呟いた。彼女の視線を追って前を向いたレイは、眼前に広がる光景に絶句した。


 かつては、巨大な屋敷があったのだろう。


 人の背丈を軽々と越える鉄柵が城壁のように聳え、隙間から見える庭は手入れする職人が苦心して作り上げた芸術作品めいた出来栄えだ。豪華絢爛と表現するに相応しい意匠の建物は、この美しい都市でも一際輝いていた。


 そんな光景が、漆黒の炎に食いつぶされた残飯めいた残骸からでも想像できる。


 中心部分が吹き飛び、辛うじて基礎が残る屋敷の表面を覆う漆黒の炎は、風に吹かれた湖面のようにさざ波を立てる。燃え広がる気配は無いが、自然と鎮火する様子も無い。理を無視した異常な炎だ。


 病魔に汚染された人間の臓腑は、こんな風に生かさず殺さずの状態を保つのではないだろうかと思わせる醜さがあった。


 漆黒の炎が取りついているのは、眼前の屋敷だけでは無い。周辺にある建物はどれも吹き飛び、残骸には漆黒の炎がへばりついている。


 異様な暑さの原因は、この炎だろう。


 この都市は、いまだに焼かれているのだ。


「この炎は、黒龍の炎か」


「ええ。……三百年が過ぎても、まだこの街を燃やそうとするなんて、なんて陰湿。……ああ、でも。三百年が経とうとも、黒龍の炎になぶられようとも、街に染みついた怨讐は浄化しきれていないわね。これじゃ、どっちもどっちよ」


 どこか吐き捨てるかのように言うと、シアラは屋敷の方を指差した。


 屋敷はほとんど崩壊していたが、唯一、向かって左側は二階部分まで形を保っていた。


 打ち寄せる波で今にも崩れそうな砂の城のごとき屋敷を指差し、彼女は呟いた。


「お願い。あそこに連れてって」


 それがどれだけ無茶な願いなのかはシアラも理解しているのだろう。


 手入れされていたはずの庭は黒い炎が泥のように広がり、無事とはいえ二階部分を支えている柱は遠目でも分かるほど損傷している。たどり着いた途端に崩れても不思議では無い。


 到達するまで一苦労なのに、崩壊の危険性がある場所へ連れていってほしいという願い。


 普段なら逡巡する場面だったが、レイは何も言わずに彼女肩を抱き寄せた。


「しっかりと捕まって」


「うん」


 シアラが首に手を回すと同時に、レイは炎の鎧を展開する。仲間を燃やすような無様な真似はしない。炎によって浮き上がった体は、毒の沼地めいた漆黒の炎を回避すると、僅かに残っていた二階の床に降り立った。


 二人の体重が掛かり、柱がみしりと音を立てるが、崩れる様子は無かった。


 シアラはレイから離れると、窓の方へと近づいた。


 先程までレイ達が居た通りは、地面がめくれ、崩壊した建物が重なり合い、隙間から漆黒の炎が顔を覗かせている。レイには大きな災害にあった街としての姿しか見えない。


 だが、彼女には違うのだろう。


 背を向けてはいるが、窓に僅かに反射したシアラの表情は懐かしさと寂しさが入り交じった複雑な感情に満ちていた。きっと、彼女にはここから見える景色は別物なのだろう。


「ここよ。この窓から、いつもお父様の帰りを待っていたの。ここにはね、誰かが用意してくれた背の低い椅子と本棚があったの。待っている間、座って絵本を読めるようにって、メイドの誰かが用意したのかしら。そこに座って、馬車の音が聞こえたら、窓に駆け寄って。あの通りからお父様の馬車が」


「……シアラ」


 どこか仄暗い郷愁の感情を滲ませる少女の背中に、レイはためらいながらも呼びかけた。


 名前を呼ばれ、シアラは一度だけ肩を震わせた。


 そして、振り返った時にはいつもの毅然とした態度を身にまとっていた。窓に映っていた、過去を振り返り、複雑な感情に囚われていた少女は居なかった。


「もう、主様も気づいているでしょうね。人が定住できない北方大陸にこれだけの文明の都市。街全体に広がる破壊の痕跡といまだに燻る黒い残火。そして、三百年以上経過しても劣化せず、これだけの破壊の爪跡を残し続けられる建造物の形をした魔道具。これだけ情報があれば、誰だって分かるわ」


 そう言って、彼女は一呼吸置いてから、この都市―――いや、この国の名前を告げた。


「ここはアトス国。『魔王』フィーニスによって導かれた魔人種たちが住んでいた場所だわ」


 アトス国。


 氏族単位で暮らしていた魔人種たちが、『魔王』の旗頭に集い、誕生したとされる国家。北の大地が生み出す過酷な自然によって守られていた、魔人種たち悲願の国は、無慈悲な暴虐によって踏みつぶされた。


 人龍戦役終盤。『龍王』黒龍は手酷い敗北を味わい、大陸から脱出を図る。その過程で見つけた国を滅ぼしたのは、果たして時間稼ぎのためだったのか、あるいは人への憎悪からだったのか。


 三百年という膨大な時間が経過しても、泥のように染みつく炎は何も語らない。


「ゲオルギウスの奴が言ってたのを覚えてない。墓守を気取って待ち構えていたって」


 シアラが口にしたのは、一周目のゲオルギウスの言葉だ。


「そうか。アイツの言う墓守って、この都市のことだったのか。……それじゃ、あの氷は」


「都市の存在を隠す為に氷の天蓋を作ったのか、それとも黒龍の消えない炎が広がらないように封印を施したのか。理由は分からないけど、氷を作ったのは魔人種の誰かでしょうね。あ、そう言えば皆は?」


「やっと正気に戻ったか。皆は周りを警戒しながら追ってきてもらってる。そろそろ追いついても良いはずだが」


 そう言って窓の向こう側を注視すると、通りを走る一団が見えた。キュイを先頭に瓦礫を越えていく集団は、すぐにレイ達の方に気づいた。長布を伸ばして近くの建造物に引掛けたヨシツネが、引き寄せる反動で軽業師のように宙を舞い、一気に二階近くまで跳躍した。


「今の動き、カッコよかったよ」


「お褒めの言葉勿体なく存じますが、主殿。大変でござる」


「……どうかしたのか」


 ただならぬ様子のヨシツネに、レイとシアラの表情も険しくなった。忍者は緊張を隠さないまま、近づく脅威に言及した。


「敵でござる。こちらに向かって真っすぐ、何者かが近づいてくるのをエトネ殿が感じ取りました」







 時間すら凍ったように静かな街並みを、鈍重な響きを立てて金属の塊が走る。人の三倍はある巨体が足を踏み出す度に、瓦礫は砕けるが気にした素振りは無い。


 手には巨体に見合ったメイスがあり、全てが魔人の血を取り込み強化されているため、周囲の空気すら澱んでいた。


 レイ達の行く手を阻んだ鎧騎士が一体は、目的の場所に到着すると足を止めた。フルフェイスの鎧に包まれた肉体の内部は、ディオニュシウス同様に粘液上の肉体が詰まっている。


 スライムに近い肉体だが、スライムの外皮ほど柔軟性に富んでいる訳でないため、鎧という鋳型を使って肉体が零れないように保護している。その液体状の体の中には眼球が浮いており、鎧のスリットから周囲を観察できるようになっている。


 鎧騎士が大仰な動作で周囲を確認している場所は、シアラの生家だった屋敷だ。


 手にしたメイスが轟音と共に振るわれると、辛うじて残っていた鉄柵がなぎ倒された。泥のように広がる黒炎に対しては、手近にあった瓦礫を投げつけ、即席の飛び石を作り渡った。


 炎の直撃を受けたのか、屋敷は中心部分は残骸も残らず吹き飛んでおり、四隅が辛うじて残っていた。鎧騎士はメイスを振り回し、人が隠れられそうな残骸を次々と破壊して回る。


 あっという間に、かつての屋敷を想起させるような残骸は砕け散る。


 シアラにとって大切な思い出の窓も、無慈悲に蹂躙された。


 破壊活動なのか、それとも誰かを捜索しているのか。


 ともかく、人造モンスターである鎧騎士の暴虐はしばらく続き、屋敷跡が文字通りの更地になると、役目は果たしたとばかりに鎧騎士は立ち去っていた。


 再び静寂に包まれる都市。漆黒の炎が燻るなか、生者の息遣いは感じられない。


 ところが、屋敷とは通りを挟んで近くの瓦礫の影から飛び出す人影があった。それは鎧騎士が立ち去った方角とは別方向へと走る。長布で顔を覆い、服の擦れる音どころか、足音すら立てずに走るのはヨシツネだった。彼は通りから外れ、建物の隙間に滑り込むように入ると、そこで待っていた集団に混じった。


「おかえり。偵察、ご苦労様。とりあえず、食事が出来てるけど、食べるか?」


 車座になって簡単なスープと携帯食料を口に押し込んでいたレイに断わりを入れ、先に見てきた事を一同に報告した。


「人の背丈を軽々と越えた巨大な鎧が一体、シアラ殿の生家を念入りに荒してから立ち去りました。おそらく、事前に説明を受けた人造モンスターの一種かと。どうやら、拙者たちを探している様子でござる」


「そいつは屋敷に真っ直ぐ向かったの? それとも、周辺の建物とかを順番に回ってから、屋敷に来たの?」


「真っ直ぐ屋敷に向かいました。屋敷の探索……というよりも破壊活動を終えると、やってきた方角とは別の方角へ歩きながら消えたのを確認したでござる」


「そう。……単独で偵察なんて、危険な仕事をお願いして悪かったわね。さあ、今の内に食べてちょうだい」


「では、いただくでござる」


 ヨシツネが椀を掴みスープを口に運ぶのを見届けてから、レイはシアラに尋ねた。


「それで、ヨシツネ一人を危険な偵察に向かわせて、何か分かったのか。正直、僕はよく分からん」


「あら、それは残念ね。大分、分かった事があるわ」


 シアラが自信を持って告げる。


「アイツらはかなり余裕がなくなっているわ。こっちの位置を把握できないし、探索にそれほど人手が割けないでいる。その上、ゲオルギウスも動けないようね」


「待て待て。どうしてそこまで分かるんだ。順番に説明してくれ」


「簡単な話よ。氷を割ってから今まで、ゲオルギウスは人の位置を探知できる吹雪の魔法を使っていない。最初は、そんな魔法を使わなくても位置が分かるのかと警戒してたけど、どうもそうじゃないみたい」


「どうして、そういいきれるの?」


 エトネの質問に、シアラは頬張った携帯食料をスープで流し込むヨシツネを指した。


「もし、アイツらがこちらの位置を正確に、あるいは大雑把でも把握できているなら、あのあたり一帯をくまなく探して、ヨシツネを見つけている筈よ。でも、それをせずに屋敷跡だけ探索したって言うのは、こっちの正確な位置を掴めていない証拠じゃない」


「……って事は、ヨシにぃを囮に使ったの?」


「御安心召されよ。拙者は事前に聞かされていたので、体を縮めて隠れておったので問題ありませぬ」


「本人が納得しているなら……じゃあ、なんでシアラお姉の屋敷に真っ直ぐ来たのかな?」


「良い質問ね。これは推測混じりだけど、あの人造モンスターはクリストフォロスかゲオルギウスのどちらかがある程度操作していると思うの。人造モンスター製造計画が失敗したのは、自分で考えて行動するモンスターを作れなかったのが原因だってナタリカ博士から聞いてるわ」


 六将軍第六席ディオニュシウスは、死を意識することで自我を確立させた唯一の例外だ。コウエンの転生先となった人造モンスターも、自我が存在していなかったからこそ、コウエンを受け入れる器となりえたのだ。


 計画の責任者であるカタリナが離脱したあと、誰かがその問題点を克服した可能性もあるが、シアラはそうでないだろうと推測していた。


 死に戻りを繰り返す最中、人造モンスター部隊とは何度か交戦した。彼らの動きは意志あるモンスターにしては妙に緩慢で、それでいて連携は非常に取れている。まるで、一人の意志によって操られ、束ねられているかのような立ち回りだ。


 誰か外部の人間によって操られていると考えると、腑に落ちるのだ。


「家を念入りに荒したとするなら、多分クリストフォロスの支配下にあるのね。ここがアトス国だと気づけば、ワタシが屋敷へ足を運ぶのを見越して、先回りしようとしたんじゃないかしら。屋敷の残骸を壊したのは……嫌がらせね。それぐらいのことは平気でする男だし」


「同感だ。あやつの性根ならば、その程度の事は喜々としてやるであろう」


 クリストフォロスに操られたのが赤龍にとって最後の記憶であるコウエンが、緋色の瞳に怒りを滲ませながら同意した。


「探索に人手が割けないと分析したのは、人造モンスターである鎧騎士の数が一体しかなかったからよ。もし、探索に人手を割けるなら、一体だけでやらないわ。少なくとも二体、あるいは三体は欲しいわ」


「確かに。一体だけでは不測の事態に対応できません。こちらとしては、都合のよい話ではありますが」


「うん。一体だけなら、いろんな罠がつかえるよ」


 武門の家の子として教育を受けているリザと、猟師の子供として育てられたエトネが違った角度からそれぞれ納得する。


 歯車を周囲で展開して、即席の警戒網を維持しているクロノがシアラに尋ねた。


「ゲオルギウスが動けないというのは、どうしてでしょうか?」


「そっちは半分ぐらい推測が混じっているけどね。アイツらは魔法による索敵をせずに、鎧騎士を分散してワタシたちを探しているのは間違いない。となると、奴らにとって一番厄介なのは、鎧騎士の捜索を掻い潜って突破される事でしょ」


 シアラの説明に何人かが同意を示すように頷いた。


「となると、ゲオルギウスという大駒を捜索にあてるのは勿体ないでしょ。どんなゲームでも、強い駒は滅多に動かさず、どっしりと構えている物よ」


「つまり、ゲオルギウスは後ろに下がって、鎧騎士の報告を待っているという事か」


 その通り、とシアラは告げた。


 彼女は推測混じりだと言っていたが、説明には筋が通っているように思えた。ゲオルギウス側に立ち思考を読み解くというスタイルは、このような状況になっても変わっていなかった。


「こうなってみると、主様が氷を破壊したのは大正解だったわね。ゲオルギウスの裏を完全にかいているわ」


「なら、僕らがやるべきなのは、このチャンスを逃さないって事だな」


「そういう事ね。ここから先は、鎧騎士の捜索を掻い潜りながら、この街を突破するわよ」


読んで下さって、ありがとうございます。


次回の更新は19日頃を予定しております。

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