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試行錯誤の異世界旅行記  作者: 取方右半
第12章 大陸の果て
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12-6 魔王の血

「危ない、危ない。あとちょいで、船がひっくり返る所だったし。っていうか、着いてすぐに調査中止とかになったら、アタシの評価がガタ落ちじゃん。危なー」


 北方大陸上陸から三十分も経たない内に北方大陸資源調査団が撤退するという危機的状況は回避された。


 船は何度か大波に飲まれかけたが、エスラ率いる『紅蓮の旅団』メンバーが魔法や戦技を用いて波を吹き飛ばして難を逃れた。蜘蛛の形をした氷の物体が雪面を滑って入り江を襲撃したが、数が少なく、冒険者側の混乱も治まっていたため犠牲者を出さずに迎撃できた。


 どうやら、氷の巨人が生みだした氷の分身らしく、魔石は見つからなかった。


「流石に被害ゼロとはいかなかったけど、これぐらいの損害なら何とかなりそうだし。……あれ? ここで任務が失敗する程の被害を出してたら、メンドイ任務を放り出せる上に、降格処分で班長下ろされてロータスと一緒に冒険できるチャンスだったじゃん! 失敗した!!」


 地団駄を踏んで悔しがるエスラに対して、身内以外の冒険者は本気なのかどうか戸惑った表情を向ける。一方で『紅蓮の旅団』メンバーは、彼女が本気でそのようなことを思っていないのを知っている。


 これだけの規模の任務に失敗すれば班長を降格どころか、退団もあり得る。何より、団長を敬愛しているロータスが、私利私欲のためにクランの名を汚すような真似をした人間を許すはずが無い。そして、それをエスラ本人が理解している。


 彼女はいつだって任された仕事を完璧にこなし、驚異的な速さで班の一つを任されたのだ。


 今回も、混乱する冒険者たちをあっという間に掌握し、地元民を含めた非戦闘員をあえて船に集めることで攻撃の余波が届かないように守り、他のルートからの奇襲も想定して防御陣を構築した。


 そのお蔭で、氷の蜘蛛の襲撃を完璧に防げたのだ。犠牲者がほとんど出なかったのは、間違いなく彼女の手腕によるものだ。


 とはいえ、犠牲者が出なかった訳では無い。


 初期の地揺れで雪を固めた住居が崩れたり、降ろしている最中に崩れた荷に巻き込まれた者や海に落ちた者がいた。生命に関わるほどの重傷者は居ないが、血を流したり骨を折ったりしていて、手当が必要だった。


 エスラは入り江の一部に即席のテントを作らせると、そこを救護室にした。中では、ヒーラーによる回復が行われている。


 ひっきりなしに、被害報告や修復作業の途中経過を知らせてくる部下たちをさばいていると、そのテントから出てきた少女が視界に入った。


 周りに断わりを入れて、出てきた少女を呼びかけた。


「シアラ。ちょっといいかい!」


 名前を呼ばれたシアラはタオルから顔を上げた。極寒の地だというのに、彼女の肌は真新しい汗が次々と浮かんでくる。テント内部の空間が魔法で暖められている以外に、彼女がそれだけ消耗した証だろう。


「おつかれさん。ちょっと、話はできるかい?」


「……ええ。ワタシの出番はもう、終わったわ」


 どこか口惜しそうにつぶやくシアラ。エスラは、一瞬だけ切れ間から覗かせる内部へと視線を向けた。テントの中では必死になって回復魔法を唱えているレティと、指示された薬液を何度も患部に塗っているクロノの姿があった。


 ほとんどが軽傷者だったが、たった一人。重傷者は居た。


 レイだ。


「どんな感じなんだ?」


「一番危険な状態は通り過ぎたわ。修復した神経と血管は繋がってる。今は、レティの回復魔法に、学術都市で貰った火傷に効果的な薬液を塗って回復力を上げているの。あと、一時間もしない内に筋肉と皮膚もある程度形を取り戻すでしょうね」


「驚きだね。あれだけ酷い状態なのが、こんな短時間でそこまで回復するなんて」


 エスラはレイがここに運び込まれた時の状態を思い出した。


 両腕は掌を起点に腕の関節まで重度の火傷を負っていた。まるで、血管に直接火を流し込まれたかのように、内側から焼けていた両腕は、もしかすると内部は炭化していたのではないだろうかと思ってしまうほどに酷い。


 これまでに、目を背けたくなるような酷い死に様を幾度も見てきた上級冒険者ですら、絶望的だと思える惨状だった。


「あのお嬢ちゃんが、ここまで回復魔法に長けているとは。さすが、新進気鋭の冒険者パーティーじゃん」


「まあ、何度も試して一番効果的な方法を見出したからね」


「ん? 何か言った?」


 呟きは言葉の形をしておらず、エスラは聞き返すが、シアラは何でもないと返した。







 レイの龍刀。


 スタンビートで死亡した赤龍の肉体をベースに、『鍛冶王』テオドールが直接槌を振るい、極めつけに六将軍第二席ゲオルギウスの血を混ぜた刀は、誕生した時から常軌を逸している。


 赤龍のブレスを再現する龍刀は、持ち主が未熟だとコントロールが効かない。抜き放ち全力を振るえば、持ち主に甚大なダメージを与えるという恐ろしい武器だった。


 テオドールから貰った当初は、龍刀をコントロールすることはほとんどできなかったレイだが、旅を重ねるうちに龍刀を支配下に収めていった。


 冒険者としての実力をつけ、戦士としての感性を研ぎ澄ませ、実力者サファやローランから学び、コウエンと魂を交換し、影法師によって制御できた『魔王』の力を束ねた。


 結果、学術都市での戦いでは《全力全開オールバースト》と《魔王乃影》の効果もあり、龍刀の全力を七割近くまで引き出せるようになっていた。


 それが、学術都市の戦いで振出しに戻った。


 いや、振出しならまだしも、今度は刀を鞘から抜くことすらままならなくなったのだ。


 原因は判明している。


『七帝』の一角にして魔人種の王、『魔王』フィーニスだ。


 レイは魔法で生み出された偽物の学術都市でフィーニスに一撃を加えた。


 高純度の魔力を秘めている、魔人種の肉体を龍刀で斬ったのだ。


 魔人種の血は一滴でもあれば、異端の道具を生みだせる。それゆえ、黄金に等しい価値があるとされ、一時は魔人種を狙った狩りが横行したほどだ。


 そんな魔人種の、王とされる怪物の血を龍刀は取りこんでしまった。


 結果、龍刀はこれまでに無いほどの進化を遂げてしまった。刀を抜かずとも炎を操れるようになり、その状態でも炎の鎧を展開することも可能だ。


 だが、抜き放てばレイを喰らい尽くす。


 実は、リザの精霊剣もフィーニスの血によって強化されている。彼女曰く、少量の精神力でも威力が格段に上昇し、注ぎ込んだ精神力を小出しにできるようになったという。実に真っ当な成長だ。レイと違い過ぎる。


 制御不可となった龍刀を、レイは出発までに制御できないか試したが全て上手く行かなかった。制御の過程で死に戻るほどの結末を迎えたのは一度や二度では無い。巻き込まれたレティが治療方法を確立したのが不幸中の幸いというべきか。


 ともかく、龍刀の進化した力によってレイは少なくないダメージを負ってしまったのだ。北方大陸について三十分も経たない内に。


 未知の大陸で、正確な場所も分からない研究所を探さないといけない現状、この不利は無視できない。シアラがこれからを想像してため息を吐くと、エスラが口を開いた。


「アンタは間違っていないよ」


「エスラ様?」


「あの時、アンタはレイがこうなることと、あの氷の巨人をすぐに倒せない場合のリスクを天秤にかけた。その判断は、冒険者を統括する立場としては間違っていないと断言できる。あのまま、倒すのに時間をかけていたら船は持たなかったかもしれないし、犠牲者が出ていたかもしれない。だから、アンタは間違っていない。アタシは、そう思うわ」


 上級冒険者の言葉は、いくらかシアラの心を軽くした。


「ありがとうございます。それで、主様が動けるようになったら出発しようかと思うのですが、それまでちょっと時間が空いたの。何か、魔法使いの力が必要なことはあるの?」


「あるよ。それも話そうと思っていたんだ。もう、手の空いている《ミクリヤ》に手伝ってもらってるけど、この入り江を拠点にしている奴らの家が、ご覧の通りなの」


 吹雪も氷の巨人が生み出していたのは間違いなく、巨人が倒れるのと同時に天候は回復した。いまは、薄灰色の雲が空を覆い、切れ間から差し込む太陽の光が入り江を照らしていた。


 氷の巨人による地揺れと、蜘蛛の形をした氷の奇襲によって、雪を固めた住居は崩されていた。固められた雪は砕け、家財道具が雪に埋まったりしている。地元住民たちが片づけをしている中には、冒険者たちの姿もあった。


「魔法使いは住居用の雪を固めるために、魔法で切り出しとか圧縮とかをお願いしているんだけど、そういった魔法は使える?」


「うーん、出来るような、出来ないような」


 実の所、細かい作業に使えそうな魔法をシアラは覚えていない。


 魔法使いは火力が命。


 砲台となって敵に止めを刺せ。


 彼女が魔法を習ったのは人龍戦役の最中で、威力の高い魔法ばかりが重宝された時代だ。その頃の感性が抜けていないのか、応用の利く魔法をあまり覚えていなかった。


「なら、うちの魔法使いから詠唱を聞いておきな。あっちの方に居るからさ」


「分かりましたわ。それじゃ、ちょっと行ってくるわ」


 シアラは一瞬だがテントの方を心配そうに見つめたが、すぐに歩きだした。もう、中で自分がやるべきことはなく、助けを求めている人があちこちに居る。


 あの甘い主の事だ。そんな人たちよりも自分を優先したと知ったら、寂しそうな顔をするだろう。






「リザ、こっちで手伝うことはあるかしら?」


 名前を呼ばれた少女は作業の手を止めて振り返った。杖を構えたシアラはやる気に満ちている。

「シアラ。こちらに来たということは、レイ様の方は」


「ええ、終わったわ。ワタシがすることは全部やったわ。だから、そんな顔をしないで安心してちょうだい」


 言われて、自分が酷い顔をしているのだと気づき、誤魔化す為に手袋で顔を覆った。


「このまま回復が順調に進めば、明日には出発できるわよ。……でも、流石に戦闘はしばらく無理ね」


「分かっています。レイ様不在の穴は、私が埋めてみせます」


「気合十分ね。それで? 作り方とか教わってきたけど、ここはもう完成なのかしら?」


 問いかけに答えたのは、内側で作業していたエトネだ。


「まだだよ。いまは、積み上げただけだから、こまかいすきまがあるんだよ。だから、こうやって内側からひかりのみえるばしょをふさぐんだよ」


 彼女は細かい雪を手に持ち、すき間を埋めていく。機敏な動作で作業を進めていくのは、流石としか言えない。


「そうですね。ここではシアラの魔法は必要ありませんね。それでは、次に予定して場所を先にやり始めましょうか。エトネ、ここはおまかせしても大丈夫ですか?」


「うん、エトネひとりでだいじょうぶだよ」


「分かりました。それでは、ヨシツネ殿も次の方に行きましょう」


「心得たでござる」


「……アンタ、いつの間に居たのよ」


「心外でござるな。最初から、反対側で作業をしていたでござる」


 文句を口にするが、シアラの気持ちはリザにも分かる。


 全員同じ仕立て屋で作った防寒着を着用しているが、個々人で違いもある。レイやリザの防寒着は剣を振るうのに邪魔にならないように肩周りが動きやすくなっており、エトネは足技を使うため裾が短くされている。


 その中でヨシツネが防寒着にした改造は、動きをよくするためではなく、隠密がしやすいように色を染め直したのだ。真っ白というよりは、白とグレーの斑点をちりばめたそれは、雪面の背景に非常に溶け込んでいる。同じ迷彩で染め直した長布で顔を覆っていることもあり、風景と同化していて、意識しないと見失いそうだ。


「まあ、いいわ。それで、次ってどこよ」


「ええっと、私達が頼まれている範囲はこの辺りですから、あそこですね。……おや?」


 リザは壊れた住居の一つを指差して首を傾けた。


「次はあっちね。まずは、雪で埋まった家具とかを掘り出さないといけないのかしら。って、どうしたのよ」


「いえ、そういえばここはレイ様と合流した場所だと思いだして」


「そうだったかしら?」


 シアラはヨシツネに確認を取るが、雪で埋まっている家財道具を掘り返している青年はピンと来ていないようだ。


「どうでしたかな。あの時は、氷の巨人に気を取られ、よく覚えていなかったでござる。あの短い時間。それも吹雪で視界が悪いなか、よく覚えていたでござるな」


「勘違いってことは無いの?」


「いえ、空から降り立った時と光景が一緒です。それに、この住居。他と比べて中央の雪が少なくありませんか」


「そう、なのかしら」


「言われてみれば。確かにそうでござるな」


「ここにレイ様とエスラ様が居たのです。どうやら、中でお話をされていたときに雪が崩れ、埋もれそうになったのを炎で吹き飛ばしたのかと」


「なるほどね。それで雪が少ない、と。それで、どうしてあの二人はこんな所に居たのよ。まさか、連れ込まれたの!? ナニをされたの!!」


「そんな訳ないでしょう。だってほら、エスラ様はロータス様をお慕いしてるのですから」


 自分の妄想でわなわなと震えるシアラに、リザは冷静に返した。


「じゃあ、主様から!?」


 ぱこん、と。リザの手袋がシアラの頭を叩いた。彼女は脱いだ手袋を戻すと、記憶をたどる。


「レイ様はそんな事をしません。あの時はもう一人居りました。確か現地の人で名前を……イチェル、とか」


「あっしを呼びましたか?」


 声はちょっと離れた所からした。リザ達がそちらを向けば、住居を整える道具を抱えた白熊アイスベーア族が立っていた。


 彼は荷物を住居傍に置くと、人懐っこそうな笑みをした。


「えっと、《ミクリヤ》のレイさんのお仲間でしたね。ということは、残りのお二方もお仲間ですか。あっしは皆さんの案内役を依頼されたイチェルと申します。旅の間はよろしくお願いしやす」


「こちらこそ、よろしくお願いします。自己紹介は全員が揃った時に改めてさせて頂きます。まずは、貴方の住居を修復しましょうか」


「ありがとうございやす。何しろ、旅に必要な物も一式、雪に埋もれてしまったんで、ほとほと困っていたんですよ」


「そうでしたか。それでは、私と彼が荷物を雪から掘り出しますので、イチェル様は道具が無事かどうかの確認を。シアラは雪を切り出す作業をお願い。やり方はわかるかしら?」


 シアラがレイの治療をしている間に、リザ達は住居の修復を幾つも手伝ったのだろう。無駄のない指示にシアラもイチェルも文句は無かった。


 その時だった。


 先んじて荷物の掘りだしをしていたヨシツネが、唸るような声を上げた。


「これは大変でござるな。雪の重みで上蓋が壊れ、中が水浸しとなってる。地図が濡れてしまっているでござる」


「ええ!?」


 それは、イチェルがレイ達に見せた地図が入っていた箱だった。レイの放った炎の熱が影響したのか、下の方が溶けて水となっていた。


「そいつはいけやせん。大まかな地図は持ち出せましたが、細かい地形の地図はその中に残っていやす」


「そうなのですか? シアラ、低温の炎を出してください。中の物を乾かします。ヨシツネ、貴方の防寒具を貸してください」


 リザは自分の防寒具を脱ぐと、雪の上に広げた。ヨシツネも同じように広げると、箱の中身をその上に並べていく。


 すると、イチェルが慌てだした。


「おやめ下せえ。そんな、上質な防寒具を下に敷くなんて。皆さんのが汚れてしまいやす!」


「気にしないでください。これぐらい、汚れた内に入りません。それよりも―――ッ!」


 言葉は続かなかった。


 リザは箱の中身を手当たり次第に取り出していた。


 言葉通り、束ねた地図がいくつもあり、溶けた水で湿っている。慎重に広げて伸ばしていると、その内の一つから何かが落ちたのだ。


 何気なく、落ちた物を拾おうとして、指先が止まった。


「どうかしたの、リザ。……指輪?」


 それは指輪だ。


 古びた金属製の指輪で、材質は銅。意匠は殆ど施されず、手垢に汚れたそれは値打ち品に見えなかった。


 だが、リザには見覚えがあった。


 その指輪に掘られた印章を。


 羽ばたく鳥の形をした、それを。


「ヨシツネ、その人を拘束して!」


 叫び声に近い指示に、シアラは反応が遅れてしまう。リザが何を見て、なぜこれほどまでに取り乱すのか理解できなかった。


 だが、その場に居た二人の男は、リザの言葉に素早く反応していた。


 イチェルは、それまで浮かべていた人好きのよさそうな顔を一瞬で消すと、隠し持っていた短刀で自らの喉を躊躇うことなく突き刺した。


 いや、正確に言うなら、突き刺そうとしていた。


 その手はヨシツネが伸ばした長布に絡み取られていた。


 ならばと舌を噛み千切ろうとするも、長布の先端が口元を縛り、自害を拒んだ。あっという間に体を拘束された白熊は、雪の中に崩れ落ちるしか選択は無かった。


「ちょ、ちょっとヨシツネ。一般人相手に何をしているのよ!」


 我に返ったシアラが責めるのは当然だ。ましてや、これから北方大陸を案内する人間を縛り上げてしまうのは、どう考えても不味い。


 しかし、ヨシツネはイチェルの背中を膝で抑えつつ、どこか冷徹さを滲ませた声を出す。


「この者。一般人ではござらん」


 断定的な口調だ。


 その言葉に、ようやくシアラも状況の変化に気づいた。


「……どういうことよ」


「こやつ、雪原迷彩をしている拙者を難なく見破った。リザ殿ですら、一瞬見失う、この迷彩を一目で見破れる者が単なる出稼ぎ労働者とは考えにくいでござる」


「なるほど、ね。それで、リザは? なんで、この人を拘束してなんて言い出したのよ」


「理由は、これです」


 リザが示したのは、転がった指輪だ。シアラは指輪を見て、刻まれている印章を口に出した。


「羽ばたく鳥……かしら」


「いいえ、違います。()()()()()()()()()()()()。帝国に生まれた人間なら見間違いません」


「竜、ですって? それじゃ、まさか」


「ええ。妹ほどの記憶力はありませんが、私だって絶対に忘れられないことがあります。あの日、あの男の前に揃った者達の事なら、瞳の色だって、ベルトの穴の数だって覚えています。当然、この指輪をしていた男のことも!」


 リザの青い瞳に、かつて自分たち家族を追い詰めた男たちの姿が浮かび上がった。


 帝国第一皇子ゴルディアス・スプランディッド。


 帝国の希望と呼ばれる男の横に従っていた副官の指に嵌っていた指輪と同じ物が、いま彼女の手の中にある。


読んでくださって、ありがとうございます。


次回の更新は19日頃を予定しております。

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