焼き尽くされた……
前回から時間が少し空いてしまいました。
1月毎日更新するのは結構エネルギーをつかったようです。
最チャージに少し時間がかかりました。
これからはボチボチ更新をして行こうと思います。
よろしくお願いします。
りんは黒い炎弾に突っ込んでいく。
着弾と同時に、漆黒の炎が辺りを包む。
黒い炎でりんの姿がまったく見えない。
「おい、返事をしろ~りん!!」
そして――
炎が消えた後には、真っ黒に焼け焦げたりんが横たわっていた。
「おい、りん……」
まてよりん、何時も馬鹿なことばかりしてるお前だけど……。
悪い冗談はよせよ……。
おい……。
「りん、返事をしろよ。りん」
ピクリとも動かないなんて冗談きついぞ……。
おい……りん……。
「東堂さん……来栖川さん……」
後ろの誰かのつぶやきもうまく聞き取れない。
なぜだ……なぜこうなった……。
…………。
「待ってください! まだ諦めるのは早いです。彼女のステータスを見てください!」
誰かの叫ぶ声が聞こえる気がする。
ステータス?
その言葉にりんのステータスに視線を向ける。
りん
遊び人
HP100
MP0
◇まっくろこげ◇
…………ん?
あれ?
まだ、りんのHPは残っている?
「そうです、彼女の状態はわかりませんが、まだHPは残っています。助かる可能性はあります」
確かに、表示は何か少しおかしい感じはするが、まだHPは0ではない。
まだ助けられるのか!?
「お前は、小娘とそこの女を連れて校舎を出ろ。この敵は俺と白いので引き受ける」
番長がケルベロスに怒りをぶつけるような視線を向けている。
確かに今すぐにでもりんを安全な場所に連れて行きたい。
だけど、りんや柏木さんの他にも生徒が居たはずだ。
彼らをまかせてもいいと言うのか?
「他の生徒は……」
そこでおかしな事に気がつく。
俺と、黒焦げのりんそれに柏木さん。
あとは番長と博士。
他の生徒の姿が見えない。
「他の生徒は全員、黒い炎にのまれました。今残ってるのはここの四人と彼女です」
博士は彼女と言う所で真っ黒のりんに視線を向ける。
良く見たら博士のHPもボロボロになっている。
博士
武闘家Lv12
HP18/182
MP36/36
何が起きた?
確か敵の攻撃はりんが受けたはず……。
いや違う。
3つの炎のうちの一つにりんが突っ込んだだけで残り2つあったはずだ……。
まさか……。
「直撃を受けたわけではなく、MMRPGで言う所のスプラッシュダメージと言うやつですか……そのダメージだけでHPが殆ど削られました」
俺が博士のステータスを見ていたのに気づいたのだろう彼が説明する。
「そんな攻撃に証をもってない一般の生徒が耐えられるはずも無かったのです……」
そ、それじゃあ……。
今居るメンバー以外全滅したって事なのか!?
「生徒を守るには彼女のやり方しかなかったのかもしれません……」
な……りんが突っ込んでなかったら柏木さんも俺も危なかったと言うことなのか!?
まさか……りんが行動が最善だとでも?
「ですが、そんな事は今は考えてる時間はありません。二人をお願いします」
博士は番長が投げ渡す『肉』を口にしHPを回復すると、番長とうなずき合ってケルベロスに突撃していく。
先ほどの黒い炎は相当な溜めが必要なのか打ってはこない。
番長はケルベロスの左の首を絞めながら真ん中の頭に攻撃する。
博士は右の頭をパンチやキックで攻める。
ケルベロスからの攻撃でダメージは受けているが、何とか持ちこたえてる感じだ。
今ならいけるのか?
「柏木さん俺の後について来て。一気に裏門を抜ける」
黒焦げになったりんを両腕で抱きかかえながら声をかける。
「いくよ!」
掛け声と共走り出した俺に必死の表情で柏木さんが付いてくる。
彼女に速度を合わせて走りながら、後ろ髪引かれる思いで番長と博士の方に視線を向ける。
「いけ!」「行ってください」彼らの目はそう告げていた。
すみませんと心の中で思いながら裏門への道を駆け抜けていく。
「柏木さんいそげ!」
全力で走ってるのは見ていて解かるが、気がせいてしまう。
「……は、はい……」
それでも彼女はうなずいてくれた。
あと、3m……2m……1m……。
裏門だ!
俺達はそのままの速度で駆け抜けていく。
番長、博士どうか無事で……。
さやちゃん「心配です……(ズバ)」
まーちゃん「姫ちゃん危ない! 真剣持ってるんだから気をつけて」
しーちゃん「……りん……心配……わかる……でも……危ない……」
さやちゃん「りん……(ズバ)」
二人「「危ない!」」
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