何かがおかしい
今回は……。
何かが出てきます。
PS.毎日更新、息切れが激しくなってきました。
今月中は……。
りんの声に急いで追いつくとそこには……。
「モンスターの集団ですか……」
博士は言葉に疑念をにじませる。
確かに変だ。
俺達がこれだけ近づいてもこちらに向かってくる気配が無い。
誰かが襲われてるのかと、最初はおもったのだが、それにしたってこちらを無視するのはおかしい。
どうする?
『ファイヤー・ストーム』で殲滅していくか?
それとも放置して先に進むか?
攻撃してこない敵の群れに、逆に迷いを覚えた時、いきなり何かが飛んできた。
敵の攻撃か?
良く見るとそれはキラーウッド。
木がそのまま歩き回るようなモンスターで森で遭遇したことが何度かあった。
だが、こんな風に飛び込んで襲ってくるモンスターじゃなかったはずだが。
すぐに光になって消えていく。
「あおちゃんが倒したの?」
飛び込んできて何もしてないのに消えていくモンスターにりんも疑問をもったのだろう。
何が起こっている?
「ぬるいぞ!」
野太い声がモンスターの集団の方から聞こえてくる。
それに続くようにモンスター達の断末魔がいくつもあがる。
「誰か居るの~?」
「やっぱり、まだ逃げ遅れたやつがいたか。すぐに片付けるまってろ」
それからは早かった。
投げる、叩く、蹴る、つぶす、殴る。
純粋な暴力でモンスターを殲滅していく。
「すごい!」
「あの人、強いな」
俺やりんはただそんな感想しかもてなかったが、他の生徒達はちがったようだ。
「さすがだな」
「荒事には頼りになるな、やっぱり」
「番長だしね!」
彼は結構な有名人のようだ。
というか、最後に聞き捨てならない単語があったような。
「ザコばかりだな。やはりあのデカ物を譲るんではなかったな」
そんな言葉を漏らしながら、最後の軍団ウルフの首を握りつぶす。
その男は野獣と言っていいような気配をまとい。
ボロボロになった制服らしきものを羽織り、ところどころ赤い血が流れている。
良く見ると、その顔は見たことがある。
りんを追いかけて教室にやってきた番長だ。
すぐにわからなかったのは、あまりに気配が違いすぎたからだ。
あの時でも乱暴者だという感じはしたが、今の様子に比べるとすごく理性的だったのだと感じる。
「げ! またでた~~~」
やっと気づいたりんが逃げ腰になっている。
「お、小娘かまだこんな所にいたのか?」
「あおちゃん、逃げるよ!」
りんは俺の手をとって逃げ出そうとしてる。
本気で苦手なんだなこの人が。
まあ、俺も得意にはなれそうにないけど……。
「安心しろ、”今は”ヤル気はない。邪魔が多すぎるからな」
そう獰猛な笑みを浮かべる。
りん、俺の後ろに隠れるな。
あ、柏木さんも不安そうに俺のすそを握っている。
う~ん、どうしたものかな……。
「あなたでしたか。正門の方に突撃する中に居なかったので疑問に思っていたのです」
「おお、白いの、無事だったのか?」
「で、何故こちらに?」
「鬼娘とやりあってな。俺が逃げ遅れたやつらを連れて行くことになった」
番長が合流してから、悲壮な脱出作戦だったのが一気に緩んでいる。
平時はともかく、こういう荒事では相当信頼されているようだ。
それにしても、荒事に強いだけでモンスターと戦えるものだろうか?
俺は気になってこっそり『調べる』スキルを発動させてみた。
番長
魔法使いLv32
HP294/362
MP84/127
なんて表示が出た。
いきなり出た表示に番長はジロリとにらみを利かせるがそんなことは気にしていられない。
何かがおかしい。
表示が出たこと、『職業の証』を持っていたことは問題ではない。
モンスターと戦えていたのだからそうであってもおかしくは無い。
しかし……しかしなぜ……。
「魔法使い~~~!?」
りんの絶叫が響き渡る。
そう、何で魔法使いなんだ!?
りん「あおちゃん、合図したら一緒に攻撃だよ」
あお「おい、りん」
りん「じゃあ、行くよ! いっせい~の~」
番長「……(ジロリ)」
りん「………………て、てったいだよ! あおちゃん」
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