囲まれた!
囲まれて絶体絶命、どうする?
PS.毎日更新継続中
く、4階だけじゃなかったのか!?
3階はすでにモンスターであふれていた。
あれは、亜人型のモンスター……ゴブリンじゃないな、はじめてみるモンスターだな。
もしかしたらオークなのか?
4階のゴブリン同様、色々な武装をしたやつが居る。
う、弓を持ってるやつも見えるな地味に飛び道具はきつい。
あと、あいつらの影に一瞬、漆黒の影が見えた気がする。
影に同化して不意打ちしてくる嫌なやつだが、女生徒を守らないとだめな時に、あいつはきつい。
実数はわからないが、相当数隠れてそうだ。
かといって階段を降りようとすると、2階から上って来ようとするモンスターが。
あれは、グリーンワームか、巨大な青虫といった形のモンスターで、神社近くの森で戦ったことがある。
スライムなんかと比べたら強いがそこまで脅威になるモンスターでもない。
ただ、あいつはこちらの動きを鈍らせる糸を吐く。
一定時間たつか糸を吐いた個体を倒せば消滅するが、敵陣突破して逃げるのには最悪の攻撃だ。
ただ、動き自体はものすごく遅い、3階から2階の間の踊り場に4~5体ほど見えるだけだ。
3階を射程にいれるまでは少し時間はあるだろう。
かといって、今逃げてきた4階に戻るわけにも行かない。
一気に階段を駆け下りたので、まだ姿は見せていないが、じきに3階に下りてくるだろう。
「あおちゃん、どうしよう?」
さすがに、この数に囲まれてはりんもあせりを浮かべている。
女生徒の方は、顔面蒼白で今にも倒れそうだ。
これは一か八か階段を1階まで強行突破して外に出るしかないのか?
まだ、『ファイヤー・ストーム』は5回は使える。
俺とりんだけなら何とか行けなくもない。
だか、この子は……。
おびえきった女生徒の姿をみるが、華奢な体で荒事に向いてそうにはとても思えない。
持久力もそんなに期待できそうにない。
やはり、賭けに出るしかないのか?
俺が悲壮な決意を決めようとした時、
「目をつぶってください」
聞いたことの無い男子生徒の叫び声が聞こえた。
俺は咄嗟にそれに従う。
次の瞬間閉じたまぶたの裏からでも解かるほどの閃光がその場を染め上げる。
オーク達はまともにその光を見てしまったのだろう、絶叫が響き渡る。
「すご~い、みんなやっつけちゃった?」
光は一瞬だけだったようですぐに消え、りんが周りのモンスターを見回している。
「今のはただの目潰しです、時間稼ぎにしかなりません早くついてきてください」
さっきの声がまた聞こえる。
「どこかあてがあるのか?」
俺の問いにオーク達を蹴り飛ばして道を作る男子生徒の姿が見えた。
「こっちに安全な場所があります」
俺はその言葉を信る。
「りん、それに……君、強行突破して、向こうに合流だ」
女生徒の手を取りながら叫ぶ。
「わかったよ~、あおちゃん」
りんはそのまま突っ込んでいく。
女生徒も恐怖で震えながら、かろうじて頷いている。
「いくよ」
震える女生徒の手をぎゅっと握って走り出す。
右手には『銅の剣』を出し、りんが突っ込んだあとを追随する。
敵は倒さなくてもいい、邪魔になるやつだけ攻撃して動きを止めるだけでいい。
強引に進んでいく。
すぐに、男子生徒の切り開いた道とつながる。
「こっちです」
その指示に従い。
3階の端『科学部』とかかれたプレートの下がった部屋に転がり込む。
後ろから追いすがってきたモンスターは廊下とその部屋の境界線で何か壁のようなものに阻まれて入ってこれないで居る。
どこかで見なかったか、こんな光景。
「急いで締めてくだい」
という声にあわてて戸を閉める。
「ふう、なんとかなりましたね」
男子生徒が振り返り少し疲れの見える顔を見せる。
「ありがとうございました。助かりました」
「ありがとう~~」
「あ、ありがと……」
「いえいえ、無事でよかったです」
「俺は来栖川 葵、このバカは東堂 凛」
りんの頭に手を置きながら名乗る。
「ええええ~ひどい」
りんの抗議は聞き流し。
「あと……」
女生徒を促すと、
「柏木 佐奈です」
何とか絞り出したような声で自己紹介をする。
「私は、科学部部長の山本 和夫、この学校では博士といった方がわかりやすいかもしれません」
ひょろっとした体に白衣をまとった男子生徒は、そう名乗った。
『逃げるよ!
りん』
『↓のリンクを一日一回クリックしてね~
お願いだよ!
逃げてます。 りん』




