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勇者になってみませんか?  作者: 七瀬 優
第二章 ヒロイン登場  りん「これから私のターンだ!」  ????「ターン終了」  りん「誰だ終了させたの!」
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気になる噂

少しずつ事態が動き始めます。



PS.毎日更新、継続中

 放課後が始まるとすぐにりんは教室を飛び出して行った。

 朝、出会った和宮さんを探しに行ったのだろう。

 昼休みもいつの間にか消えていて、帰ってきた時に「見つからなかった」といってたから多分あってるだろう。

 トラブルの種であるりんを、一人で行かせるのは何かと不安なのだが、今回は『まーちゃん』と『しーちゃん』が一緒だ。

 ある程度は安心できる。

 まあ、彼女達の手に余るトラブルを起す事が無いこともないので完全というわけではないが……。

 そうなったらそうなった時だ気にしてもしょうがない。


 それにしても何でだろうな?

 りんの起したトラブルは全て後処理が俺に回ってくるんだよな。

 これさえなければ、またバカな事をしてると笑って見てられるのだが……。

 

 

「さて、これからどうするか?」

 りんを置いて先に帰るか、それともりんを待っているか?

 いつもだったらりんを置いていくことに迷わない。

 ただ、今回は和宮さんに出会えたら俺の所まで強引に連れてきそうな気がするんだよな。

 まずはこの教室に、俺が帰っていたら俺の家まで……。

 さすがにそれだと和宮さんに悪いしここで待っていた方がいい気はする。

 あとは、このところモンスターのエンカウント率が上がってきてる気がするんだよな。

 前までは呼ばないとまずあえなかったモンスターがたまーに登下校中に遭遇することがあるのだ。

 りん一人でもやられる事は無いとは思うが……。

 周りの被害を考えて行動するとはまったく思えない。

 どんな騒ぎになるか考えるだけで、ちょっと避けたいと思う。


「まあ、たまにはのんびり待つか」

 俺は、何気なく教室の窓からグランドを眺めて時間をつぶす。

 グランドではサッカー部が試合形式の練習をしている。

 

 そういえば、サッカー部も先週の金曜日一時的に行方不明になったとか話してるクラスメイトが居たな。

 まあ、今普通に部活をしてるように日曜の夜には戻ってたみたいだが……。

 本当に何なんだろうな?

 この妙な行方不明。

 みんな無事に帰ってくるので学校もなんか危機感が大分薄れてる。

「何か裏に重大な事件が!?」

 な~んて、りんが好きそうな話ではあるけど今はほかの事で夢中なので首を突っ込む感じもないしまあ、気にしなくてもいいだろう。

 

 左サイドから右サイドにボールをパスし、パスを受けた選手がライン際を駆け上がり、コーナーあたりでセンタリング。

 ゴール前に走りこんだ選手がヘッドで決める。

 すごいな、さっきから同じ展開だ。

 ミスなども殆ど見られない。

 そういう練習なんだろうけど、もしかしてこの学校のサッカー部はレベルが高いのか?

 


「あおちゃん、あおちゃん、大変だよ~」

 お、りんが帰ってきたか。

 教室の入り口の方に目をやると、りん一人。

「あれ? 一緒にいった二人は?」

「さやちゃんの所に行ったよ~」

「一緒にいかなかったのか?」

「うん、だから大変なんだよ!」

 うん? いまいち話がつながらないな。

 まあ、今日に始まったことじゃないか。

「で、何が大変なんだ?」

「学校で暗くなってからモンスターが出るんだって」

 学校で一度モンスターと遭遇してるからそれ自体には特には驚かないが……。

「どこで聞いたんだ?」

「結構噂になってた~」

 噂か……という事は何人も遭遇してるもしくは、そう思う体験をしたという事か。

 暗くなってからという話だから、暗くなるとエンカウント率があがるのか?

 まあ、そんな気もしないでもなかったけど、今まではエンカウントの殆どを『くちぶえ』でやってたからな正確にはわからないな。

「モンスターと出会ってその後どうなったんだ?」

「であったって人達は隠れてたとか逃げたとかいってたよ~」

「そんなに何人も出会った人に話を聞けたのか?」

「うん、出会ってる人は結構いっぱいいたから、話も沢山聞けたよ~」

 これまではモンスターは殆ど遭遇しないからある程度楽観してたけど……。

 これは……。

「と、言うわけで今日の夜は学校のモンスター退治に行くよ~」

 とっさに止めそうになってはみたが、実際問題として倒すまでは行かなくとも、状況を確かめてはおきたいな。

 ここはあえてりんの提案に乗ることにした。

 ”りんの提案”という所に一抹の不安を覚えるのだが……。

「そうだな、ちゃんと準備して今日の夜に行って見るか」

「うん、さっすが、あおちゃん!」

 りんはとてもうれしそうに笑っている。


 

 う~ん、これは果たして笑っていてもいい状況なんだろうか?

 あと、りん……和宮さん探しに行ったんじゃなかったのか?

 多分途中で忘れたんだろうな。

 もしくは、『まーちゃん』と『しーちゃん』が和宮さんが帰ったことに気がついて別の事に誘導したか……。

 どっちだろう?

あお「ところで……りん。和宮さん探しに行ったんじゃなかったのか?」


りん「誰それ?」


あお「朝、りんに飴くれた女子だよ」


りん「………………」


あお「ん?」


りん「わすれてた~~~~~」

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