表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者になってみませんか?  作者: 七瀬 優
第一章 名称未定 りん「りんの大冒険がいいよ!」
33/75

モンスター退治……

「モンスターをやっつけるぞ~バンバン倒すぞ~」

 りんは物凄くご機嫌な様子だ。

 う~ん、遊び人でモンスターをバンバン倒す事が出来るのだろうか?

 あと他にも問題が……。

 先をどんどん進んでいたりんが振り返り、

「で、あおちゃんモンスターってどこに居るの?」

 そうなんだよな問題はそれなんだよな。

 モンスターがどこにいるかなんてさっぱり解らないんだよな……。

 でも、それに関しては楽観していた。

「ゲームとかみたいに適当に歩き回っていればエンカウントするだろう」

「そっか~早く会えるといいな~」

 足取りも軽く進んでいく。

「まて、りん一人でそんなに先行く……」

 ドテ

 うわ、顔面からいったな……。

 でもまあ、あの調子なら一人で先に進んではぐれる事もなさそうだ。



 それから、10分後……

「あおちゃん~モンスター出ないね~」

「ま、色々な場所歩いてみるしかないだろうな」

「そっか~じゃあ、あっちにいってみよ~」

 と、りんが駆け出して……

 ベチン

 本当に良くこけるな、何かこけ形が芸人の域に来た気がするぞ。



 30分後……

「あおちゃん~まだモンスターでないよ~」

「まだまだ探したりないんだろう」

「そっか~絶対見つけるぞ~~~」

 う~ん、もしかして町の中はエンカウントしないとか無いだろうな?

 う……なんかそんな気がしてきた。

 でもまあ、もう少し探してみるか……。



 一時間後……

「あおちゃん~まだなの~? つかれたよ~」

「そのうちでるさ……たぶん」

 やっぱり、エンカウントする場所が決まってるんだろうか?

 学校で出会ったんだから学校で探すべきなのだろうか?

 う~ん、でもな……この格好で学校をうろつくのもな……。

 もし、であったとしても学校で戦うのもな……。



 二時間後……

「つかれたよ~もう歩けないよ~」

 とかいいつつ普通に歩いてるな……。

 まあ、2時間程度歩いたぐらいじゃつかれて歩けなくなるりんじゃないよな。

 買い物とかの時は酷いからな……。

「つかれたよ~あおちゃん」

 まあ……二時間も収穫なしでもういいかげん飽きてきたんだな。

「のどが渇いたよ~何処のお店にはいろうよ~」

 りん、俺が金欠ってのを忘れてないか?

「あおちゃん~おごって~」

「…………」

 本気で忘れてるな。

「解った、俺の財布のお金を全部渡すから足りない分はりんが払えよな」

「おお~~~あおちゃんふとっぱら~~~」

 これで正真正銘の無一文だな。

 サイフをひっくり返して小銭をりんの手のひらに空ける。

 十円玉2枚と1円玉4枚あと、レシートが1枚。

 あ、PCの部品買ったやつだなこれは。

「あ、あおちゃん……これだけ?」

 りんは手のひらに乗った小銭を突き出す。

「しばらく前から、金欠だっていってるだろう」

「これじゃあ缶ジュースも買えないよ」

「だから足りない分はりんが出すんだろ?」

「だ……だまされた!」

 だましてなにだろうに。

「ううう……しょうがないから、缶ジュースはんぶんこだよ」

 独り占めをまったく考えてないところは凄いよなりんは……。

 まあ、口にだして褒めるのはなんかあれだし、しないけど。

「お店で、アイスクリームの乗ったやつとか……果物いっぱいのやつとか……頼もうと思ったのに……」

 そんなものおごらせるつもりだったのか。あと後ろのはジュースじゃなくてパフェとかだろう。

 遠慮とか容赦とかいう言葉も知らないのがりんだよな……。

「じゃあ、自動販売機さがそ~」

 テテテテテとりんは駆けて行く。

 トテ

「走るとこけるぞ」と口にする前にこけてるな。



 それから10分後……

「あった~~~」

 今度はモンスター探しとは違って比較的早く見つかった。

 自販機を探すのに10分もかかったのは、りんがコンビニなんかをスルーして自販機を探してたからだったりするのだが。

 コンビニでも缶ジュースは買えるだろうに、目的以外は周りが見えなくなるな。

 それ以前に家に帰ってジュース飲んだほうが早かったとかも言わないほうがいいだろうな……。

 そんな事を考えながら、りんが突き進む先を見る。

 確かに自販機がある。

 でもこの辺ではあまり見ない型だな。

 よく見る自販機と違って液晶に商品が映し出されている。

 あれって最新型の自販機だよな?

 俺が見たのは東京に行った時、駅の構内で見かけたやつだけだぞ。

 りんが大喜びしてたので覚えている。

 駅前とかならともかくなんで住宅街の一角にぽつんと設置したりするんだろうな?


「ジュース!!!」

 うん、ジュースしか見えてないな、りんはそんなだから足元がお留守になるんだぞ。

 そんな事を考えながら追いかけていた時、りんの前方の電信柱の上に見覚えのある妙なものが鎮座しているのを見つける。

 あの青色の水饅頭のような物体。

 今日、探し続けたモンスター。


 それが今まさに……。


「りん危ない!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ