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勇者になってみませんか?  作者: 七瀬 優
プロローグ
1/75

勇者の証

 『勇者になってみませんか?』

 いつもの某掲示板巡りをしていたら、こんなスレを見つけた。

 まあ、『なに、本気にしたの?バカじゃね?』みたいな人をおちょくる内容か、詐欺サイトへの誘導といった罠だろうとは思いつつもクリック。なかなか読み込まないな。

 こんな時、幼馴染のあいつなら「罠とわかってるのに突っ込むのはバカだよ」とでも言うんだろうな。いや、もしかしたら「『絶対に押さないでください』と書かれたら押したくなるよね」かもしれない。ま、説明読まずにボタン押しかねないところではあるが……。


 読み込みに時間がかかったから削除されたかと思ったが、出てきた出てきた、なになに……。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 題:勇者になってみませんか?

 名前:転職神殿の大神官 ××××/××/××(金) ID:4xD0zYi/


 皆さん、勇者なってみませんか?

 もし、なりたいと思うなら、今すぐクリック!!

 http://www.xxxxxxx/xxxx/xxxx/xxxx/

 戦士、僧侶、魔法使い、などなど他にも多数ご用意しています。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 うん、詐欺決定だな。

 書き込みも、『詐欺乙』とか『通報しました』なんてのが並んでいる。

 ただ、どんなサイトで詐欺するのかが気になる。

 迷わずリンクをクリック。あ……ウィルス仕込まれたらどうしよう、早まったかもしれない。バックアップいつ取ったっけ?


 画面のほうは、真っ白なHPに飛んで直ぐに転送される。転送先ではまた真っ白なHP。転送また転送、転送、転送……。

 うわ、手が込んでるな……。いや、これ無限ループしてないか?アドレスを見る。なんだか文字化けしてるが変わってるようだ。ループじゃないか。あれ?文字化けのアドレスに飛べたっけ?


 そんな感じで転送を何度も、何度も、いったい何回繰り返したのだろうか?これ作ったやつは暇人だな。

 1分ぐらいたっただろうか?やっと、真っ黒の背景に立派な神殿の絵が描かれたHPに転送される。

 神殿?これが転職神殿とやらだろうか?手が込んでるな。

 たぶん、神殿をクリックで進むだろうけど、その前に、アドレスを確認する。『       』と表示されない。え?何も書かれていない?何度見ても変化なし、しょうがないので、だめもとでブックマークをして先に進む。


 神殿をクリック!


 たどり着いたのは『転職の神殿』という名のHPだった。

 HPを読み進めると……というか。

 勇者の証:¥1500、戦士の証:¥800、僧侶の証:¥850……。

 職業名の証(?)、その職業の説明、値段の一覧だけだった。

 勇者1500円って……やっすいな……。といった感じであきれ半分に見ていく。

 最後は魔王の証で2000000円だった。

 …………。

 ……。

 はっ!?

 二百万円!?

 驚いて見直すが、やっぱり0の数は変わらない。

 俺は勇者と、二百万円の魔王ってのに引かれた。

 って、詐欺だろこれ、引かれてどうする俺!

 だけど、これで二百万詐欺られるのはバカだよな。

 ま、振込み先や個人情報要求されたらやめればいいだけだし。

 

 さて、どっちを試そう?



 勇者:世界を魔王から……


 ま、テンプレの説明か。



 魔王:世界を制する者。

    最強の力と最強の魔力を持ち。魔物たちを使役する者。

 

 およ?魔王の説明は否定的な説明がないな。何でだろう?

 ま、魔王になって勇者に倒されるのもいやだし(笑)、勇者にしておくか。


 勇者の証クリックをクリックすると、メール送信用のページにとんだ。

 名前の所には“ロト”もちろん偽名である。アドレスの所には使い捨てのフリーメールを入力して申し込む。

 

 直ぐに、入力したアドレスあてにメールが届く。

 

――――――――――――――――――――

 ご注文ありがとうございます。

 添付ファイルに入金をお願いします。

――――――――――――――――――――


 メールにはこの短い文章が書かれていた。

 添付ファイルに入金? その部分に疑問を覚えながら、添付ファイルを実行する。

 すると、モニタが真っ白い閃光を放ち、白い募金箱のような箱が出てくる。

 な……。なんだこれ!?

 ……。

 …………。

 ………………。

 暫く驚きで固まる。

 う~ん。夢でも見ているんだな。寝なおそうとベットに行って布団にもぐる。

 ………………。

 …………。

 ……。


 はっ!!

 思わず現実逃避してしまった。


 急いでPCの前に戻ると相変わらず募金箱が出たままだった。

 そうなると興味が沸いてくる。箱にふれてると、固いプラスチックの様な質感だった。

 振って見ると、カラッポのようだ。

 さて……ここで一つ問題が発生した。

 詐欺か何かだと思って、お金を払う事を全く想定していなかったのだ。

 うむむむむ。1500円。

 財布の中身は1524円。差し引きすると、残り半月を24円で乗り切らないとダメな計算だ。それも、どぶに捨てる事になるかも知れないのだ。

 迷った。迷いに迷った。これだけ迷うのは昨日衝動買いをした、ゲームを買うかどうか迷った時以来だ。

 と言うことで、募金箱に1500円を投入する。

 さよなら1500円。カムヒアー貧乏生活。

 募金箱は俺のなけなしのお金を飲み込むと、用は済んだとばかりに、さっさとPCに戻っていく。いったいどうやって出てきたのだろう?

 しまった!! お金入れる前にそれを確認するべきだった。後悔あとにたたずである。


 シーン。


 静まり返っている……。

 あれ……。何もおきない?

 まさか……。騙された!?

 こら~~!! 募金箱はきだせ~~~。

 モニタをガンガンゆする。当然、募金箱が出てくる気配がない。

 俺は部屋の隅から埃をかぶっていたダンベルを持ち上げて振りかぶる。

 大丈夫……俺は冷静だ。モニタを壊したら1500円以上の赤字になる。ふふふ……壊すなんてしないさ……。

 そこで、画面のメールボックスに一件の新着メールが来ていることに気が付く。

 あ……。

 ダンベルをゆっくりと床に置くと、メールの内容を確認する。


――――――――――――――――――

 入金確認しました。

 商品の方をお送りします。

 添付ファイルをご確認ください。

――――――――――――――――――


 急いで添付ファイルを確認する。

 ファイルを実行するとさっきと同じように、モニタから白い閃光と共に、手のひら大のメダルのようなものが出てきた。そのメダル(?)には大きな盾、その上に交差した剣と杖の絵が描かれていた。

 これが、勇者の証なのだろうか?



ノリと勢いで書いていきます。

よろしくお願いします。

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