第45話 どっちから誘ったの?
《朝比奈家 凪の部屋》
「士郎……シュキ♡」
「………おう」
俺は今、凪の部屋の凪のベッドの上に仰向けの状態で横になり両手両足を縛られており、下着姿の凪にお腹の上に乗られている。
どうしてこうなった?
「な、な、何なの? このハレンチな状況は?」
「……凪が勝ち誇った顔でボク達を見ているね? 何をやらかしたんだい? 光莉」
ペチンッ!ペチンッ!
「うぅぅ……止めなさい萌。ただの悪ふざけだったの。そしたらとあるハプニングでぇ……」
こちらの視覚では上手く見えないが、光莉は全裸の姿で正座させられながら。萌萌に玩具用の鞭でペチペチと豊満な胸を優しく叩かれている。うーん。実に真っ正直から見たい光景だな。
「貫通したのよ。これで私の勝ちだね。ひーちゃん」
「貫ちゅうぅぅ?! ど、どういう意味?」
「フフフ……まんまの今だよ。私と士郎は大人の階段を上ってしまった……」
「てないよね? 光莉。ほら! 証拠の動画を皆に見せなよ。どうせ、この部屋にも隠しカメラの数十台は設置してるんでしょう。」
ペチンッ!ペチンッ!
「しゃいんぁ!……脳筋ドスケベが何か言ってます」
ペチンッ!
「光莉? 今、なんて言ったのかな? いくら親友同士だからって、そんな事を言っていいと思ってるの?」
萌萌は怖い笑顔で光莉の乳房を掴んだ。
「ひぅ! お、思ってません。い、今、お見せしますから。萌よりも大きい私のおっぱいを触らないで下さい」
「………コイツ!! 本当に昔から私に対しては毒を吐いて、こうしてあげるんだから」
「にゃふいぃ! 萌が私より、お乳がないのがいけないんですよぉ」
端からは見ると喧嘩をしている様に聴こえるが、2人は楽しそうにじゃれ合っている。
「なんだよ。喧嘩が始まるのかと思ったら。遊び始めたぞ。全裸で」
「………何、起き上がろうとしてるのよ。士郎は私と貫通し合ったんだから。これで心置きなく続きの貫通を……」
凪は俺に力強く抱き付く。女の子特有の良い匂いが鼻腔を擽り、脳内を興奮させていく。
あぁ、惚れた女の子にこんな事をされれたら俺は欲望のまま凪を抱き締めて……
「貫通なんてしてないじゃない。ナーちゃん」
とか思っていたら。冷たい声で小鳥遊さんがそう告げた。
「……はい? 貫通してない? そんなわけ無いじゃない。あの衝撃は士郎と繋がった証拠よ」
凪は小鳥遊さんのその発言に反応して、ベッドから起き上がり。小鳥遊さんの方へと近寄って行く。
「なら確かめなくちゃね。あのベッドから落ちた時の瞬間の動画をね」
「……何でそんな動画が見れるのよ」
「バッチリと仕込んでましので」
「相変わらずの変態だね。光莉は」
「萌にだけは言われたくありません……萌にだけは」
4人の美少女達が一台のスマホを喰い入る様に見つめている。1人は下着姿の凪。2人は全裸の萌萌と光莉。1人は何故か負けじと制服を脱ぎ始めた小鳥遊だ。
「あの? 俺、いつまでもベッドに両手両足わ縛られてないといけないんだ?」
「……際どい。際どいんだけど? これって貫通してない?」
「してないね。的から外れるし……士郎君のやっぱり大きいんだね」
「ずっと成長記録を追って増すけど年々大きくなってますよ……シー君のこれ」
「そ、そんな。これじゃあ。ひーちゃんに先を越せな……あれ? ひーちゃんはどこに行ったの?」
「「さぁ?」」
◇
「小鳥遊さん。何で制服を脱いでんだ」
凪達が動画に夢中になっている間に小鳥遊さんが俺の方へとフラッとやって来た。
そして、凪と同じ様に俺のお腹の上へと静かに乗っかると。
「士郎くん。おバカな娘達なんて放っておいて交わろっか♡」
「小鳥遊さ…んごぉ」
数日前の空き教室の様にキスをされた。舌が口の中へと静かに侵入して来る。
「2人きりの時は柊でしょう……士郎くんのおマヌケさん」
幼さが残る顔立ちに、ウェーブかかった金髪。身体も華奢で守ってあげたくなる女の子。そんな女の子が下着姿で妖艶に俺に笑いかける。
────小鳥遊さんって……いや、柊って。やっぱりめちゃくちゃ可愛い。俺はこんな娘に積極的に迫られているのか。
「柊……俺は……」
「うむうむ……後の事はこのひーちゃんに全て任せて良いのだよ。士郎くん。だ・か・ら……一緒に貫通しちゃうんだぞ♡ 私の士郎くん」
柊はそう言うと下の下着を脱ぎ始め様として……
「凪ちゃーん! お腹こちょこちょ!!」
「ひゃぎゅあ?」
「萌! 羽交い締め!」
「ふぎゅあ?」
「光莉ちゃん。下着脱がし!」
「キャアア////」
動画に夢中になっていた。3人に柊は取り押さえられる。具体的にいうと凪にお腹わ擽られ柊は海老ぞりに身体をのけ反らせ、萌萌に取り押さえられ、光莉に下着を脱がされて全裸にされた。ついでに凪も全裸だった。
「ニャアァァ! にゃ、にゃにするのよぉ! 皆」
「……先に貫通なんてさせないわよ。ひーちゃん」
「腹黒い柊なら抜け駆けしようと思ってたよ」
「こうなったら早い者勝ちですね……」
「「「「…………」」」」
光莉がそう言うと。4人は何故か静かになった。
俺は少し嫌な予感がし始めた為、拘束が緩んだ両手両足の紐から抜け出し。自分の服を着た。
この部屋から脱出を図る為である。美少女4人の全裸を肉眼で見ないように、目線を床に向けながら静かに静かに部屋の扉へと進んで行き……
ガシッ!ガシッ!ガシッ!ガシッ!
「どこに行くのよ。士郎」
「私達がこんな状態なのに放置プレイなのかな? 士郎くん」
「もう最後は4人総出の大乱闘って事で話がついたよ。士郎君」
「シー君。私、貫通は初めてだから優しくして下さいね」
「……き、君達。さっきまでバチバチだったはずじゃあ?」
「「「「問答無用! 観念しろおぉ! この朴念仁!!」」」」
「ちょっ! 4人で一斉に俺の服を脱がすな!……や、止めろ! キャアアア!! 誰か助けてくれえぇ!!」
俺は4人の美少女達にベッドへと放り込まれ。めちゃくちゃにされた。その内容が何だったのか分からないがめちゃくちゃされた。
多分、あれは全身擽り攻撃だったんだと信じている。
そうそれ意外は何もなかったのだ。多分………つうか俺はいったい、何時になったら凪に正しい告白が出来るんだ?
この間違った告白から始まった色々な恋も様はいつまでも続くんだろうっとか思いながら、俺はよにに好き放題されていた。




