第42話 暴走の光莉ちゃん
《数時間の放課後》
「このメイド服とシスター服のコスプレを士郎に見せて驚かせようと思うんだー! どう? そうすればあの朴念仁の士郎も私達の魅力に気づいて…」
「……足りませんね」
「へ? 光莉ちゃん。今、何て言ったの?」
「足りませんって言いました……もっと際どく攻めないといけません。でなければシー君は私達の誘惑になんて絶対に堕ちませんよ」
「じゃ、じゃあどうすれば良いのよ? 」
「私に良い考えがあります。多分、こうすればシー君は興奮して3●ーに移行できますよ」
「何々?……へ? そんな事するの?」
◇
光莉ちゃんにそんな事を言われて、際どい下着を着て椅子に縛られたんだけど……これじゃあ。私、動けないじゃない! それにこのままだと光莉ちゃんに先越されちゃう!!
「フフフ……シー君。凪さんが大切なら私の言うことちゃんと聞かないといけませんよ」
「……彩希さん。俺に何をさせる気なんだ?」
「そうですね。先ずはその彩希さん呼びを止めて頂いて……わ、私の事は光莉と呼び捨てにして下さい……シー君」
「はぁー? ちょっと! 作戦と違う。何、どさくさに紛れて士郎との仲を進展させようとしてるのよ! 光莉ちゃん」
さっき言ってた作戦と全然違うじゃない。どうなってるのよおぉ!
「作戦?……いや、それよりも今は言う事を聞かないと凪が何をされるか分からん……光莉。これで良いのか?」
「にゃふん……も、もう1度言ってくだしゃい! シーきゅん」
光莉ちゃんが淫乱な身体を悶えさせながら、士郎に懇願してるんだけど。
何これ? 私は何を見させられているのかな?
「あ、ああ、光莉」
「ニャハンン! ワンモアです」
「光莉!」
「ヒにゃんん! もう一度だけ。強めに」
「光莉!!」
「ハニュアアンン!!」
「ちょっと! アンタ達。私の部屋で何のプレイをしているのよ! 変態なの?」
「……今から始めるんですよ。ねえ? シー君」
「ん? あぁ、そうだな。光莉」
士郎と光莉ちゃんはそう言うと何故か手を繋いで、私の部屋のベッド移動した。
「はぁ? し、士郎。アンタ何やってるのよ? いつもの自制心はどうしたのよ? いつもわたしが誘惑しても襲って来ようともしないくせに!」
「フフフ……凪さん。興奮剤とかお香って知ってますか? あれ、結構シー君には効くんですよ。こんな風に……シー君。私をギューってしてくれませんか?」
「……あぁ、任せろ」
「あん! 擽ったいです。シー君」
士郎は光莉ちゃんの頭と腰に手を当てると力強く抱き締めた。
「な?……士郎。アンタ何やって……あれ? この匂い? 何?」
「あら? やっと気づきましたか? 凪さん。ネットで買った。強めのアロマのお香ですよ。男を誘惑になんてするなら是非にって載っていたので買っちゃいました」
「まさか。それで士郎の……」
「始めてのあれは私が頂きます。そして、既成事実を作ってしまえば私の勝ち……シー君。私に優しくキスして下さい♡」
「そんな道具を使って士郎を誘惑するなんて卑怯よ! 士郎。キスするなら私にしなさい! その後、私にどんなエッチな事をしたって許してあげるんだから!」
私は形振り構っていられなかったので、そんな事をくちばしってしまって。後で後悔する事になるなんて思うわけないじゃない。
パキンっと何故か士郎に掛けられていた手錠が外れて……
「……凪に何でもして良いのか?」
「え? 良いわよ! なんなら始めてだってあげる覚悟で今日は…」
「へ? シー君。凪さんではなくて、私のお願いを聞いて下さ…」
「良し分かった! 凪! 俺はお前を!」
「ちょっ……士郎。何でいきなり……あむ?!」
「シー君! 私が先です……はにゅうう! そこ……敏感なのに触ったら駄目ですよおぉ!」
士郎はお香のせいで頭が可笑しくなっていたみたいね。私の拘束を無理矢理外して、いきなり私に抱き付いたと思ったら。あんな事をしてくるなんて……
その後、私と光莉ちゃんはずっと士郎にあんな事やこんなに事をされて、意識が飛んだの。
《朝~》
チュンチュン……チュン!
「ん?……ここは凪の部屋? あぁ、そういえば昨日の夜、遊び来てたんだよな……なんか昨日はぐっすり寝れて疲れも取れてんなって! 2人とも朝からなつう格好してんだよ」
昨日の夜は士郎にずっと擽られていたから、下着がずれた状態で寝落ちしちゃったのよ。
「アンタのせいでしょう……それに何でアンタが元気なの」
「……シー君を攻略するって本当に大変なんですね。私、もっと頑張らないと……ガクッ」
「光莉ちゃんがさのせいでしょう。どうするのよ。士郎に身体中まさぐられたじゃない……ガクッ」
「お、おい! 2人共。しっかりしろよ。つうか服を着ろー!」
そうして、私と光莉ちゃんは士郎の誘惑に失敗しちゃったの……トホホ。




