第29話 新たなに変化した人間関係だけど。恋人なら
先週は色々な事があった。柊の事や。凪の事。凪の事。3人の女の子達による三者三様の出来事が。そして、目を覚ませば今日は、連休明けの月曜日なんだが。
チュンチュン……
「あっやっと起きたね。士朗君。おはよう♡」
「……萌萌? 何で俺の部屋に君がそんな格好で居るんだ?」
西蓮寺萌がうす緑色の下着だけを着用して、俺の身体に抱き付いていた。
「んー? 覚えてないの? 今日からボクと柊で士朗君家に居候する事になったのにさ?」
「は? 居候? そんな話しした覚えはないぞ」
「えー? でも士朗君のお母さんが急遽、士朗君のお父さんが居るイギリスに住む事になったから、凛と士朗君の面倒をお願いねってボク頼まれたんだけどなぁ。はい、これがその証明書の写真」
萌萌は胸元からスマホを取り出すと。何か凄い文字量で書かれた紙と判子が押されている画像を俺に見せて来た。
「桐生凛及び桐生士朗の当分のお世話を小鳥遊柊さんと西蓮寺萌さん、住み込みの家政婦としてお願いする? 尚、住み込み時に発生した事故は互いに親密になって解決する事……なんだこれ? 最後の文章意味が分からん。親密ってなんだよ」
俺が書類に書かれた事を見て衝撃を受けていると。
「可憐ママからは。士朗をよろしくね~、嫁候補ちゃん達って頼まれたんだよ……」
「母さんがそんな事…つっ! 何だ? 腹辺りに何かあったって?」
「……フフフ。へー、ボクのこの格好を見て、ちゃんと反応してくれてるんだね。士朗君♡」
「いや、これは朝だから立ってるだけでだな……くっ! は、放せ。萌萌」
「んー? イヤだ~、フフフ」
萌萌は妖艶に笑ったと思えば、俺のお腹の上に乗って来た。
「お、おい! 朝から何をする気だ?」
「んー? 朝から何を想像してるのかな? 土曜日のお風呂じゃあ。全然、反応してくれなかったのに。今はこんなだもんね~、嬉しい。あのボクからのキスで意識する様になっちゃったのかな?」
「ち、違う。俺は凪じゃないと……うぐ」
俺のあれを握る萌萌の握る力がいきなり強くなる。
「女の子が朝からこんなに恥ずかしい格好でいるだからもっと喜んだら?……もういいよ。これでチェックメイトだからね」
「……チェックメイト?」
「うん。チェックメイト。ヨイショっと」
萌萌はうす緑色の下着をいきなり脱ぐと……
「これでボクの勝ちだよ。萌、柊。先に大人の階段を上らせてもらうからね」
「お、おい。止めろ。萌萌。何をする気だ……止め」
ガチャッ!
「士朗君~! おはよう~、今日から毎朝、この柊ちゃんが起こしに来てあげたぞ~……ん?……んんん?」
「は? 柊?!」
「ひー、何でノックもせずに入って来るんだい? これから良いとこだったのにさ」
制服にエプロン姿で柊が扉を開けて入って来た。
「も、も、萌ちゃーん! 朝から士朗君と何をしようとしているのー! は、裸で士朗君の上に股がって何を?」
「んー? チェックメイトをしようとしてるだよ。ボクと士朗君の関係にね…ヨイショっと。士朗君行くね」
萌萌は腰を浮かせると……
「ホァター!」
「なっ? 凛? 何で君がこんな所に……」
「お、おい。 萌萌、どうしたん? 確りしろ」
萌萌は俺の身体の上でしなだれて来た。力が抜けたのだろうか? 上手く動けないみたいだ。
「いや、ここ私の家だし。全く、兄貴に朝から何をしておかるか。萌姉は」
「……士朗君。身体、動かないよ~、助けて♡」
「萌萌。身体を擦りつけるな。当たってるって」
む、胸が当たっている。萌萌の胸が俺の胸元に。
「こ、こら~、私の彼氏君の前で何をしてるの~、萌ちゃーん! 士朗君から離れなさい!!」
柊が料理に使っていたのだろうか? お玉を振りかざして俺達の方へ襲いかかって来た。
◇
《リビング》
「萌ちゃん。私の彼氏君に手を出しちゃ駄目って昨日、言ったでしょう!」
「偽りだらけの疑似彼氏君でしょう。ひー、はいつも見栄えばっかり気にして中身が薄いんだから」
「な?! も、萌ちゃんだって! 何かを好きになったら直ぐに暴走を始めるじゃない……何? このエッチに育ったおっぱいは中学生の頃は同じ位の体格だったのに~!」
「ちょっと! 柊。何でボクの胸を触るんだい? は、離れてよ」
うちの家のリビングで美少女達がキャットファイトしている件。
「何にしてんだ? あの2人は、つうか。萌萌、シーツで身体を隠してないで制服着ろよ」
「……美味。柊姉さんって、料理上手なんだね~、兄貴。柊姉さんは良いお嫁になるよ。これ」
「可愛い良いしな……それに」
性格も優しいと言おうした瞬間。
「「士朗君! どっちを選ぶの?」」
全裸の萌萌と、萌萌に半裸にされた柊が俺の元へやって来る。キャットファイトで服でも乱れたんだろうか?
「ん? 何が?」
俺は2人の姿を見ないように、目を反らしながら質問する?
「柊か? だよ」
「萌ちゃんか? だよー」
「……んー? 可愛い我が妹で」
「ほう。妹ルートがご所望で。お兄様」
「「妹ルート? そんなの駄目に決まってるでしょー!!」」
柊と萌萌の叫び声がリビングに響き渡った。
……これが新たな日々の始まりなんだなー、と思いながら美味しい朝食を食べた。




