将来飼うモノ其の十 〜 ラマ&アルパカ(☆)
このエッセイシリーズは100話完結の予定です。只今93話目……なのに何故ここでこんなに内容の薄い中途半端な話を書いたかと言うと、実はこれで30万字ピッタリだったのです……!(そして百面相第二弾をやるほどイイ写真がなかった。)
私の母校には様々なクラブがあったが、私はラマ&アルパカ医療クラブの部員だった。クラブに入った理由は唯ひとつ。ラマの写真をあしらったクラブのTシャツがユーモラスで可愛かったから。しかし母無し仔ラマに哺乳瓶でミルクをあげたのは、私の獣医学生時代の思い出ベスト3に入る。
南アメリカ原産のラマとアルパカは写真で見ると似ているが、実際は大分違う。頭までの高さが120〜150センチ弱、体重45〜80キロと小柄なアルパカに比べて、ラマは大きいものでは身長180センチ超、体重200キロ。食肉用や荷物運びに使われるラマの毛は硬くゴワゴワで、体毛の為に品種改良されたアルパカはフワフワ。
しかし最大の違いは性格だ。
ラマは穏やかで人懐っこい。アルパカはチビの癖に凶暴で我儘。ラマに注射をするのは簡単だが、アルパカには聴診器を持って近付いただけで前脚で殴られそうになった。
ラマ・アルパカが喧嘩の一環として唾を吐き合うのは有名だが、彼等がこれを人間に対してやる事は滅多にない……筈なのだが、私のクラスメイトは見事アルパカに唾をかけられた。ブシュッという噴射音と共にシャワーのような勢いで浴びせられた唾は、飲み過ぎで胃の悪いオジサンのような酷い臭いだった。
郊外をドライブ中、ジェイちゃんが羊の群れを指差して叫んだ。
「あ、なんか奇形が一匹混じってる!」
奇形の羊の正体は牧羊犬ならぬ牧羊ラマ。
羊をコヨーテ等から守るのに、去勢された雄ラマが最近注目を集めている。雄ラマは産まれたての仔羊達を可愛がり、チビ達が群れからはぐれないよう見守り、彼らの為なら肉食獣達との戦いも辞さない。本能からの行動なので牧羊犬のような特殊な訓練も必要なく、餌も羊と同じ。おまけに丈夫。とぼけた表情も愛嬌がある。
「ラマやアルパカには公共トイレがあって、群れの全員で同じ場所で糞尿するから、掃除が簡単なんだよね。犬みたいにトイレの躾をして家の中で飼うのも可能……」
私から目を逸らせ、ジェイちゃんが無言で車を発進させた。
コヨーテ犬エンジュを見て興奮するラマ。
ヤジ牛。
祝! 300000字ぴったり。




