呪い
突如光りだしたインベントリを漁る。原因はわからないけど、タイミング的に私が〈病魔吸収〉をうまく発動できなくて腕が濁ったことと関係あるはずだ。
ただ持ち物整理してなかったのでいろいろ乱雑で反応してるのがどのアイテムかわからない。こんなことなら売るだけじゃなく時間ができたときにアイテムの並びを整理しておくべきだった。
そもそもなんで一括整理みたいな便利な機能がないんだ。いや八つ当たりなのはわかるけど。ちゃんと整理整頓してない私が悪いのはわかるけど!でもそういう機能ってあってよくない?ほら、大体UIの右上にあったりするじゃん・・・あれ?前までなかったUIが増えてる。なにこれ。
「うぇ・・・」
やばいそんなの考えてる暇なかった。多分濁ったのが原因だと思うけどHPの最大値がちょっとづつ減って行ってる。あとついでに初めてお酒を飲み過ぎたときくらいの吐き気。え~と反応してるのはどれだ?
「うぷ・・・」
多少のめまいも来た。あ、やべ。なんか新しく出てたUI押しちゃった・・・おお!?インベントリ一括整理してくれた!理由はわからないけど助かったのでヨシ!反応してたアイテムは・・・怨念の塊?とりあえず出してみるか。
「ルピナス嬢!?どこでそんな危険なものを!?」
「あ、楽になった」
怨念の塊を右手に取り出した瞬間、さっきまでの濁りが消えてHP最大値減少も消えた。眩暈と吐き気もない。消えた理由は・・・そういえばこれ、呪いを吸い込むため扱いに注意しなければならないって書いてたな。ってことはキーラさんについてるのは怪我でも病気でもなく呪い?それなら〈病魔吸収〉で吸えなかったのも理解できるけど。
っと、とりあえずキーラさんも楽にしてあげよう。
どこに置けばいいかわからないので、とりあえずキーラさんのおなかの上に置いてみる。するとどうだろう。キーラさんの体から黒い靄が一気に溢れ出てくる。それは逃げるように様々な方向へ散っていったが、それはかなわず全て怨念の塊に吸収されていった。
「・・・あら?いったい何が・・・」
「キーラ!目が覚めたのか、よかった・・・ルピナス嬢、いったい何を?」
「呪いを吸い込むアイテムを近づけたら吸収した。小精霊が吸収できるのは怪我と病気だけだったから小精霊じゃ駄目だったんだと思う」
「そうか、呪いが・・・すまない、諸々含めて話がしたいんだが、時間はあるだろうか?なるべく早いほうがいいのだが」
「明日の朝10時くらいなら大丈夫」
本当は今からでも行った方がいいんだろうけどね。さっきの吐き気と眩暈でちょっと体調がよろしくないからもう寝てしまいたい。いま難しい話をされても理解できる気がしない。
「それではその時間に領主館に来てくれ。私たちも今日は帰らせてもらおう。少々騒ぎ過ぎた。では、また明日頼む。今日は助かった、ありがとう」
そう言いキーラさんを支えながら歩くシモンさんを見送る。今日は疲れた。結構動き回ったし、さっきはいろいろ焦ったし。明日はさっき手に入れた〈空間把握能力強化〉とか検証したいな。




