第94話 きっかけの魔獣
火の2の月、2の週の月の日。
夏真っ盛りで連日暑い日が続くが、この世界には夏休みなんて気の利いたものはない。
湿度が高くないのでまだましだが、それでも暑いものは暑い。
ミカは「冷えたビールが飲みたいなぁ~。」などと考えながら、退屈な授業を聞いていた。
「ミカ、来月の陽の日で都合のつく日はありますか?」
昼休みになりレーヴタイン組の皆と昼食を食べていると、クレイリアがそんなことを聞いてきた。
「都合のつく日? 別にいつでも都合はつくけど?」
ミカの陽の日の予定など、クエスト以外は入っていない。
金貨数枚分の予定という考え方もできるが、そこまであくせく稼いでいるわけではない。
というか、ちょっと自分でも怖いくらいに稼ぎすぎである。
「まあ、良かったですわ。」
クレイリアが、ぱぁぁと笑顔になる。
「来月、お父様が王都にお見えになるのです。 その時にミカにお会いしたいそうですわ。 予定を確認しておくようにと、連絡がありましたの。」
「……なっ……あ……!」
絶句した。
まさかの侯爵からの呼び出しだった。
クレイリアはにこにこしているが、その場の全員が顔を引き攣らせる。
「ミカはすごいですね。 お父様が王都にいらっしゃったら面会したいと、すでにいくつもの申し込みを受けています。 ですが、そうしたものは基本的にはお断りするようなのです。 そのお父様がお忙しいスケジュールの合間を縫ってでも、ミカとはお会いしたいとおっしゃっているそうですよ。」
クレイリアは心底感心しているようだが、ミカは生きた心地がしなかった。
(……侯爵との面会とか、どんな罰ゲームだよ。)
先にクレイリアの用件を聞いておくべきだった。
いや、例え聞いていても結局は同じだろう。
侯爵からの呼び出しを断れるわけがない。
いくら無茶ばかりするミカでも、そこまでの命知らずではなかった。
周りで聞いていたレーヴタイン組の皆から、同情と憐みの籠った目が向けられる。
(そんな目で俺を見るな、ツェシーリア……。)
正面に座ったツェシーリアは、死んだ魚を見るような目をしていた。
「ミカ君、大丈夫……?」
リムリーシェが心配そうに声をかける。
「だ、大丈夫だよ…………たぶん。」
クレイリアの後ろに控える護衛騎士ですら、この時は同情の籠った目をミカに向けていた。
クレイリアが屈託のない笑顔をミカに向ける。
「詳しい日程が決まり次第、またお知らせしますね。」
「あ、ああ、うん……、そうしてくれる?」
ミカは必死に努力して、何とか笑顔をつくる。
(頬っぺた引っ張ってやろうかな。)
八つ当たり気味に、そんなことを思いながら。
■■■■■■
火の2の月、3の週の陽の日。早朝。
ミカは王都の北、乗り合い馬車で一日以上かかる山に向かって飛んでいた。
最近は”呪い系”のクエストばかりやっていたので、「普通の依頼がやりたいなあ」と昨日の土の日に掲示板で依頼書を見ていた。
”呪い系”は大変実入りがいいので贅沢な話ではあるが、ぶっちゃけ少し飽きた。
”幽霊”はソウ・ラービ以上に勝ち確だし、”骸骨”は普通はいない。
いたとして”幽霊”よりも動きが遅いくらいなので、油断さえしなければやられるような相手ではない。
そんな訳で、「何か面白い依頼出てないかなあ」と掲示板を見ていたら、見つけてしまったのだ。
「Cランク、アグ・ベア討伐。 金貨二枚。」
アグ・ベア。
この世界に来て初めて見た魔獣。
ミカが冒険者や魔獣に興味を持つきっかけになった魔獣だ。
まだ出されたばかりの依頼のようだが、王都にいる冒険者は受けるつもりがないようだった。
依頼の出された場所を情報担当のギルド職員に聞くと、王都から乗り合い馬車で一日以上離れた村。
この依頼は「達成の早い者勝ち」のようで、王都の冒険者がスルーするのもそれが理由だ。
「今から行っても、近くの冒険者が先に討伐してしまうだろう。」
わざわざ一日以上もかけて歩き、先を越されたらただくたびれただけ。
それだけのリスクを負うほど報酬も高くない。
往復するだけで二日。
それだけの時間と労力をかけて先を越されるリスクを負うなら、近場で金貨一枚でも稼いだ方がいい。
そう判断する冒険者が多いのだろう。
だが、ミカは情報担当のギルド職員に様々な質問をして情報を仕入れ、空振りでもいいから行ってみようと決めたのだった。
アグ・ベアはこの国の、割とどこにでもいる魔獣らしい。
全国で生息が確認されているが、基本的には森や山の奥深く。
魔力の多く溜まった地にいるらしい。
だけど、時々そうした生息地から外れた個体が現れる。
そうすると、村を襲ったりするのだという。
(正にリッシュ村を襲ったパターンそのものだな。 …………あの時は、正直ビビった。)
感慨深いとでも言えばいいのだろうか。
懐かしいような、でも身の毛もよだつような、不思議な感覚。
誤魔化さずに言えば、あの時はとても勝てる相手だとは思えなかった。
ただ必死に勇気をかき集め、家族を守るために一発だけの”火球”で、何とか隙を作り出そうと考えただけだった。
(今の俺で勝てるだろうか……?)
自信は…………なくはない。
この言い方だけでも自信のなさが伺えるが、別に自信がないわけではない。
あまり自信を持って「勝てる!」と言い切れるわけではないが、それでも手持ちの魔法も増えた。
”風千刃”や【身体強化】という切り札もある。
何より、経験を積んできた。
今ならアグ・ベアとも正面きって戦えるのではないか。
そう、気負いなく思えたのだ。
「……この村か。」
目指していた山の東。
麓にある森に隣接する村の上空で、討伐依頼を出した村を見下ろす。
山の麓の深い森に、隣接する村。立地がまんまリッシュ村である。
アグ・ベアはこういう地形を好むのだろうか。
上空から高度を下げながら村を観察する。
いくつかの家屋がひどく壊され、荒らされていたが、動く物は見当たらない。
依頼の詳細を聞いた時、ある程度の状況の説明を受けている。
村は現在無人。
アグ・ベアが襲撃してきた時、農夫一人が犠牲になったらしい。
そのおかげというのもあれだが、その隙に何とか村人たちが避難することに成功。
だが、その避難の際に自警団員がさらに一人犠牲になった。
犠牲者は計二名という訳だ。
正直、あれだけ凶暴な魔獣の襲撃で、たった二人の犠牲で済んだのは奇跡だと言える。
文字通りに、全滅、となっても不思議はないのだから。
つまり今のこの村で動く物は、アグ・ベアか、アグ・ベアを討伐しに来た冒険者、といったところ。
他の可能性は、ほぼ考えなくていいだろう。
「見当たらないな。」
高度を下げながら確認するが、魔獣も冒険者も見えない。
壊れていない家屋の中にいるのか。
すでにどこかに移動したのか。
「どこかに移動されたとしたら厄介だな。」
森の中に入ったのでは探しようがない。
森以外のどこかに向かったのだとしても、やはり探しようがない。
「ん?」
その時、半壊した家屋の一つから、煙が微かに上がっているのが見えた。
「火事……?」
昨日の夕方に依頼書を見た時に、村人が避難したという情報も聞いているので、その時の火の不始末だったらとっくに家屋全体に広がっているはずだ。
つまり、あの火はその後に点いた可能性が高い。
まだ火が点いて間がないとしたら、そこに冒険者がいる可能性がある。
「やっぱり、先を越されたか?」
ミカは周囲を確認し、一応火の元からは他の家屋で見えづらい位置に着地する。
村の周りにも人はいなそうなので、これでおそらくは誰にも見られていないはずだ。
ミカは寮を出た時から”制限解除”、”吸収”、【身体強化】を発現している。
ここからは"低重力"を止め、”地獄耳”と十メートルの魔力範囲を使う。
ミカは慎重に煙の上がっていた家屋に近づく。
そこにいるのが冒険者だったら、…………仕方ない。
先に来ていたパーティに譲ろう。
だが、別の可能性だってありえる。
ミカは目的の家屋から十分に距離を取り、物陰に隠れながら家屋の壊された側に回る。
そこから、少し中の様子を窺おうと考えた。
どうやら火が点いているのは、壊され飛び散った材木のいくつか。
家屋自体が燃えている訳ではないようだ。
建物の中は薄暗くて、奥の方はよく見えない。
”地獄耳”を強め、木の爆ぜる音はカット。
他の音を探す。
もしも冒険者なら話し声や足音などが聞こえるはず。
だが、ミカの耳に届いたのは、そのどちらでもなかった。
……クチャクチャ、ブフーッ……クチャ……ブフーッ…………グチャ、クチャ……ブフーッ……。
ミカは思わず額を押さえ、溜息をつく。
水っぽい何かを咀嚼している音と、獣らしい荒い呼吸音。
(まだ火の点いた木片……。 で、今食べてるその餌はどこから調達したんだい?)
アグ・ベアは火を使わない。
なら、おそらく火の原因は冒険者だろう。
そしてアグ・ベアはまだ健在。
現在はお食事中と思われる。
となれば、凡その状況は想像通りだろう。
(朝一で襲撃、返り討ち。 ってとこか。)
悔しさだろうか。
冒険者がやられたという事実に、ミカの頭に血が上っていくのが、自分でも分かった。
ミカは身を潜めていた場所でゆっくりと立ち上がり、普通に家屋に向かって歩いていった。
グゥウオオーーーーーーーッ!!!
ミカが半壊した家屋の二十メートルくらいにまで近づいたところで、アグ・ベアの咆哮が聞こえてきた。
どうやらミカの気配に気づいたようだ。
ミカは顔をしかめて咆哮の音量を少し減衰させる。
そうしてその場で立ち止まり、アグ・ベアが出てくるのを待つ。
すると、半壊した家屋から真っ黒い塊が出てきた。
その黒い塊はゆっくりと立ち上がり、両手を広げる。
グゥウオオオオーーーーーーーーーーーーーッ!!!
そして、もう一度咆哮する。
アグ・ベアの四つの目は赤く爛々と輝いていて、あの日の記憶が鮮明に甦ってきた。
あの時の記憶に、身体が竦みそうになる。
ミカは懸命に勇気をかき集め、縮み上がりそうな心を必死に奮い立たせた。
(そこそこでかい……。 二メートル強ってとこか?)
アグ・ベアは、大きいものだと三メートルを超えるらしい。
だが、この個体はそこまでの大きさではない。
ちなみにアグ・ベアは、中型の魔獣に分類される。
ミカがこれまで倒した魔獣は、すべて小型に分類されるものだ。
そして、アグ・ベアが中型の魔獣の中では一番小さいらしい。
それでは普通の中型はどれくらい大きいんだって話だが、だいたい四メートルくらいまでが中型に分類されるのだとか。
つまり、大型は四メートルを超えるという訳だ。
絶対に遭いたくない。
ただ、種族毎の分類はあくまで目安であり、小型の魔獣でも二メートルを超える個体もいる。
中型の魔獣でも二メートル以下もいれば、四メートル以上もいる。
重量感なども考慮して、大体の目安として定めているだけのようだ。
ミカが左手をアグ・ベアに向けると、
グゥウオオオオーーーーーーーーーーーーーッ!!!
もう一度咆哮が聞こえてきた。
だが、目の前のアグ・ベアではない。
「え? ……なに?」
どこから!?
ミカが一瞬戸惑うと、目の前のアグ・ベアが突進してきた。
「チッ! ”石弾”!」
バシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュンッ!!!
ライフル弾タイプの”石弾”をマシンガンのように連射し、突進してくるアグ・ベアの身体に何十発と浴びせる。
だが、アグ・ベアは止まらず、そのまま突っ込んで来る。
「くそったれ!」
なんちゅー頑丈さだ。
ミカは横っ飛びでアグ・ベアの突進を躱し、すぐに体勢を整える。
突進してきたアグ・ベアの方を向いたミカの後ろから、家屋をばきばきと破壊する音が聞こえ、再び咆哮が聞こえてきた。
グゥウオオオオーーーーーーーーーーーーーッ!!!
グゥウウオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!
その咆哮に合わせ、目の前のアグ・ベアも咆哮する。
(アグ・ベアは二体いる!)
一瞬だけ振り向いて後方を確認する。
先程アグ・ベアが出てきた家屋から、壁や天井を破壊して別のアグ・ベアが出てきた。
(でかい! 三メートルを余裕で超えてる!?)
新たに現れたアグ・ベアは、顔面の半分と肩の辺りまでが火傷をしているようだった。
(先着した冒険者がやられた理由はこれか!)
アグ・ベアが二体いるなど聞いていない。
ソロなのかパーティなのか知らないが、おそらくこのイレギュラーな状況に対応しきれず、先に着た冒険者はやられてしまったのではないだろうか。
ミカは一瞬、どうするかを悩む。
ミカは今回のアグ・ベア討伐を、「飛行なし」で挑むつもりだった。
ぶっちゃけ、飛行ありなら上からただ撃ち下ろすだけの簡単なお仕事だ。
だが、それで勝って自分が強くなれたと言えるだろうか。
勿論、どんな方法であろうと勝ちは勝ちだし、一方的に攻撃するだけの状況を作り出したのであれば、その状況を作ったことも強さの一つだ。
だけど、ミカが今回のアグ・ベア討伐で望んでいるのはそんなことではない。
ディーゴのようなCランクの戦闘職は、一人でアグ・ベアを倒す。
ミカとディーゴでは強みが違うので、同じような戦闘方法という訳ではない。
それでも、正面から堂々と挑み倒したい。
そんなことを考えていた。
「…………やってやるよ……っ!」
ミカは先程突撃してきたアグ・ベアに向かって走り出す。
「”石弾”!」
”石弾”を連射しながらアグ・ベアの横を通り、挟み撃ちの状態を解消する。
何十発もの”石弾”を喰らいながら、それでもアグ・ベアは倒れない。
再びミカに突進してくる。
「タフ過ぎんだろ!? 化物かっ?」
まあ、似たような物だろう。
ミカは横に飛んで突進を躱し、体勢を整える。
”石弾”よりも”風刃”の方が有効だろうか?
ガシャンッバキバキガランゴトンガシャゴシャッバキバキバキバキィ!!!
通り過ぎていったアグ・ベアは家屋に突っ込み、柱やら家具やらをぐちゃぐちゃに倒し、落ちて来た天井に埋もれる。
ミカは残った火傷を負ったアグ・ベアを見る。
アグ・ベアは姿勢を低くし、突進する体勢を作っていた。
グゥウアアアァァーーーーーーーッ!
アグ・ベアが吠えながら突進してきた。
「”風刃”!」
ミカは”風刃”で迎え撃つが、アグ・ベアは構わず突進してくる。
リッシュ村の自警団員の言っていた、アグ・ベアの恐ろしさ。
どれだけ攻撃を受けようが構わず突っ込んで来るのが、本当に恐ろしいと言っていた。
”風刃”はすべて当たっている。
アグ・ベアは血飛沫をまき散らしている。
それでも突進してくる。
「お前ら! 猪に名前変えろやっ!」
別に猪突猛進は猪の専売特許ではないが、そんな悪態をつきながら、ミカはアグ・ベアの突進を躱す。
その時けたたましい音をたてて、家屋に突っ込み、天井に潰されたアグ・ベアがのしのしと出てきた。
火傷を負ったアグ・ベアも突進の勢いが余ってか、地面を転がり、再び立ち上がる。
「…………そっちもまだ生きてんのかよ……。」
家屋から出てくるアグ・ベアを見ながら、思わず溜息が漏れる。
二対一の構図は変わらず。
アグ・ベアに手傷は負わせているが、どの程度効いているのかは不明。
ミカの方は無傷だ。
ただし、ミカは一撃でも喰らえば即終了だと思われる。…………人生の。
実は、ミカの装備は革の胸当てに手甲、革のブーツと、いつもと変わっていない。
アグ・ベア討伐を考えた時に装備の更新をしようと思ったが、ミカに合うサイズが売って無かった。
専門店でも置いていないので、どうしようもなかったのだ。
なので、いつものスタイルでこの強敵に挑まなくてはならない。
一体だけならそれでもやれるだろうと考えていたのだが、まさか二体を同時に相手にすることになるとは……。
「……まあ、いい機会か。 試させてもらうよ。」
そう呟いてミカは後退し、火傷を負ったアグ・ベアから距離を取る。
「こんなもんかな?」
火傷アグ・ベアとの距離は約五十メートル。
もう一体も視界に収めつつ、いつでも中断して離脱できるように警戒しておく。
「創造の火種たる火の大神。 すべてを包みし、その大いなる御力よ。」
ミカの中の魔力が勝手に動き出す。
「万物を焼き払う業火、灰燼へと還す力を、今ここに。 集、極、烈、爆。 炎!」
ミカの魔力が根こそぎ奪われる。
火傷アグ・ベアに向け、【爆炎】の【神の奇跡】を発現させた。
スドドドドォーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!
爆風とともに炎が吹き上がり、黒煙が上がる。
熱波のような爆風に押され、思わず後退る。
周囲への影響を抑える仕掛けのある魔法演習場ではなく、素の状態の【爆炎】。
確かに以前、魔法演習場で使った時よりも炎の広がりや吹き上がり方が強い。
何より、こんな熱波は魔法演習場では来なかった。
爆風自体はあったが、こんな勢いではなかったし、熱もほとんど感じなかった。
「……このまま俺の魔力量が上がったら、爆風で俺までやられるとかないよな……?」
問答無用の全賭けだ。
そうなってしまったら、この【神の奇跡】は封印するしかなくなる。
家屋から出てきたアグ・ベアも驚いているのか、爆発のあった方を見ている。
そして、【爆炎】の餌食になった火傷アグ・ベアは、全身火傷アグ・ベアとして生きていた。
「どんだけタフやねん。 まったく。」
だが、辛うじて生きているだけという感じだ。
体毛はすべて焼け、赤黒く爛れた皮膚や肉やらが剥き出しである。
片腕が吹き飛び、何とか立っているだけ。
遠目だからまだいいが、近くで見たら大変グロいことになっているだろう。
「”風刃”。」
無数の”風刃”で何とか首を刎ね、手足を斬り落とし、胴体を引き裂く。
そうして、でっかい肉の塊の山にする。
「ふぅ……。 いっちょ上がり。」
首を傾げ、こきっと慣らす。
左手を向け、立ったままの残りのアグ・ベアに”石弾”を連射で撃ち込む。
不意を突かれたアグ・ベアは”石弾”の勢いに押され、その場で尻もちをついた。
そんなアグ・ベアを見ながら、ミカは肩を竦める。
「何つっ立ってるんだ。 ……次はお前の番だぞ?」
そう、軽く呟くのだった。




