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今年を振り返って ー物との出会いー

作者: 織花かおり

コロン様主催のエッセイ企画「2025振り返り」参加作品です。

 今年は、色々心配事が多い年だった。

主に家族の健康のことで。

入院だったり、手術だったり……。

また来年も続くけれど。


 だから、夜は疲労困憊ですぐ眠くなる。

でも年を重ねたせいもあるのだろう。

あまりぐっすり眠れなくなった。


 そんな私を見て、家族が動いた。

心穏やかに少しでも気分をあげて眠れるようにと、パジャマを買ってくれたのだ。


 今までの私の寝間着と言えば、ぶかぶかのTシャツかトレーナーにゆるゆるのズボン。

それも恥を忍んで言うが、かなりくたくたのやつ。

人前に出られないやつだ。


 もし夜中に地震などがあって、家が半壊し、そのまま避難所へなんてことになったら、私は行かない。

だってこんな格好で出られるかーーーと力説できるくらい。

車で寝る。


 でも楽であることと私の経済事情を勘案すると、この寝間着がしっくりくる。

だって、くたくただと体の動き(つまり寝相)が激しくても窮屈ではないし、あまり遠慮もいらない。

貧乏だから、BAKUNEなんて買えないし。


 家族が買ってくれると言った時、最初は断った。

でも、そのパジャマが素敵だったんだな。

わたしのスキなグレーの生地に、青と水色の紫陽花?と思われる花が一面に咲いている。

しかもひざまでの長さがあり、寝相が悪い私でもはだけることがない。

ズボンは上着より濃いグレー。

これもまた気に入った。


 上目遣いに「いいの?」と尋ねれば、

「いいよ」と満面の笑み。

それで、お迎えした。


 そして今私はそのパジャマで寝ている。

そのパジャマで就寝するようになってからというもの、今までよりよく眠れるようになった。


 それに、夜中に何かあっても、これなら人前に出られる。

もともとルームウェアでもおかしくないデザインだからだ。

家族よ、ありがとう。

本当に本当にありがとう。


 物との出会いも人との出会いも貴重なものだが、物を大切にできない人は人との出会いもあまり大切にできないような気がする。

だって物には必ず人の手が入る。

作るのにも、店頭に並ぶのにも、買うのにも。

物に感謝しないということは、その人たちの想いに感謝しないということだから。

もちろん物自体への愛着もあるけれど。


 私はパジャマを大切にしようと思う。

洗う時はオシャレ着用洗剤で。

干すときもハンガーを首から入れないで、裾から入れて。

くたくたになるまで。

パジャマが天寿を全うするまで。


 なんだか今年の振り返り?というか、パジャマへの想いを語っただけですが、普段からお世話になっているコロン様の企画だからぜひ参加したいと思って書きました。


 でも「エッセイ」ジャンル、実は怖い(笑)

エッセイをしょっちゅう書いていらっしゃる方と違って、主張することを普段からほとんど持たない私。

で、パジャマ愛。

ほんと面白くも何ともなくて申し訳ないです。


 皆さまが健やかに眠れるように願いつつ、筆をおきます。

ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました!



地味なエッセイをお読みくださり、ありがとうございました!


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とてもあたたかくて、読み終えたあとに胸の奥が静かにやわらぐエッセイだと思いました。 ものすごい派手な出来事や強い主張があるわけではないのに、「今年を生きた実感」と「人への感謝」が、きちんと伝わってきま…
 初めまして。読ませていただきました。  御家族からのプレゼントを受け取った嬉しさがしっかりわかる、素敵なエッセイです。パジャマへの思いにホッコリさせていただきました。  寝具にはお金をかけていたも…
心にじんと響く素敵なエッセイでした!ヾ(*´∀`*)ノ パジャマは多少クタってなってるほうが着心地良いんですよね…、わかります。自分の肌に馴染んだパジャマはなかなか手放せない。 でも新しいパジャマはテ…
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