エルルゥはミルキーを溺愛す
人が増えて少しだけ騒がしくなった。
十一人というのは予想外で、ちょっと多いかなーと思ってる私がいる。もともと少人数のほうが私好きだし……。肥大しすぎたしこれ以上メンバーは入れないようにしよう。
「二つの班に分けて行動しようか」
「そうだね。ギルドマスターであるミキの負担を増やさないためにもそれがいいね」
という話になり、班分けをするのだが。
私の班はうぉたぁ、マシュマロ、ジャンヌ、サンというなんていうか厄介な人しか揃っていない。
あの、でも一人足りないです。あと一人来ませんか? 11人の半分は6と5だからもう一人……って自分カウントしてなかった。
「マシュマロはこっち。私の方入って」
「なんでですか?! そんなにも私とお姉さまの……!」
「違う違う。限定種族こっちにもほしいなって、ね?」
「こんなことになるなら機械王ひかなければよかった」
駄々をこねずにチリンのほうに行ったマシュマロ。
うぉたぁは見下し笑っていた。
「……うぉたぁもこっち。エルルゥ、みるきーをそっち」
「えええええ!? なんでええええ!?」
チリンによって無理やり連れていかれたのだった。
激しく抵抗を見せるがチリンは気にせずに引っ張っている。班はこれで決まりのようだ。
私、サン、エルルゥ、みるきー、ジャンヌがこっち。高アタッカーがいないのが難点だけどそれはしかたないだろう。
チリン以外近接アタッカーはいないからね。いや、ロックは近接も出来そうだけど……。
まあ、アタック面は私がカバーするということかな。私を守るためにジャンヌとエルルゥということかね?
「さて、私たちは早速第三層行ってくる。ミキたちは?」
「私たちは第二層エリアでレベリングしてるよ」
「おっけー」
私が怖いっていうのもあるけどまだ幼いみるきーにホラーを体験させるわけにはいかないからね。
そもそも、話によるとまだ小学一年生らしいではないか。まだホラーは早いね。うん。
「ミキ……じゃなかった。みるきー。お姉ちゃんかっこいいとこ見せてやるからなー」
「おねえちゃんはいつでもかっこいいよ?」
「嬉しいこと言ってくれるなあ!」
エルルゥがデレデレだ……。こんなエルルゥ初めてかも。いつもは冷静に状況分析と化してるし慌てるときは慌てるけどデレることはなかったエルルゥのこの表情。
いいもの見た気がする。
「メカウサギそっち行った!」
「任せろ!」
エルルゥが追い込みジャンヌが通せんぼ。そして袋の鼠になったメカウサギをみるきーの魔法で倒していく。
効率はちょっといい。複数体できないし追い込む必要があるけど初心者であるみるきーにはいい練習になるだろう。もっとも、ゴブリンキングを倒してきたのでちょっとはレベル上がってるが。
「うさぎさんごめんなさい」
「ちゃんと謝れるみるきーも可愛いぞ」
「えへへ」
いや、可愛いのはわかるかな。
エルルゥとは似ても似つかずこっちは本当に美少女っぽい。エルルゥは……その、イケメン面だからさ。顔が近くなるとドキドキするの。イケメンだから……。
「さて、私もちょっと新たなスキルを試運転しようかな」
霊体化……というスキル。
どうなるかの検証も含めてね。
未だに六月六日だと感じる……。もしかして自分はタイムトラベラーなのでは? 過去に来てしまったのでは?




