二人が加入しました
名前も決まり、次はメンバー募集。
呼び込みもいいけど初心者に声をかけてスカウトする方式で行こう。
噴水広場の前に来ると、ログインしてくる人が多数いた。その中には死に戻ってきたであろう人がいるが、大半が初心者であった。だってみんな初心者用装備だし……。私もつい最近までは初心者用装備だったけども。
「うーん。あの子だ!」
と、チリンはびびっと来た人がいたのか駆け出していってしまった。
エルルゥとルルークは呆れてみている。誰もが勧誘失敗するであろうと思っていたのだが……。
「ミキー。メンバー二人追加ー」
見事に成功しました……。
しかも二人。白髪でおっとりとした目の男の子と口を開け、眠そうな目をしたオレンジ髪の女の子だ。どういう間柄なのかは気になるけど自己紹介してもらおう。
「面接を始める。まずは出身校と名前を……」
「いや、出身校はダメでしょ。特定されるし」
「しかもなんで面接なの……?」
「あ、いや、なんとなく。で、二人の名前と種族を教えて?」
悪乗りって大事。
「私はぁ……。面倒だからちーくん説明してぇ」
「はぁ……。えーっと、俺がユキショウグンで種族がヒューマン、こっちがサンで種族がヒューマンです」
面倒くさがり女子とお節介男子と見た。
「ユキショウグンとサンね。覚えた。二人は私たちのギルドに入りたいんだよね?」
「はい! ギルドに入りたいです!」
「どーでもいぃ……。楽しかったら……」
おぉう。サンちゃんはなかなかな性格だな。
「じゃあ、二人と私たちの名前で早速登録しちゃおうか」
ギルドにはギルドホームが与えられるらしい。ただ、有償である。
ホームを購入するには百万が最低価格であり、高くなるごとにグレードアップしていく。お金に関してはチリンの用意がよく予算が七百万。どうやって集めたのかというとギャンブルらしい。昔からギャンブル運はすごいんだよね。何かかけた勝負で勝った事一度もない。
「ありがたい。チリン様様だ。ここを拠点とすればリスポーンもここを登録できるなんて最高だ。まあ、欲を言えば鍛冶場があるんだから鍛冶師がいればベストなんだがな」
エルルゥの言う通り。チリン様様だ。
「家事? 家事ならいつもやってますよぉ。ちーくんが。お皿洗いとかーいろいろ」
「そっちの家事じゃないよ……。刀を打つ方の鍛冶」
「そっちかぁー。うーん、じゃあ、私フィールド出るの面倒なんで生産職になりまーす。鍛冶とるぞぉ」
かるっ!?
「スキルポイントで取得完了しましたぁ」
スキルポイント?
「スキルポイントってなんだっけ?」
私一度もそれ聞いたことないんだけども……。
スキルポイントってなんだろう?
「……それすら知らなかったのか」
「ミキ、ローイから一度説明受けたよね……」
そうだっけ?
「ボクが説明するよ。スキルポイントっていうのはスキルを取得するために必要なポイントでレベルアップごとにもらえるよ。それでスキル取得してスキルをとって育てるんだ」
へぇ。私にもあるのかな?
ためしにステータスを開いてスキルポイントを探してみるとしようか……。
……書いてない?
「え、私にはないよ?」
「嘘でしょ? 誰にでも……」
「ほんとだ。ない。なんで?」
なんでだろう。
「……書いてない場合は何かに振ってあるか、そもそもスキルポイントというものが必要ないのか……。たぶん後者だね。必要ないんだと思うよ。そのままでも似たようなことできるからだと思うし」
そうなのか。
つまり精霊魔法ではなんでもできるということ? 魔法使い限定だけど支援もできるし魅了と幻惑は聞かないからスキルも幅が狭くなるのか……。
じゃあ、気にしなくていいや。
「うーん。俺何取ろうかな」
「ちーくん料理取ってぇ。ちーくんの味噌汁毎日飲みたいしぃ」
告白?




