表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】シナリオ通りに退場したのに、いまさらなんの御用ですか?  作者: 真弓りの


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

255/282

私もひとつ、提案があります!

「そうね、これまでは生徒会役員の抱えの料理人に準備していただいていたようですが、これを機に一般の料理人のかたたちに参入していただくのもアリですわね」


「あーわかりますぅ、お酒とか特に、高級すぎるのよりフルーティなお酒とかのほうが軽くて飲みやすかったりしますもんね」


「ああ、いいんじゃない? 酒でも食事でもデザートでも、豪華なものから平民でも食べ慣れたものを出すと、貴族にとっては新鮮で、平民にとってはほっとするラインナップになる。文化の融合ともいえるんじゃない?」



グレースリア様が乗り気になってくれたからか、フェイン様はじめ他の役員たちも次々に賛同してくれる。私はすっかり嬉しくなってしまった。


もしかしたら、貴族と平民が身分を越えて、和気あいあいと会話するきっかけが作れるかもしれないんですもの。



「はいはいはいはい! 私も! 私もひとつ、提案があります!」



マルティナ様が勢い込んで挙手をする。どうやらそうとう熱量のある提案みたい。



「毎年外部から出し物を披露してくださるゲストをお呼びすると思うんですけどぉ、今年は『ソルガ』の歌劇がいいと思うんですぅ! 私、もうたくさんの女性陣からお願いされててぇ」


「でた」


「浮わつき過ぎですわ」



即座にフェイン様とアデライド様が眉をしかめる。



「毎年でるらしいよ、『ソルガ』を呼びたいって話。あれでしょ、レックスとかいう看板役者がいるんでしょ? 去年も一回話にはあがったけど、彼がくると紅月祭が収拾つかなくなるって却下されたけどね」



なんだかその話、聞いたことがある気がする。私はこっそりルーフェスに近づいて、耳打ちした。



「もしかして『ソルガ』って、王都で一番有名だっていう歌劇団かしら?」


「そうだよ、姉さん、レオさんと一緒に行ったんじゃなかったっけ」


「やっぱり」



レオさんが連れて行ってくれた、あの歌劇団なんだわ。あの楽しくて華やかな歌劇なら、みんなに見せてあげたいと思う気持ちもわかる。



「歌劇の質が一流で、貴族にも平民にも、広く熱狂的な人気のある歌劇団だとお伺いしたことがありますけれど……確かに歌劇の間中、身分に関係なく、全員が舞台を楽しんでいましたし」


「貴族にも平民にも人気があるのならば、一考の価値ありですわね」


「その人気が問題なんだよね。女性人気が高すぎて、パニックになるんじゃないかって話だよ」



せっかく勇気を出してマルティナ様の援護射撃をして、グレースリア様もちょっと興味を持ってくださったというのに、ルーフェスにさっくりとくぎを刺されてしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【作者の先日完結作品】こっちもオススメ♪

ここをポチッと押してね(^-^)

『魔法学校の無敵の首席騎士様は、ちょっとコミュ障、大型わんこ系でした』

先日完結しました。首席騎士様が強いのにカワイイとの感想を多数いただいております(笑)

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ