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私は彼に選ばれなかった令嬢。なら、自分の思う通りに生きますわ   作者: みゅー


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おまけ4 イライザとエクトル

 王城の大広間では盛大なアレクサンドラとシルヴァンの婚約披露宴が開かれていた。


 音楽と笑い声が響く中、イライザはテラスの欄干に手をかけ心地良い風に髪を揺らしていた。


 その背に、エクトルの声がかかった。


「やぁ、イライザ。舞踏会以来ですね」  


「あら、ごきげんよう。なにか(わたくし)に用でもあるのかしら?」


「本当は僕だって、ライバルのあなたとなんか話したくはありませんよ」


 イライザはエクトルの言った『ライバル』という言葉に反応し、はっとするがすぐに平静を取り戻すと答える。


『『ライバル』って、なんのことですの?」  


「とぼけても無駄です。あなたがあの小説の存在を隠したがった理由、それを僕は知っているんですから」


 イライザは鋭い目つきでエクトルを睨みつける。


「だったらなんだって言いますの? (わたくし)を脅すつもりですの?」


 エクトルは苦笑すると答える。


「いいえ、ただ僕と殿下はお姉様の幸せのことを考えて、それをお姉様には絶対に言わないことにしました。だから、あなたにも『お姉様に対する気持ち』を黙っていてほしい。そう伝えたかったんです」


 しばらく沈黙の時が続いたが、イライザがその沈黙を破った。


「もちろんですわ。こうなった以上、この気持ちは一生心に秘めるつもりですもの」


「わかりました。僕からは以上です」


 エクトルがそれだけ言ってその場を離れると、イライザはじっと空を見上げた。

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