39-3 記念すべき、初通信
歓迎会【エルフさんを迎えて】転載禁止
1:学園長先生
歓迎会専用でスレ立てたぞ。
今16:30だな。
エロフさんを生中継で見たい奴集まれ。
生放送のアドレス、わかってるか?
http//:********
2:鼻の下を伸ばした出歯亀
一応2はゲットしたわけだが、御馳走は出ないの?
3:学園長先生
絵に描いた餅でいいなら。
餅って言うか、ドラゴン肉あたりでいいなら。
エルフさんと宴会気分を出したかったら、料理は自前で用意してこい。
4:鼻の下を伸ばした出歯亀
エロイの?
5:鼻の下を伸ばした学園長先生
エロイというかなんていうか。
まあ、お前の目で確かめろ。
念のために言っておくが、小学校教師の歓迎会だからな。
エロ系の映像はないぞ。
だが学園長先生の鼻の下も伸びるのだ。
いや、エルフ最高。
それよりも、うちのワンコの可愛さに悶え死ぬがいい。
6:鼻の下を伸ばしきった出歯亀
パンツ脱いで待っててもいい?
7:鼻の下を伸ばした学園長先生
そっちの映像も、こっちに繋いでもいいのなら。
王妃様や王女様に見られているけど。
8:鼻の下を伸ばしきった出歯亀
うーん、どうしようか。
迷うな。
何かに目覚めそうだ。
9:鼻の下を伸ばした学園長先生
ほどほどになあ。
将来、お前が捕まらない事を祈っているよ。
10:鼻毛を伸ばした出歯亀
ゲストは、まだ来ないのか?
11:鼻の下を伸ばした学園長先生
お、ちょうど今ドワーフの親方と女将さんが来たな。
なんていうか、いつもの格好だったわ。
12:鼻毛を伸ばすのに飽きた出歯亀
映像が無いっていうのは、なんなの
13:鼻の下を伸ばした学園長先生
17時からって言うたやろ。
まあちょっと早いけど中継始めるか。
俺はゲストの相手もするから、お前らも勝手に始めてくれ。
俺は手早く中継を繋ぎながら親方達を呼んだ。
「よお、親方。
女将さんもようこそ~。
今から中継するから」
中継用に高性能のビデオカメラをセットしていく。
当然、トーヤが作業にぴったりとくっついて離れない。
その円らな瞳がきらきらしている。
ワンコが突進してきて、足元でうろうろしている。
好奇心を押さえ切れないようだ。
犬ってテレビとか大好きだもんな。
これは映る方だけど。
そういや俺のカメラポッドにも夢中だったし。
日本のネットに中継回線が繋がった。
「おっす、お前ら。
栄えある中継第一号は、このミニョン。
プリティドッグだ。
魔物犬ちゃんだけどな」
ミニョンを抱き上げてカメラに近づける。
画面上にコメントが踊った。
『うお、かわええ~。
マジか~』
『子犬が生まれたら譲ってほしいんだけど』
『くっそお、もふりてえ』
子供達がカメラ前に殺到してきた。
ミミは揺れまくりだ。
「なになになに~」
「おいしいのー」
「なにこれー」
『おー、ケモミミちゃん達も可愛いなあ』
『うお、本物だって裏が取れているんじゃなかったら、絶対に信じられないところなんだが』
そう、こいつらは物好きにも遠方から、わざわざあの愛知県の山奥にあるキャンプ場まで行って裏を取ってきたのだ。
あの時の事件そのものは報道されていた。
その他の事件と共に。
御丁寧な事に葵ちゃんや山本さんの分まで、みんなで手分けして調べてきたらしい。
色々と聞き込みまでしてきたそうだから呆れ返る。
みんないい歳こいて子供みたいに探偵ごっこか。
はしゃいでいる姿が目に浮かぶようだ。
そして、ちょうどスマホが鳴った。
「やあ、シルベスター王女ですか。
わかった~、今からゲートを繋ぐよー」
それからカメラの前で説明してやる。
「おーい、お前ら。
今からゲートの魔法で王宮と繋ぐからな。
王女様方のお出ましだぞ」
そしてカメラの前で空間が揺らぎ、ケモミミ園の大広間と王宮が繋がった。
まず騎士団長のケインズが現れる。
髭の偉丈夫の登場に掲示板の奴らが沸いた。
何名かの騎士に続いて、国王陛下御夫妻に王女様方やエミリオ殿の御登場だ。
『王女様可愛い~、お嫁さんにください』
『痛風のミハエルはどこだ?』
『いや、一応疾風だろ、疾風』
『イケメン出してよ~』
「王子様方は御仕事中だ。
後で来れそうなら拉致ってくるから」
『海賊王は来ないの~。
楽しみにしているんだけれど』
イケメン好きの女の子達から予想外にクレームがついた。
彼の写真は投下済みだからなあ。
「そんな御大層な行事じゃないから他所の国の国王様はねー。
あれはまた今度」
『今日はファルちゃんに可愛い新作のムームーを作ってきたんだけど』
コアなファルのファンであるHN「伝説の赤いへその緒」さんは、うっとりといってもいいムードで語りかけてきた。
お、ちゃんと新作のデータが届いているな。
感謝感謝。
この人、本当にスイーツ脳っていうか、脳内お花畑っていうか。
自分の好きなデザイン・ファッション関係にかける情熱以外はアウトオブ眼中。
その代わり好きな物に関しては一切の妥協なく、級友・親のコネ・リアル&ネットのコネ・更に海外のツレにまで総動員をかける情熱の持ち主だ。
御蔭で随分助かったところはあるのだけれども。
作務衣に浴衣や着物にその他諸々は、概ねこの人が中心になってやってくれた。
この人達にとっては、それが学業にとって何よりの糧となり、またこの先の人生を生きていくためのエネルギーになる。
この世界に齎した物よりも、その生きる姿勢そのものが、この世界の服飾関係(つまり有無を言わさずに各国の王侯貴族関連)の間で話題に上る人物、というか既に伝説級の扱いである。
別にたいした事ではない話なので本人には言ってない。
まあ学校の勉強、いっぱい頑張ってや。
なんで、こいつらがこんなに事情に詳しいかというと、新しくネットに小説をアップしているからだ。
「おっさんがオートキャンプしてたら、何故か異世界でキャンプする羽目になった」というタイトルで。
タイトルなげーよ。




