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28-8 夢のアイランド

 そして最後に、とっておきの場所へ向かった。


 まず空港へ。

 うちの機体は魔法の垂直離着陸機なので特に空港を作る必要は無いのだが、御遊びで作った物なのだ。

 アイテムボックス技術の応用で作ってみた特殊空間だ。

 これは携帯できる土地といってしまってもいい。


 雰囲気は地球の空港そのものだ。

 あの御馴染みのプラスチック製のチャチな椅子がズラリと並び、広い通路には順路表示と動く歩道まで装備されている。

 そして、どこの国の空港にもあるような御土産が並んでいる。

 外国人向けに成田空港の売店とかに並んでいる、純和風な物品も並べておいた。


 あとクールジャパンな品物の数々も。

 葵ちゃん謹製の、日本の「絵細工」まで置いてある。


 二人には好きな物を進呈する。

 二人とも腕輪のアイテムボックスをプレゼントしてあるので持ち運びには困らない。


 そいつは、うちで使っている目立たない物とは違い、王族仕様の御洒落な奴だ。

 ハイドの国旗である、海竜が引く船の紋章も彫り込んだ逸品だった。

 その彫刻はドワーフの職人にやらせたので、まさに最高品質に仕上がった。


 シド国王は自動販売機を熱心に眺めていた。

 うん、それは地球でも外国人がよくやっているよ。

 そいつは百台ほど並べておいた。

 おでん缶から焼肉のたれまで、なんでもござれだ。


 空港というよりも、ほぼ秋葉原化している。

 その辺の事は人一倍熱心な葵ちゃんが一枚噛んでいるしね。


 広い空港の敷地に待機するのは「フライングパレス」だ。

 通称、空飛ぶ宮殿という。

 世界的な大富豪やアラブの王様が乗るような豪華プライベートジャンボ機だ。

 名前の意味は、ほぼそのまんまだ!


 以前王太子のカルロス君を爆撃機に乗せてしまったので、いつかこういう時のためにと作っておいたものだ。


 当然の話だけど、このおっさんは、こんないいものには乗った事などない。

 昔の二階建てジャンボジェット機には乗った事があるのでネットを見ながら作ったものだ。


 確か、こいつの内装を作る事を出来る会社が、地球でも一つくらいしかないんじゃなかったかな。

 フライングパレスパレス自体が、合計で二十機くらいしかなかったような気がするし。

 内装を作るのにも何年もかかるらしい。


 このおっさんなので、そういう事情は一切無視でイメージ作成で強引に作ってしまったが。

 基本部分は、かつてのおっさんの記憶やネットの情報から作ってしまう。

 魔法PC付属のアイテムボックスの能力ならではの製造力だ。


 金属部分は土魔法とネット情報のコンボで出来る。

 アイテムボックス内にある素材が使えれば、なんでもありだ。


 内部は豪華そのもので、彼らが見た事も無い素材もふんだんに使われている。

 アルミニウム・チタン・プラスチックなんかだ。

 だが高級木材や高級皮革なども使われているので、落ち着く感じになるように仕上げてある。

 こちらの世界の人で、初めてこれに乗る場合でも安心感があるだろう。


 高級ソファやテーブルは趣味の良い落ち着けるものをチョイスした。

 備え付けの家具なども、本来なら普通の物は飛行機には使えない。

 重量とかの問題もあるので。


 うちの場合は風魔法や重力魔法を使い飛行するので、重量は関係ないからズッシリした物を使い散らしてあるし、軽量化の魔法ライトウエイトの付与もかけておいた。


 この機体は垂直離着陸が出来るのだが、シドから地球と同じやり方で飛んで欲しいというリクエストがあったので、本日は滑走路を使用した。


 うちの機体には、ほぼ客室全体がサロンのようになっている普通のフライングパレスとは異なり、ちゃんとファーストクラスのような席も用意してある。

 離陸時はシートベルトも締めて雰囲気だけを楽しんでもらった。

 転移魔法で行けばいいものを、わざわざ時間をかけて優雅な空の旅を楽しんでもらうのだ。


 アテンダントは葵ちゃんだ。

 スチュワーデスをやってみたかったらしい。


 ほぼ空気ではあったのだが、ちゃんと侍女さん達もついてきている。

 色々あったので、だいぶ顔色は青いが。

 特にドラゴン退治のシーンとかが堪えたようだ。


 大空の超豪華な旅を満喫して、着いた先は南の島の「リゾートアイランド」だ。

 これはおっさんがまめに通って作りあげた、大洋の中の一大リゾートなのだ。

 葵ちゃんプロデュースで、乙女の夢がいっぱい詰まっているらしい。


 また夏には、子供達やみんなを連れて遊びにきてもいいなと思って作っておいたものだ。

 従業員はまだゴーレムさんしかいないけど。


 ゴーレムさんも外観はこれから弄るつもりなのだが、中身は今までとはもう別物に改造してあり、オートマタと呼んだほうがいいようなレベルに達している。


 葵ちゃんの功績を称えて、葵と青いをかけて「ブルーアイランド・リゾート」と名づけた。

 アオイランドは本人に却下されたので、この名前に落ち着いた。


 白亜の大型ホテルとピンクの離宮タイプのパレス、そしてコテージやヴィラから成り立っている。

 桟橋には小型のクルーザーも準備してあって、それにはゴーレムの操縦士がつく。

 また海中には大量のゴーレム兵がいて魔物なんぞ寄せ付けない。


 この世界も海の中は凄く綺麗だ。

 まるで地球の海外旅行のパンフレットでも見るかの如くに。

 シュノーケルで海中を覗くと、そこはまさに竜宮城の世界だ。

 遊びつつ、うっとりとその世界に浸るメリーヌ王妃。


 最新地球デザインの水着を身に纏い、大はしゃぎの御様子だが、魅惑のボディは凄まじい破壊力だ。

 地球でその写真を発表したら全地球の男共が鼻血を吹くだろう。

 シド陛下が眩しそうにその艶やかな姿を見ている。


 いや、そんな目をしていなくたって、あんた達は今日ここで初夜だから。

 うちの平和もかかっているので御世継ぎは早目に御願いね。

 御世話にもリキが入ろうというものだ。


 マリンアクティビティなら地球文化に任せてくれ!

 ほぼネット知識なんだけど。


 俺は海外リゾートってケアンズしか行った事がないのだ。

 グアムなんかも射撃がてらにもっと行っておくのだった。

 もう海外は、殆ど砂漠のど真ん中にあるラスベガスばっかり通っていたからな。

 あそこにあるのはホテルのプールだけだった。

 何故か知らんが、あの水が貴重な西部の砂漠地帯で客寄せのために専用プールでイルカを飼っているホテルもあったな。


 白浜の水際を駆け回り、はしゃぐ新王妃様。

 それにつられ、日頃の威厳を脱ぎ捨てて顔を綻ばせる新国王陛下。


 平和な日々の予感に、俺も心が和む。

 まあ油断はしていないけどね。

 今までのあれこれを思い起こすと、いつ何があるかわかったもんじゃないのだ。


 でもこんな風景を見ていると、孫を抱っこして縁側で茶を啜っていたくなる。

 あ、俺には子供もいなかったわ。


 でもいいんだ。

 この世界には、俺の事を園長先生と呼んでくれる可愛い子供達が大勢いてくれるんだから。


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[一言] シド国王は、自動販売機を熱心に眺めていた。 おでん缶から、焼肉たれまで、なんでもござれだ。 >うどん・そば・ラーメンの自販機もあるのかな?
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